(注意: 以下のウェブページはどのように読んでもよいのですが、メインは録音書き起こしを日本語に訳したテキストで、日記の抜粋、フィールドノートはこのテキストに対するコンテキスト情報として読んでいただけると幸いです。)
Dec.1, 1993, Wed, kpwaluka, mwezi6, kumi ra kahi
午後1時Mazora2に向かう。Mazora方面が今にも雨が降りそうで、Mazoraに向かう坂を登っていると冷たい風が吹き付けて来て黒雲が立ちこめ、気が気でない。幸い雨が降りだす直前にMechombo3の屋敷に到着。Mwainzi夫妻4とChariたちはすでに到着してmarero87を作成したり、薬液を作ったりの作業をしている。約束通りの食事が用意されていないといってanamadzi88しきりと不平をいう。marero87の作業ではmulungu90とmudigo83、shera76の歌が楽器なしで歌われる。丁度良い機会なので何曲か録音。mareroの作業は深夜まで続く。kayamba95は10時前に始まる。かなり早い開始時間だ。私は一応1時近くまでおきていたが、明日のkuphula mizigo56が今回の目玉なので、テント97で仮眠をとる。3時ごろ目を覚ますとちょうどMunyaziがmuduruma48でgolomokpwa98しているところ。慌ててテントの外に出て録音。しかしその中断をきっかけにmakolotsiku100に入る。残念ながらuchi101のmakolotsiku。再びテントへ。次に目を覚ましたときには、mwalim kuruwani102の歌を演奏中。5時だった。一人Jamba103でひっくり返っている。その後mulunguの演奏によって、mwana wa ndonga(chereko93)が与えられる。何とこのkayambaはcherekoを与えるkayambaでもあったのだと気がついたときにはすでに遅い。もし知っていたなら、chereko作成の呪文を録音できたのに。Murinaによるとチェレコは朝4時ごろ作成されたという。その後mudigoとDena74で夜の部を終了する。けっこう寝たのであまり疲れていない。
Mechombo: メチョンボ(Mechombo)。施術師ムニャジ(Munyazi3)の「子供名dzina ra mwana86」。日記、フィールドノートともこの2つの名前が混在しているが、同一人物であることに注意していただきたい。本来統一するべきだが、日記とフィールドノートにおける記述に手を加えないでそのまま提示するという方針に従って、あえて統一していない。ごめんなさい。
Dec.2, 1993, Thu, kurimaphiri mwezi7/kahi
朝食後8時すぎにkuzuza55が始まる。疲れてないと思って調子に乗ってついて行ったのが大失敗。Mechombo3が先頭に立って行ったのだが、Kinango近くまで引っ張りまわされる。マラソンか。これでぐったり疲れる。しかし屋敷に戻って小屋の中でchivuri54を戻すと、全く間をおかずすぐさまkuphula mizigoに入る。Chariに対しておこなったときには若干省略ぎみであったが、今回はほとんど完全バージョンをみることができた。uringo104は屋敷からずいぶん離れたziyaの中に設定してあったし、そこでのmaphuli105の手順も非常に組織だっていた。残念ながらスライドフィルムが途中でなくなり(何故か準備が悪い)せっかく2台のカセットレコーダーで万全を期していたのに、相変わらず一部で録音を失敗する。ziya19の中なので近寄れずmakokoteri106を録音することができなかったのも残念。午後1時すぎに全過程を終了する。後は例によってkulumbana107なので失礼しようとするが、Mechomboに引き止められる。ちょうど激しいvuri108の雨が10分近く降り、その間にすでにmaini109が煮てあったのでそれを一口食べただけで失礼する。帰り際、Mwainzi夫妻から土曜日の結婚式に招待されてしまう。行かない訳には行かないだろう。疲れる。 3時半に帰宅。コーヒーを飲み荷物を整理して一息ついているとMurinaたちも帰途立ち寄る。mwana wa ndonga92が与えられた経緯について少々質問。Murinaたちも疲れている様子で、ココアを飲むとすぐに帰る。自転車疲れがたまって来ているせいか、腰がめちゃめちゃ痛い。水浴びを明るいうちに済ませ、ベッドで横になる。
そもそも「重荷下ろし」とは何か、ということだが、それについては「重荷下ろし」についての総説のページにざっと目を通していただきたい。ここでは個別の二日がかりのいくつものカヤンバが複合した施術のなかで、重荷下ろしのプロセスに重点を置いて紹介することにする。
施術師: 男性 Mwainzi wa Lugo(Munyaziの施術上の父)、女性 Munyazi wa Shala(Mechombo)
カヤンバ奏者: Mwainziのアナマジ(anamadzi88)が担当。 ゲスト施術師:Anzazi(Mwainziの妻)、MurinaとChariの夫婦
Anzaziは単なるオブザーバーとしての参加だったが、かなり積極的に活躍していた Chariたちは、ただ見に来ただけだが、matungo110の作成、Murinaはchereko93 の作成等に従事。
患者: Memulongo
開催場所: Shalaの屋敷(Munyaziの家) 日時: Dec.1, 1993(14:00) ~ Dec.2, 1993(13:00)
ムウェレは、メムロンゴ(Memulongo)という子供名(dzina ra mwana86)をもつ女性。今回のカヤンバには夫とともに参加(「重荷下ろし」の際に配偶者がいる場合はその参加が必須であるため)。ムニャジの占い(mburuga)の客。ムニャジ自身の占い以外に、他の施術師の占いにも2回行っている。いずれもが最初のムニャジによる診断を裏付けた。施術師の選定111についても、全ての占いがムニャジを治療担当施術師に選んでいた。 この結果を受けて、ムウェレの訪問を受けたムニャジは、彼女にそのまま自分の屋敷に留まって治療を受けるよう勧め、ムニャジの屋敷で鍋(nyungu17)と薬液(chiza18)で治療した後に、カヤンバを開催する手筈を立てた。
(フィールドノートよりの抜粋)
例によってフィールドノートをほぼそのまま転記したテキストをそのまま貼り付ける。といっても、ドゥルマ語がそのまま使われていたりして、私以外には読みづらいものであるが、フィールドノートそのものの記述に手を加えるのは避けたいので、ドゥルマ語箇所は注釈の形で補足説明する。ただしフィールドノートの記述の一部は、ワタシ何をトチ狂ったか下手くそな英語でメモしており、この英語箇所はあまりにも恥ずかしすぎるので、そのまま転記の原則を破って、日本語に直しています。ごめんなさい。セクションごとの表題は、ウェブページ化する際に追加。使用している訳語などは当時のまま訂正せず。(DB...)は後にフィールドノートに紐づけた書き起こしテキストの、該当箇所を示す番号。
女性aganga、ateji88たちによる ku-tunga110 marero87 必須113: sigara114 & mukahe115 na chai116 ムルングの歌、シェラの歌を歌いながら ドゥルマ語テキスト (DB 6747-6761) (日本語訳)ビーズ飾りを作りながら歌う
ムァインジ氏とムリナ氏は仲良く、あれこれ議論しながら、薬液作り。
22:00 kayamba開始 makokoteri106 for kusimika ngoma120 (Mwainzi) ドゥルマ語テキスト (DB 6762-6763) (日本語訳) ンゴマを据える唱えごと
(一連の憑依霊の歌) ドゥルマ語テキスト (DB 6764-6784) (日本語訳) ンゴマ開始からの歌(抜粋) mwanamulungu91 (DB 6764-6765) mwarabu121 (DB 6766) chitsimbakazi59 (DB 6767-6769) mwavitswa122 (DB 6770) mubarawa123 (DB 6771-6773) musambala124 (DB 6774-6776)
次にどの憑依霊の歌を歌うかについての短い議論 ドゥルマ語テキスト (DB 6777) mukpwaphi125 (DB 6778-6779) chiyuga aganga126 (DB 6780-6784)
02:45 muduruma48 の歌(unrecorded)
憑依霊ドゥルマ人では当然チャリさんも、ここぞとばかりに踊った。でもいつものように占いを始めたりして、衆目を集めるようなパフォーマンスはなし。今日の主宰者ムニャジがちょっとうざいドゥルマ人となって、管を巻いていた。
Munyazi 憑依状態
ドゥルマ語テキスト (DB 6785-6799)
3つの異なる人格が現れる
小さい子供、男のドゥルマ人(ドゥルマ語で喋る), ギリアマ人長老
03:20 ヤシ酒の makolousiku100
*
| シェルターで仮眠
*
05:00 mwalimu kuruani102 (unrecorded)
mudigo83
ディゴ人の歌
ドゥルマ語テキスト (DB 6800-6804,6806)
muwele128 yugolomokpwa132、Anzazi yunakokotera133
アンザジの唱えごと(一部)
ドゥルマ語テキスト (DB 6805)
mudigo(ku-bit'a) ディゴ人の歌 ドゥルマ語テキスト DB 6806
kulavya134 mwana wa ndonga92 (chereko93)
mwanamulungu (unrecorded) muwele yugolomokpwa、Anzazi 彼女に chereko を探しに行けと言う "haya mwana yunarira, mwana yunarira"135 と言ってもcherekoは特に隠されていたわけではなく、小屋の中、戸口の わきに布にくるんで置いてあった muwele 'chereko' をもって嬉しそうに踊る
jamba103 (unrecorded) 私が目覚める前にgolomokpwaしていた女性に対して演奏 彼女はcherekoの授与が終わるまで、中断され待たされていた
Munyazi もまたjambaで golomokpwa Murinaと chiryomo136で会話、次いでスワヒリ語で。やがて沈静化する。 ムニャジ、異言でムリナと応酬 ドゥルマ語テキスト (DB 6807-6808)
dena74 憑依霊デナの歌 ドゥルマ語テキスト (DB 6809-6810)
mugayi137 憑依霊ムガイの歌 ドゥルマ語テキスト (DB 6811)
mudigo83 憑依霊ディゴ人の歌 ドゥルマ語テキスト (DB 6812-6813)
Mwainzi 徹夜のカヤンバを締めくくる makokoteri(not recorded)
aganga: Mwainzi & Munyazi, Chari, Murina, Anzazi はmuweleとともに屋敷に残る muwele は小屋の中に仰向けに地面に横たわる
mwanamulungu 4 songs(unrecorded) mugayi 2 songs (ordered by Mwainzi, unrecorded) mudigo 3 songs (unrecorded)
mudigo 3曲目にMwainzi、小屋を反時計回りに巡る
sheraの曲でkuzuzaに出発 最初はMwainziが先導するが、途中からMunyaziを先頭に
今回は私も同行する
「嗅ぎ出し」出発!
途中2箇所のmuzuka36を経て(mafufuto139を採取)、キナンゴ近くのMienzeni川 まで(遠すぎ!)進む。
最初のムズカでの唱えごと
ドゥルマ語テキスト (DB 6814)
憑依霊シェラの歌
ドゥルマ語テキスト (DB 6815)
川の深みにて
kuku141 wa kundu142をku-tsinza143 川底の泥やmatoro144, vilongozi145を採取して戻る
屋敷に戻ると、反時計回りに小屋を巡り、Mwainzi後ろ向きに背中から小屋の中にはいる 泥、matoro等を包んだmulunguの布を、地面に仰向けに寝ているmuweleの上に広げ、バケツの水を盛大に注ぐ(muweleびしょ濡れ)
kuku141 mwiru142の脚を持ってvuo20の水に浸け、muwele を kuvunga146 ndonga147 の口を患者の身体の各部(目、鼻、耳、口などの開口部、各関節など)に近づけ息を吹きかける 以上で ku-udzira chivuri148 は終了
makokoteri 嗅ぎ出し終了の唱えごと ドゥルマ語テキスト (DB 6816)
屋敷にて kuzuzaが終了すると、おお急ぎでmuweleを小屋の外に連れ出し、chinu152の前でvuoの薬液で洗う
kayamba隊がmuweleを囲み、sheraの歌を打つ 重荷おろしに出発するシェラの歌 ドゥルマ語テキスト (DB 6817)
その一方でmahundu153にビン12本を詰めたりの作業が大忙し 水の入った瓶12本、manga1541本、miwa1551本、payu1561個、nazi1571個、izu1581本、mahamuri891個、kuni1593束
muwele これらの入ったmahundu2つを両肩に斜めがけに掛けられ、頭にchinu152を載せられる(重すぎ!)
Sheraの歌が打たれるなか、出発 二人のagangaが鞭で急き立てる。 急き立てる ドゥルマ語テキスト (DB 6818)
道中(uringo104は池のなかに作られている。結構遠い.) 7songs of shera 道中歌われるシェラの歌 ドゥルマ語テキスト (DB 6819-6825)
3-1.
uringoにmuweleを座らせる前に、彼女が運んできた荷物を下ろしてやる。
muweleをuringoに座らせる。muteji88の膝の上に。
足がブラブラしないように足を置く小さな台の上に乗せる。
muweleを膝に乗せるmutejiはmatungo110を身に着けた者でなければならない。
3-2.
chibakuli160にziya19の水を入れ、なかに昨日作成したmatungoを入れる
3-3.
Mwainzi+Anzazi、kuku141 mwiru142の羽毛をむしりながらmakokoteri
kuku mwiruをkutsinza143し、その血をmatungoを入れたchibakuliに滴らせる。
kuku mwiruを北の方角に投げ捨てる
3-4.
Mwainzi、kuku mweruphe142の羽毛をむしりながらmakokoteri
kuku mwerupheでmuweleの体を洗う
kuku mwerupheをkutsinzaし、西の方角に投げ捨てる
3-5.
Mwainzi、kuku wa kundu142の羽毛をむしりながらmakokoteri
kutsinzaし、東の方角に投げ捨てる
(uringoは池の中に設置してあり、近づけず、その周りでkayambaが演奏されているため以上のmakokoteriはほとんど聞き取れない)
鶏に対する唱えごと
ドゥルマ語テキスト (DB 6826)
3-6.
muweleにmatungoを着けてやる
3-7.
mubuzi161 ya kundu142を二人のanamadziの手を借りてmuweleの頭上に置き、
Mwainzi yunakokotera133
赤い(褐色の)ヤギに対する唱えごと
ドゥルマ語テキスト (DB 6827)
3-8.
mbuziをmuweleの背後に下ろし、kutsinza143
3-9.
二組の女性atejiが、uringoの前後のchinu152をmutsi162でkuphonda163しはじめる
その間にmuweleの頭上に、manga154, payu156, miwa155, mahamuri89, izu158, nazi157 を順番に置いてそれをmundu164で切り(あるいは、割り)、その都度makokoteri
(例によってmakokoteriの大部分は聞き取れない)
パパイヤが割られる場面
makokoteri for cassava
キャッサバ(manga)に対する唱えごと
ドゥルマ語テキスト (DB 6828)
makokoteri for mahamuri
揚げパン(mahamuri)に対する唱えごと
ドゥルマ語テキスト (DB 6829)
makokoteri for banana
バナナに対する唱えごと
ドゥルマ語テキスト (DB 6830)
makokoteri for coconut
ココナツに対する唱えごと (DB 6831)
ドゥルマ語テキスト (DB 6831)
3-10.
Mwainzi、瓶の水をmuweleに背を向けて、makokoteriしながら後ろ向きにmweleに一本ずつかけていく。Murinaが補助(ちゃんと頭頂部に水がかかるよう)
一本かけ終わるごとに、空き瓶を後ろを向いたまま、muweleの頭越しに投げ捨てる。
makokoteri for 12 bottles of water
12本の水の入った瓶に対する唱えごと (DB 6832-6833)
ドゥルマ語テキスト (DB 6832-6822)
3-11.
kuni159を一束ずつmuweleの頭に載せてmakokoteri
薪に対する唱えごと
ドゥルマ語テキスト (DB 6834)
3-12.
バケツの水でmuweleを洗い、muweleの身体に、女たちがchinuで搗いたトウモロコシをこすりつけながらmakokoteri
(録音失敗、テープが終了していたのに気づかなかったため)
3-13.
makokoteri (by Mwainzi, Anzazi, Mechombo3) 燃える炭を muweleの身体を周回させ、その後、炭は ziyaに投げ入れられ、さらに水をぶっかけて完全に消火
燃える炭に対する唱えごと
ドゥルマ語テキスト (DB 6835)
sheraの歌をずっと演奏 帰り道のシェラの歌 ドゥルマ語テキスト (DB 6836-6838) 4-1. Mechombo3 yunakokotera133 鞭で打つと脅しつつ、屋敷への帰還を促す 帰還を促す語りかけ(ディゴ語) ドゥルマ語テキスト (DB 6839) 4-2. muwele、薪を集めるよう命じられる(鞭で打つと脅されながら) 薪を集めさせる語りかけ ドゥルマ語テキスト (DB 6840-6841) 4-3. vuwe165の一角を「夫」役の男(実際の夫が務める)が草なぎし、muweleはそこをjembeで耕すよう命じられる 畑仕事をさせる語りかけ ドゥルマ語テキスト (DB 6842-6843) 4-4. おかずにするmutsunga166を採るように命じられる おかずにする野草摘みでの語りかけ ドゥルマ語テキスト (DB 6844)
5-1. 小屋に入る muweleが小屋に入る際に、「夫」が4/=を小屋の戸口に置き、muganga(Mwainzi)がそれを拾い上げて、一行は小屋に入る 5-2.kubusa moho167 songs of shera(DB 6845) 室内でのシェラの歌1 ドゥルマ語テキスト (DB 6845) muwele採ってきたkuni159で火を起こすよう命じられる lalwa170をもってこさせる 「夫」はlalwaのところに4/=、figa171のところに2/=を置く muwele、搗いたトウモロコシをfigaにおいた石板の上で乾かすよう命じられる トウモロコシ粒を乾燥させる ドゥルマ語テキスト (DB 6846) 5-3. ku-saga172 song of shera 室内でのシェラの歌2 ドゥルマ語テキスト (DB 6847) Mechombo、muweleにlalwaの前に脚を伸ばして座り、粉挽きをするよう命じる (その場にいる皆がめいめい大声で喋っているのでほぼ聞き取り不可能) Mechombo yunakokotera 粉挽きを命じる、途中から唱えごとに ドゥルマ語テキスト (DB 6848-6849) songs of shera 室内でのシェラの歌3、4 ドゥルマ語テキスト (DB 6850-6851) kusaga締めくくりの唱えごと 粉挽きを締めくくり調理へ ドゥルマ語テキスト (DB 6852) 5-4. ku-jita173 wari muwele に wari174 na mutsunga166 を調理するよう命じる song of shera 室内でのシェラの歌5 ドゥルマ語テキスト (DB 6853) Mechombo、 muwele に順を追って wariを料理するよう命じていく Mechombo yunakokotera. 練粥作りの際の唱えごと ドゥルマ語テキスト (DB 6854) song of shera 室内でのシェラの歌6 ドゥルマ語テキスト (DB 6855) Mechombo は muwele に小屋から出て、「夫」のところに wari と手洗いの水をもっていくよう命じる kayamba 演奏者たちも小屋の外に出る 練粥の調理を終え、外へ ドゥルマ語テキスト (DB 6856) 5-5. out of the hut(muhalani) song of shera 前庭でのシェラの歌1 ドゥルマ語テキスト (DB 6857) muwele=shera、muhala175で夫(これからsheraが「結婚」することになる)の手を洗ってやり、wariを食べさせる。muwele=shera 自身も食べる。 Mwainzi 加わる Mwainzi、muwele=sheraの「父」として、「娘」の作ったwariに文句を言う。「お前は私の mutsedza(義理の息子=muweleの夫)にひどいwariを食べさせるつもりなのか」。 ムァインジ「娘」の練粥に文句をつける ドゥルマ語テキスト (DB 6858) song of shera 前庭でのシェラの歌2 ドゥルマ語テキスト (DB 6859) Mechombo、水に生の草を浸しただけの「おかず」を差し出し、食べろという。 muwele 食べ、「夫」も食べる。 Mechombo、「嫁ぎ先についたら、すっかり変わった自分を見せなさい」 女たち「花嫁」をからかう。 5-6. 婚資の受け取り 「夫」、muweleの「父」に8/=の「婚資」を差し出す。 Mwainzi、muweleに自分は「婚資」を受け取ろうとしている。だから嫁ぎ先ではしっかり仕事をしてほしい、と諭す。怠け者は嫌いだと。 私は「婚資」受け取ってもよいか?お前の夫となるのは誰なのか、この場で私に示すようにと命じる。 muwele うなずき、同意する。 共食、その後婚資のやりとりで結婚成立 ドゥルマ語テキスト (DB 6860) 5-7. 小屋の中で Mechombo、小屋のなかでmuweleにku-handika(bed-making)するよう命じる Anzazi、kayamba playerを室内に呼び、演奏を続けさせる song of shera ベッド傍でのシェラの歌 ドゥルマ語テキスト (DB 6861) muwele、寝台に横たわる。「夫」もその横に横たわる。 Mechombo、muweleに妻の心得を諭す。お前は娶られたのだから、夫を敬え、水をもってこいと言われたら、持っていけetc. つづいてAnzaziも結婚したからには、今の振る舞いは捨て去り、このお母さん(Mechomboのこと)が、「あの人の娘はとっても分別がある娘だ」という噂を耳にするように、と諭す。 寝台での諭し ドゥルマ語テキスト (DB 6862-6863) 5-8. 小屋の外で songs of shera(unrecorded) Mechombo 締めの makokoteri Anzazi 追加の makokoteri Mwainzi さらに追加の addition 最後に再び Mechombo makokoteri 小屋の外での締めくくりの唱えごと ドゥルマ語テキスト (DB 6864-6865)
Dec.2, 1993, Thu, kurimaphiri (from diary)
3時半に帰宅。コーヒーを飲み荷物を整理して一息ついているとMurinaたちも帰途立ち寄る。mwana wa ndongaが与えられた経緯について少々質問。Murinaたちも疲れている様子で、ココアを飲むとすぐに帰る。
(from the fieldnote) 【commentary on kayamba ra kuphula mizigo at Mazora】(Murina & Chari at my hut, on their way back from Mazora) ドゥルマ語テキスト (DB 7228-7230)
昨夜与えられたcherekoについて muwele は第一子がなかなか生まれず、mwana wa ndonga wa kuvoyere mwana(chereko)を作り、第一子が生まれたのちに、正式に与えられた。 しかしその後、与えられた mwana wa ndongaは壊れてしまった。 そして第二子Dumaeが生まれたが、病気になった。そこでcherekoを授けなおすことになった。
muweleはmugangaではないのに、mwana wa ndongaは隠されて、自分で見つけるよう言われていた。普通cherekoはただ与えられるものなのに。 Chari: Chira mutu yuna ugangawe.(施術師ごとに癒やしのやり方は違うもの)
Mechomboたちはmwana wa ndongaに鶏の心臓を入れた!Murinaが入れた。 鶏が割かれ心臓が取り出されたとき、それはまだ鼓動していた。それをぐるぐるに縛って入れた。入れたのはMurina自身。入れろと言われたので。
cherekoは明け方4時に完成。Murinaが整えた。ushanga176はChariが巻いた。
Mechomboは不機嫌だった。きっとMwainziが勝手に私たちをkayambaに招待したから。 自分の取り分(報酬)が減ると思ったのだろう。自分はお金をもらおうと思って行ったわけじゃない。ただどんなやり方でやるのか見たかっただけ。
(ビーズ飾りを作りながら歌う歌) 作業しながらなのでカヤンバ伴奏なしに歌う。最初はングイ(ngui177ムァンザさん)が独りで歌い、チャリも参加。他の女性たちは無言。やがて何曲か歌った後にングイが苦情を言い、女性たちも加わる。
6747 (ムルングの歌1)
私はお母さんに呼ばれました、ムベガ兄弟よ、ウェー お父さんは私に言った、お前ムチェクィシャと 祖霊に祈りましょう ムルングに祈願するのよ 癒やし手たちの私たちの祖霊(夢か?) あなたは病人を与えられた、そしてあなたは治療した あなたは病人を与えられた、そしてあなたは治療した 一昨日 夜が明けたら、病気はぶり返す、難儀よ 癒やしの術は私を苦しめる
6748 (ムルングの歌2) ムァンザ氏が歌うが、途中からチャリもリードに入る。 (ソロ)
文句の多い人178、本当に、私は惨め、お母さん マレラ(marera179)よ、あなたは言われる、とき解いてくださいと ムルング子神(mwanamulungu)よ、人々はあなたに尋ねます 縛られている者は、やがてとき解かれるのでしょうかと、エー (合唱) 文句の多い人、ムルング子神、お母さん、ウェー 縛られている者は、やがてとき解かれるのでしょうか 縛られている者は、尋ねます 縛られている者は、やがてとき解かれるのでしょうかと、エー
6749 (ムルングの歌3) チャリが歌い出すが、ムァンザ氏はその歌を知らないと言う。
私の蝿追いはたきをください 私の蝿追いはたきをください 私はひどい目にあっています、ヘー、私の蝿追いはたき 私はひどい目にあっています 私の蝿追いはたきをください 私はひどい目にあっています、ヘー 蝿追いはたきをください、施術師さんたち、私のために祈願して
6750
Mwanza(Mz): ああ、その歌、全然つかめそうにないよ。知らない歌だよ。 Chari: ご存知ないの?まずは不平をおっしゃいなさいな。そして慣れるわよ。 Mz: ああ、そもそもあなたがここで歌えば、明日になれば私も歌っているさ。それとも...
6751 (シェラの歌1)
落ち着いて、ええ、落ち着いて 池に、お母さんのところに、ウェー 仲間のアナマジ88の方々 ああ、もう、池で心を掃かれに 何を探しに?ムヴモ180とムザジ182とムグィラツォンゴ184。 施術師たちの秘密 さあ入りましょう、アテジ88の仲間たち さあ、池で心を掃かれに さて、何を探しに?ムヴモとムザジとムグィラツォンゴ、入りましょう ウェー、お入りなさい、アテジの仲間たち ウェー、池にお入りなさい、心を掃かれに
6752
Murina(Mu): さあ、シェラ、シェラ、シェラ。 Anzazi(An): さあ、なんて言われてましたっけ?どうしてあなた何も歌わないの? Woman: ああ、何も歌わないって、なによ、お母さん。歌は終わったわ。つまり、あのングイ(ngui177)が歌いやめたのよ。 Mwainzi(Mw): ねえ、お母さん。あなたはあっちのディゴの人たちといっしょに暮らしている。だからあなたは知っている歌はどれも、あちらの方たちとうまくいくように、ディゴ語で歌おうとされてるんでしょ。それじゃうまくいかないよ。だってディゴ人はゆっくり歌うけど、ドゥルマ人は速く歌うから。 Chari: ところで、私はゆっくりに慣れてるわ。結果、私は取り残される。仲間たちは先の方に進んでる。 Mw: 私もね、3年暮らしましたよ。でもまだ良くは知らないです。
6753 (シェラの歌2)
気の触れた女(muchetu wa k'oma=シェラの別名)は、お母さん、ホー もう、やってきた 私は嬉しいわ、みなさん 彼女はもう、やってきた
6754 (シェラの歌3)
私は貶められている、ウェー みなさん、私は貶められている、ウェー 私は困難に見舞われています、みなさん どうして私は消えてしまうの、仲間の方
6755 (シェラの歌4) (Mwanza & Murina)
ホー、瓢箪、ヘー 皆さんに言います。私は貶められている、私の癒やしの術は、ウェー 私は、驚いた、ヘー シェラ、お母さん、ホーウェー 癒やしの術は、家には、無くなっちゃった (Chari) ヘーワ―、瓢箪、ヘー 私は泣いたの、ウェー、ハー、瓢箪、ウェー 慎重に、瓢箪、ヘー 私は食べられた、ウェー、お気の毒に、ヘー 私はムルングに祈ります 私は食べられた、お母さん、私はびっくりした、ヘー 癒やしの術は、家には、なくなっちゃった (合唱) 第一部をリピート
(皆さん、歌に熱が入って、手元が疎かになっているように思うのですが...)
6756 (シェラの歌5) (ソロ)
道で待ってて、エエ 道を見ながら待ってて 私は難儀の奥さんを待ってるの、来ないのでしょう 私は鍋を火にかけた、客を待ってるの、でも見えないわ ウェー、チカルワ奥さんは、来ないでしょうね、エエ (合唱) 道で待ってて、エエ 道で待ってて 私の義理の母は、来ないのでしょう、ウェー 私は鍋を火にかけた、客を待ってるの、でも見えないわ ウェー、カルワ(人名)奥さんは、来ないでしょうね、エエ
6757 (シェラの歌6)
ウェー、お母さん、おお神よ お母さんはシェラをもっている 池に行きなさいと言われました みなさん、ウェ、お母さん、シェラをもっている (ここまで未録音) 私は言われました、お母さんのところに行きなさいと。ああ神よ、お母さん、シェラ、エエ あなたは池に行きなさいと言われました シェラ、エェー お行きなさい。あなたはシェラをもっている
6758 (シェラの歌7)
ハーヤ、私は速い、ええ ホー、高速の人 私のいたところは、遠い 私はやって来た、高速の人 シェラは高速の人
6759 (シェラの歌8)
ホーウェ、ティウィ186への旅 石の間を縫って 私はシェラに逃げられた 私は自動車にのって 行きましょう 兄弟ムァナヴリ(人名) 私は独り残された ウェー、すべては神がご存知よ
ムァンザ(ングイ)歌うが、女性たち、ついてこれない。歌詞を教えて、再度挑戦。
6760 (ディゴ人の歌1)
私は私の布が欲しいの ハヤ、ウェー 今日、私は私の布を求めているの、ウェー 憑依霊ディゴ人の布 私の布よ、ハヤ、ウェー 今日、私は私の布を求めているの、ヘー 憑依霊ディゴ人の布。
誰もが知ってる憑依霊ディゴの歌、途中からムァインジさんも、ンズガ187を鳴らしながら参入。
6761 (シェラの歌9)
とうもろこしの収穫は得られなかった 楽士さん方、ウェー 鍬を手に取り、キャッサバを耕しな 下手くそ、下手くそ、ウェー、楽士さん方 鍬を手に取り、キャッサバを耕しな
そろそろ皆さん、お疲れなご様子
6762 (徹夜のカヤンバ開始の唱えごと。予告なくいきなり始まった188ので、途中から録音)
Mwainzi(Mw): (Munyaziがどう言って、自分に施術のパートナーを依頼しに来たかを述べていると思われる)「...私がその仕事をやるようにと(言われたのです)。その占いのなかで、そこには男女の施術師がいなければならないと言われました。私は、あなた、施術上のお父さんに依頼に参りました。」確か、(そのとき)私はちょっとした遠出の旅がありました。そこで草木を差し出し、言いました。「私はこれから急ぎの旅があります。でも私の薬液(michocho189)をもってお行きなさい。」そしてそのとおりになりました。私の施術師仲間(ムニャジのこと)のもとで、ことはうまく運びました190。 あなた全能の神よ、あなた憑依霊アラブ人121も、そしてバラワ人子神123、サンバラ人子神124、クァビ人子神125、カツィンバカジ子神59、そしてあなたライカ子神58、ガラ人子神191、そしてペポコマ子神192、みなさんもご一緒に。そしてあなたドゥングマレ41、そしてジム193、そしてあなたドエ人子神194も。わたしたちはあなた方に申しあげました。「このように今、あなた方はこの者(ムウェレ)を捕らえていらっしゃるが、私たちは身体のつつがなきことを欲しております。もしこの者から手を引いていただければ、歌(ンゴマ)をあなた方は手に入れるでしょう」と。さて、今、歌(ンゴマ)とは他でもございません、これです。 皆さま方、世界の住人の皆さま方、私は皆さま方が、一人、一人お着きになることを、到着するやお互いを邪魔しあったりなさらぬことを、欲しています。歌(ンゴマ)はあなたがたのものです。明日まで。どなたの御座すところでしょうか。あなたムァニィカ(mwanyika195)の御座すところ、あなたカリマンジャロ子神(Kalimanjaro198)の御座すところ。どうかお静まりください。歌はあなたがたのものです。 そうこうしてここにやって来て、病人とも楽しく話ができるとは!私たちはムルングに感謝します。なぜなら問題は、その病人が病院にいたときから深刻なものだったからです。そこで彼らは思い至りました。どうすればよいだろう。占いを打った方がいいのではないでしょうか、皆さん。だって、バナナの木は(倒れそうになっても支柱で)支えられることで真っ直ぐ立つものじゃないですか。はたして占いは、こちらで治療した方が良かろうという結果を出したのです。
6763 (ムァインジの唱えごとは続く)
Mwainzi: 私たちは感謝しています。そして病人の親族たちもまた感謝しています。皆さま方、どうか宜しくお着きいただき、踊り、(患者の)身体をとき解いてください。ニャリ(75)の御座すところ、ルキ127の御座すところ、ガシャ199の御座すところ、あなたボコ200の御座すところ、キユガアガンガ126の御座すところ、ムガイ137の御座すところ、どうかお静まりください。マサイ人殿201の御座すところ、長老デナ・ムカンベの御座すところ。歌は皆さま方のものです。どうか、ゆっくりゆっくりと。お一人ずつ、お一人ずつ、ゆっくり、ゆっくりと。夜が明けて、明日になるまで。 自分たちの争い事(まだかなえられていない要求)をお持ちだという方々も、明日、完全に調えて差し上げます。私どもの望んでいるのは、つつがなきことだけです。けっして争い事をもってお出でにならぬよう。そもそも、私たち施術師どもも、今日この日を喜んでおります。わたしどもの病人を治療したのち、今、彼女はとても気分が良いと申しているのです。これこそ私たちが望んでいるとおりのことです、皆さま、世界の住人子神(anarumwengu204)の皆さま方。 私どもの言葉をお聴きになられたように、私たちは今、歌を差し上げます。皆さま方も、宜しく到来ください。どうか到着するや、勝手に一斉にお話をしないでください。私たち、それは望みません。ペンバ人の皆様が御座すところ、スディアニ導師の御座すところ、コーラン導師、ジネ・ムァンガの御座すところ、ジキリ・マイティの御座すところ、カドゥメ、あなたツォヴャ、ロハニ子神の御座すところ。皆さまお静まりください。今日の歌は皆さまのものです。明日の夜明けから正午までが。そこでこのンゴマは終了します。お静まりください、憑依霊ディゴ人の皆さま、そしてあなたキリク。こんどはあなた方の歌そのものです。あなた方ご自身の順番です。あなた方のために準備しておりました。人々は今日の朝からここにやって来ておりました。さて、どうかお一人、お一人おいでください。どうかお静まりください、皆さま。
カヤンバ冒頭部での歌 6764 (ムルングの歌 ku-suka205)
行きましょう、エエ、私はムルングに祈願します ヘー、退きなさい206、兄弟よ 池よ 私は苦しんでます、ムルング子神、ウェー 池よ 睡蓮子神(mwana matoro) がいる、私の子供、ウェー 池よ カンエンガヤツリ(kangaga) 子供
行きましょう、エエ、私はムルングに祈願します ヘー、退きなさい206、兄弟よ 池よ 私は苦しんでます、ムルング子神、お母さん 池よ 睡蓮子神(mwana matoro) がいる、ホーウェー 池よ カンエンガヤツリ(kangaga) 子供
6765 (ムルングの歌 ku-tsanganya207 ....)
私の布、ヴョー、私の布 おじゃまします、ヴョー、布、お母さん、この布 私は傲慢じゃない、ヴョー、私の布 ヴョー、私の布、布 私には父がいない、私は傲慢じゃない どこに行くの妹よ ヴョー 布、お母さん、この布
6766 (アラブ人の歌 ku-tsanganya ....)
私は祈願します208、本当です。ウェー 私は神に祈願します。ホーヤラ なんと、あなたは我が家のアラブ人 私は神に祈願します。ホーヤラ
6767 (キツィンバカジの歌 ..._ ..._)
私は ランギ118についていく、エエ ヘー、ランギ、お母さん、ヤンガ、ヤンガ(あるいはムイェ、ムイェ、ムンゲ、ムンゲなど) ホー、ヤンガ、ヤンガ 私には仕事がいっぱいあるの、エエ ヘー、私に池に入らせて、ヘー、ヤンガ、ヤンガ 私には仕事がいっぱいあるの、エエ
6768 (キツィンバカジの歌 .._ .._)
キツィンバカジ、お母さん、 ヘー、行きましょう、我が子、私の最初の子 キツィンバカジ、お母さん、ウェー 行きましょう、母さん、ヘー、我が子よ キツィンバカジ、お母さん 池には(mwaroni209)ムルングがいます
6769 (キツィンバカジの歌 ..)
キツィンバカジ、ヘー 行きましょう、ウェー、我が子よ、道をとき解いて私を通して 問題が終わるように、ヘー、ウェーお母さん、ウェー我が子よ 道をとき解いて私を通して
6770 (ムァヴィツヮの歌 ku-tsanganya)
アア、ハヤ、キバルコ(chibaluko210) 私はヤギとウシを食べた お母さん、私の子供、ウェー ホーウェー、キバルコ
6771 (憑依霊バラワ人の歌 ku-tsanganya)
私自身が知ってます ハヤ、私自身が知ってます 私自身が知ってます 私自身が知ってます ホーワー 私は喋りません、ハヤ、ムァニュンバ211、ホー、ホ 今日、私自身が知ってます
6772 (憑依霊バラワ人の歌 ku-tsanganya)ちょっぴりアラブ風の旋律
バラワ人 ホワーホワー あなたのンゴマだよ これだよ バラワ人、ウェー、ハヤー あなたのンゴマだよ これだよ 子供は泣いてます さあ、私はその様子を見に行きます 泣くのはおやめなさい、ウェー、おまえ 私はバラワ人を見に行きます バラワ人 ホワーホワー あなたのンゴマだよ これだよ バラワ人、ウェー、ハヤー あなたのンゴマだよ これだよ 私の子供が泣いてます さあ、私はその様子を見に行きます 泣くのはおやめなさい、ウェー、おまえ 私は施術師に会いに行きます ウェー
6773 (憑依霊バラワ人の歌 ku-tsanganya)
ホー、私の布が帰ってきます、お母さん 私の布が、エエ ホー、私の布、ホワー 癒やしの術の布
6774 (憑依霊サンバラ人の歌 ku-tsanganya)
サンバラ、私は癒やしの術を求める サンバラ、私は癒やしの術を求める 頭のなかの癒やしの術 私はいいます。もうたくさん。おばあさん ホー、私は癒やしの術を捨てます サンバラ、私は癒やしの術を求める 私は癒やしの術を求める 頭のなかの癒やしの術212 それは無意味とわかったわ、おばあさん ホー、私は癒やしの術を捨てます
6775 (憑依霊サンバラ人の歌 ku-tsanganya) (solo)
サンバラ、そう、私は事件(不思議)を見た、ウェー、マリアム(人名) ホワー、私は戻ります 私はンゴマを打ってもらいました ホワー 癒やしの術を声高く213 (chorus) サンバラ、私は事件(不思議)を見た ホワー、私は戻ります 私はンゴマを打ってもらいました ホワー 癒やしの術を声高く サンバラ、ウェー、どうする?(dze214)
6776 (憑依霊サンバラ人の歌215 ku-bita) (ソロ)
ジネ・ムァンガ 今日、ジネ・ムァンガ 睡蓮子神、お静まりくださいと申します、お母さん、ウェー、癒やしの術 サンバラ人、ウェー、なんの用? ウェー、私の施術師、とき解いて (合唱) 睡蓮子神は眠らない、ウェー、癒やしの術 子供を見ていなければ、子供が殺される 見ていましょう、施術師よ、治療して (ソロ) 治療して、ウェー、なんの用? (合唱) 見届けよう、施術師が治療する (ソロ) 治療して、ウェー、なんの用? (合唱) 見届けよう、施術師が治療する
(このあと次の掛け合いがずっと繰り返される) (ソロ)
子供が病棟で泣いている、(子供の)所有者が先に行く ホワー
6777 (次の選曲について)
Player1: たしかに、あんたたち施術師こそ、指示役です。でも、あんたたちがもし失敗したとしても、私はあなたがたに言ってはいけないのですか? Munyazi(Mun): ねえ、ねえ、あんた憑依霊のことを知ってくれてないと。こいつ(この霊)が終わったら次はこいつだって。あんた、さあ、そいつをお打ちなさいな。そいつがあんたが憑依してもらいたい霊なんだから。私はいなくなりますよ。 Player1: 違う、違う。あなた方が忘れたことがあるなら、そのままにはできませんよ、みなさん。もしあなたが、忘れてしまってたっていう憑依霊がいるのなら、私に言ってくださいよ。打って差し上げますから、私が。 Player2: その前に打ったやつ?あんた、私はそれがなんていう憑依霊だったか忘れちゃったよ。 Player3: 憑依霊クァビ人(mukpwaphi125)をお打ちなさいな。 Player2: その前に打ったのは誰(どの憑依霊)だっけ? Player1: その前に打ったのはサンバラ人ですよ。 Munyazi: クァビ人を、あんたたち、忘れようがないでしょうが、あんたたち?
6778 (憑依霊クァビ人の歌 wa pore, kpwiha216) (solo)
ホー、わたしは食べられる、ウェー ホー、ムクァビ、ウェー 昨日、わたしは誓いをたてた 私を殺すがいいさ、昔のことはもう捨てた 私はもう人妻を口説きません (chorus) ションゴリヨ、ションゴリヨ、ヘー、ブラヘー ションゴリヨ、ションゴリヨ、ヘー、ブラヘー217
6779 (憑依霊クァビ人の歌 kutsanganya)
ハヤ へー あなたに事件がある ウェー ハヤ へー あなたに事件がある ウェー 評判を聞きました、カセジャさん 私たち仲間218はまだ彼に会ったことがありません 気持ちをそそられました219 ウェー ホーワー カセジャさん、本人はその気がない
6780 (キユガアガンガの歌 kusuka)
ホー お前キユガ、癒やしの術を困らせる ホー お前キユガ、施術師を困らせる ホー 今日、施術師は難儀、お前は困らせる 昨日、お前は拒絶した。お前は施術師を困らせる、お前は困らせる ホー お前キユガ、癒やしの術を困らせる ホー お前キユガ、施術師を困らせる ホー 今日、お前はやって来て困らせる 昨日、お前は拒絶した。お前は施術師を困らせる。キユガお前は困らせる。 ホー お前キユガ、お前は困らせる、お前は困らせる。
6781 (キユガアガンガの歌 kutsanganya)
ハヤ 私は驚きました ウェー ハヤ あなた、私は遠くへ行きます なんでって?息子の嫁よ、私は遠くへ行きます
6782 (キユガアガンガの歌 kubita)
ハヤ キユガ ウェー お前は施術師たちを困らせる ウェー ユガ お前たちの仲間は心を困らせる ウェー お前は困らせる 親父の霊は ウェー 厄介だ(困らせる)
6783 (キユガアガンガの歌 kutsanganya) (solo)
私はお前の仲間に呼ばれました ヴョー 学校220 ヴョー 学校、寝てこいと言われました ヴョー 学校、私は馬の口笛(いななきか?)で呼ばれました (chorus) ヴョー 学校、寝てこいと言われました ヴョー 学校、私は馬の口笛で呼ばれました、エエー
6784 (キユガアガンガの歌)
私はキリンギーリョ221と呼ばれます、おじさん、ウェー 大きな声を出しましょう、どう、我が子よ お母さん、私は尋ねます、施術師が見えません 我が子よ、私は尋ねます、施術師が見えません
(ムニャジ、憑依霊ドゥルマ人でgolomokpwa) 6785 (ムニャジが憑依状態、子供のような声音で喋っている、アンザジが応答、録音は途中から)
Anzazi(An): ああ、ちょっと、あなた準備できてるって?ええ?別の機会に(憑依霊)「気狂い女(muchetu wa vitswa)」をここで打ちませんでしたか? Munyazi(Mun): なに?仕事よ、仕事よ。 An: 私も、それが難しい仕事だってことはわかるわ、でもやるしかないのよ。 Mun: ああ、難しいわよ、これは(この仕事は)。 An: そいつ(その仕事)はね。 Mun: 日が沈むまでかかるわよ、あんた。 An: ああ。 Mun: 日が沈んじゃうよ。 An: そう? Mun: 日が沈んじゃうよ、私の友だち。 An: 日が沈むでしょう。 Mun: まずあなた方、頑張らないとね。 An: ええ? Mun: 私ね、あっちの隅っこに行ってるわね。 An: あっちの隅にいる? Mun: 私、隅っこの一番隅っこにいるわ。私の友だち。 An: あなた、まるで争いを怖がってるみたい。なんでよ、あなた。 Mun: ああ私ね、隅っこの隅っこにいるわ。 (ムニャジ、男性のような話しぶりに変わる) Mun: 俺はお前のことを見てるからな、俺の友だちよ。さて、見せてもらおう。 An: ああ駄目よ。あなたがその仕事をするのよ、あなた。 Mun: あんた、俺の友だちじゃないのか、あんた。 An: そうですよ、でもね... Mun: あんた、嘘つきの友だちだな、嘘つきの。俺を騙してるな。 An: ぜんぜん。 Mun: そう、たしかに(お前は)友だちを騙すやつだ。
An: どこで私があなたを騙したっていうんですか、あなた。
6786
Munyazi(Mun): なあ、あんた、あんたが長老で、嘘をつくんだったら、なあ、ここにいる子供に嘘をつきなよ、あんた。 Player(Pl): わあ!長老が来ちゃったよ。 Mun: さあさあ、とっとと、俺に俺の物をよこせよ。ええ?返事は? Anzazi(An): あんた、何を欲しがってたんだっけ? Mun: あんた、俺になんて言ってた? An: なあ、あんたの仲間の長老たちは忘れちゃったんだよ。 Mun: やれやれ。あのカヤンバのことだよ。お前、俺にカヤンバを開いてくれるって言ったじゃないか。それはどうなったんだ。なんてまあ、お前は役立たずだぜ。 An: この飢饉をどうお考えになる、あんた? Mun: よし、待ってろ。俺は長老をお前に差し向けてやる。そいつにお前の頭をむしゃむしゃ食わせてやる。お前、食われるぞ。 An: そいつが?これから食うと。この争い(要求がかなえられなかったこと)は、人々が食いあうところまで行くのですか? Mun: なんだ、お前...(聴き取れない)...?お前、おしまいだよ。 Mwainzi(Mwa): 欲しがるならトウモロコシの練粥にしろよ、トウモロコシの練粥に。 Mun: さあ、後で泣くことになるぞ(222)。あいつが歯をむき出しにして、ンガー、お前を食おうとするぞ。 An: お前を食おうとするのかい。 Mun: お前は、もう、えーん(maye)、えーん、えーんだ。 An: ところでもしそいつが食ってしまったら、そいつは誰に、そいつのための薬液(muguviguvi223)を買ってもらえるというんだい。
6787
Munyazi(Mun): だから、お前に分別を入れてやろうってことさ。 Anzazi(An): へえ、そう。 Mun: そう。お前に圧力をかけたら、お前も他の問題について思い出すだろうからさ。あー、もう帰るぜ。 An: ところで、その薬液(mugovigovi)はいったい誰のための? Mun: あいつのためのさ。 An: ゴジャマ40の? Mun: そうさ。 An: おお。 Mun: じゃあなに?こいつの布はお前もってるのか? An: どの人のこと?ゴジャマのこと、それとも? Mun: 別のやつだよ。 An: 別の人、といってもたくさんいるからねえ。思い出させてくださいよ。思い出させてくださいよ。ねえ思い出させてくださいよ。 Mun: 嫌だね。お前、長老さんよ、おい、お前言い争うつもりか、お前。 An: いや、言い争いって。思い出させてくださいよ。その別の人の布について話してくださいよ。あんた、私は言い争いはしません。同意しているんです。 Mun: だって、お前な。お前馴れ馴れしいぞ。お前、嘘なら許さんぞ。 An: 本当ですよ。本当ですよ。 Mun: だが、お前は嘘つきだから。
6788
Anzazi(An): 違いますよ。長老はお互いに尊敬し合うというじゃないですか。私はすでにあなたを尊敬していますよ。その薬液について話してくださいな。 Munyazi(Mun): もう、泣いちゃってるぜ。そいつは怯えてる。お前が分別なしだからさ。 An: もう、何のことかわかりませんよ。 Mun: だからお前が分別なしってこと。はあ、静かにしてな。そのもう一人にやって来させよう。やって来てお前に話してくれるだろうさ。でも今は、全然だめ。 An: じゃあ、今そいつは? Mun: ああ、ああ帰ろうとしている。空腹なんだ。 An: ああ、そっちじゃ飢饉なんだね。 (すでに別の憑依霊に入れ替わっているようだ) Mun: うう、今こっちじゃお前さんら何も食べてなかったのか? Player: そいつにトウモロコシの練粥あたえて、全部喋らせろよ。 An: そもそも私たちもここじゃ、一昨日来何も食べてないよ。ここには何の食べ物もないよ。 Mun: さてさて、もうここ、ここ、もうここときたら、へー。(私に向かって)ああ!なんと、お前さん、ちょっと私に挨拶しなさいよ。私はお前さんのことを知らなかったよ。なんとお前さんいたのかい。さあ、私に挨拶しなさいよ。 Hamamoto: はや、ごきげんいかが(文字通りには「何かおっしゃることはありますか?」) Mun: 私どもは問題ありません。お前さんらはいかがかな?はや、そっちはどうだい。身体は? H: ああ、私たちは大丈夫(文字通りには「起きてます」)、あなたがたはいかがですか。 Mun: ああ、それは実に結構。とっても結構だ、とっても結構だ。おお、なんとお前さんだったのか。 H: はい。
6789
(最後に唐突に男性の語り口に変わる)Munyazi(Mun): 気が付かなかったよ。許してくださいな、でも。 Hamamoto(H): むむ。 (ムニャジは一人の女性に向かって、話し始める。占い口調の語り) Woman: でもこの旅224はねぇ...それには人(資金を提供してくれる配偶者)が必要なんだよ。 Mun: だがな、私がこんな風にすれば、その配偶者225は、ああそれこそ、グラグラしますよ(落ち着きをなくすの意)。 Anzazi(An): 腰布をしっかり巻き付けてないからですよ。彼もしっかりしますよ。腰布を自分でしっかり巻き付ければ、固定しますよ。(訳注: なんだかわかるような、わからないような喩えである) Mun: だって、本人が自分でもよくわかってないんだから。もし別の争いの相手(別の要求をもった憑依霊)が近くに来たとしても、本人がわかってない。そこにね、どっちつかずの場所にね、いるんですよ。じゃあ、この人のことを言っておきましょう。この人に、全能のムルングのための鍋を置いてあげなさいな、友よ。それが済んだら、あの田舎者(憑依霊ドゥルマ人のこと)の鍋。それが済んだら、もう一回戻って、全ての人(憑依霊)のための鍋を設置してあげなさい、私の友よ。全ての人のだよ、あんた。その後でちょっとだけ、ろくでなし(mudude226)のカヤンバ(weyeweye)を打ってあげなさいな。少しだけ。そうしたら、そう、そいつ(患者)はすこしね、でもいっぱいじゃないですよ。ちょっと。そいつはね、友よ。だって、約束はすっかり腐ってしまってるんだから。 An: ウジ虫がわくくらいね。 Mun: まず、頭の中がむずむずする感じ。こいつには(身体じゅう)どこも良い場所はない、良い場所はない。 An: たしかに良い場所はないね。 Mun: そもそも、身体もな、ときとして痺れ出す、この身体もな、友よ。 (ムニャジ、再び小さな子供のような話しぶりになる)
そう、この旅(charo224)はとっても大きな旅よ。私は、そこを懐中電灯で照らしたのよー。 An: あなたはその場所を照らした。
6790
Munyazi(Mun): とっても遠いわ。私はこの人には敵わないわ。 Anzazi(An): あんた、なに?仲間を力ずくで動かすつもり?そのお仲間が、遠いところも大丈夫な人なの? Mun: そうよ。その人は行くのよ。 Woman(W1): ねえ。場所が遠いところなら、人は朝に荷造りして、朝出発するもんだよ。 Mun: 行くのよ。どんどん行くのよ、もう。 W1: お前さん、間違ってるよ。お前さんが先に行かないと、お前さんが。 Mun: 私はまだほんの小さな子供なのよ。 W1: お前さんが、この長老に道を教えてあげるんでしょ。 Woman2(W2): あんた、仲間といっしょなんだよ。小さい子でもたどり着けるでしょ。 W1: お前さん、お友だちといっしょにいくんでしょ。小さい子供がたどり着けないとでも? W2: あんた、老人が子供たちと一緒に歩いているのを見たことないの?
(ムニャジ、男のような口調に変わる。言葉はドゥルマ語のままだが、後にギリアマ人の霊であることが判明する)
Mun: だがね、ええ、そもそも私は以前、測ったのですよ。その旅はすぐ近くなんです。お前さんが行こうと言えば、私は今すぐにでも出発しますよ。そのことを言ってるんでしょう?それともお前さん、別の話をしてるのかな? Anzazi: 今すぐに?今すぐに?この時間に? Mun: そうとも。とっくに夜明けです。友よ。さあ行きましょう。
6791
Anzazi(An): ああ、まだその時間じゃありませんよ。 Munyazi(Mun): もう行きましょう。用意はいいですか? An: ああ、まだです。あなたはあの月に惑わされてるんですよ。 Mun: おやなんと、お前さん方は、夜が明けたら別の課題があるのをご存じない。今こそが絶好の時間。私たちのところじゃ、もう夜明けさ。 An: さてね。あなた方の地方ではね。でも私たちのところではまだ夜ですよ。 Mun: 私たちのところじゃ、とっくに夜が明けてるよ、友よ。 An: ああ、人々はまだぐっすり眠ってるよ、あんた。でもごめんなさいね。許してね。だって、あなた方の地方のほうが良いですもの。厄介がない。私たちのところじゃ、面倒があるのよ。夜中には絶対出歩けないのよ。 Mun: こちらでは? Woman1(W1): そうなのよ。 Mun: 警官がいるのかい? W1: そうなのよ。 Mun: (発作的な笑い)なんとこっちには警官がいるのかい、このあたりには。お前さん、私たちのところは良いところだよ、あんた。警官などおりゃしない。私たちのところじゃ、私たちはただ歩くだけさ。今だって、私たちのところじゃ真っ昼間だ。 W1: 夜中の12時でもかい? Kayamba Player(P): おい、あんたがた、憑依霊たちを遅らせてるぞ。もう夜明けだよ。 (演奏者たちは、とりとめのない彼女(彼?)らのやりとりに、少し焦れ始めている。)
6792
Munyazi(Mun): なあ、私はなんと言いましたっけ、友よ。お前さん方はあんたらの仕事をなさい。私は私のをするから。そいつは、このあたりで腰をかがめてるんだってな(農作業のこと)。ああ、そんな仕事は、私はとっくの昔にやめたよ。もう私は家に帰りますよ。 (占いの語りが途中で脱線したので、女性たちもう一度戻そうとする) Woman1(W1): ところで、あんた何をご覧になったんだい。喋ってくれないのかい? Woman2(W2): ところで、あんた誰のことを言ったんだい?教えてくれないのかい? Mun: ああ、私が見ると、そいつは目を据えて見ている。そいつはじっと見ている。まるでそうすれば、自分のことを思い出してもらえるか、みたいに。 Anzazi(An): ええ?その人はいったい誰に思い出してもらおうと? W1: あなた、その人のことに少し触れてくださいな。仲間をそんなふうに放っておいては駄目ですよ。そんな風に放っておくと、その人を悲しませることになりますよ。 Mun: だから、私たちのムルングの鍋に戻れって言ってるんです。ムルングの鍋を煮てもらいなさいな、友よ。そのあと、友よ、あの「独りでいたがる人 mukala hicheye」の鍋を置いてもらいましょう。お前さん、その「独りでいたがる人」、ご存知ですよね、友よ。お前さん、その「独りでいたがる人」のこと知ってますよね。 W1: 知らないわ。 Mun: ああ、なんてこと。じゃあ、こいつに聞いてごらん。 An: ああ、私も知らないわ。 Mun: あの「独りでいたがる人」を? An: ええ。 Mun: ホォー、ホォー(嘲りの声)。...(小声で聴き取れない)... 遠くには行かないで。この近くに行きなさい。ところで、火付けの木(ndodo)がとても欲しいのですが。
6793
Woman1(W1): いえいえ、こちらの私たちの地域にはトウモロコシはありません。 Munyazi(Mun): 私たちのところにおいでなさいってば。私たちは、昨日も収穫しましたよ。 Kayamba Player(Pl): じゃあ、どうしてそれらのトウモロコシを持ってここに来なかったんだい?その火付けの木で焼けたぜ。 Anzazi(An): 「私は自分の食料を持っていこう。途中でお腹が空いたら食べよう。そうそう、あっちへ行って、何も食べ物がないなら、予備を残しておいて、仲間に残しておいてやろう」とも言わずに。あんた、いったいどういうつもり? Mun: お前さんら、火付けの木くずももたないで、私にものを尋ねてばかり。トウモロコシの練粥もなし、火付けの木くずもなし。 An: でも、今はあなたの仲間を救ってあげてよ。でも食べ物は全然ないわ。 Mun: 言ったでしょうが、あれらのことをしてもらったら、あの連中をちょっと徹底的に調えてやらないと。この辺り、この辺り、ときに冷たくなったりすることはないかい?ええ、友よ。そうあいつ(憑依霊)が、このあたり(胸のあたりを指して)を這い回っているあいつ、あんた感じたことはないかい、友よ。 W1: 感じてるわよ。 Mun: ときにはそいつはこの辺りにやってくる、ときにはお前は言う。「この後頭部辺りを触ってくるこいつはいったい誰なの」って。 W1: そうなのよ! Mun: さてさて、そいつ、そいつはな、そう、あそこヴィニュンドゥニ(Vinyunduni227)の奴の手の者だな。 W1: そいつが!
6794
Munyazi(Mun): そいつは狂気の野郎とつるんでるそうな。狂気の野郎とな、ほんとかな。ほんとかな。人に見られたら、言われるんだ。お前さん、気狂いですかってな。そう、そいつこそ、(首筋を指して)ここ、ここんところをつかんで、(胸のあたりを指して)ここをぐるぐる回って、はあ、友よ、そんな風にされると、ちょっと、ちょっと、ちょっと、お前さんにはなにか問題が起こる。そう、ここの辺りに役立たずが腰を下ろしてしまっていた。 (ムァインジさん、憑依霊たちのやりとりを切り上げさせようと介入) Mwainzi: さあ、さあ、とっとと終わりにしてくださいな。夜が明けます。ムウェレにここらで急いで休憩(kaarazi)をあたえないと。 Mun: ああ、もう少しでそいつのことを思い出させたのに。お前さん、お前さん、やかましいやつだな、お前。そもそも、私はすごく腹が減ってるんだが。 Woman1(W1): 自分の食料をもっていく代わりに、あんたは行く先でありつくことに頼ってる。こっちは飢饉なのに。 Mun: さて、それが済んだら、友よ、なあ、そいつに(憑依霊)マサイ人の布を買ってやりなさいな。 W1: ああ、その人は持ってるよ。 Mun: 鍋といっしょに、差し出したのかい、ええ? W1: ああ、鍋は無しでした。でも持っています。 Mun: しかも椅子(憑依霊が座るための228)が見えないんだが?椅子がまだなのに、どうやって布を買えるというんですか。 W1: ああ、だって施術師が椅子をだしそこなったんだもの。
6795
Munyazi(Mun): ああ、なあ、この布だけど、これが憑依霊ニャリ75のあの長老(憑依霊デナ74のこと)の布だってこと、知られてないんですね、友よ。そいつ(患者)は、自分の身体のなかに布があるってこと、全然知らない。いま、そこに(その憑依霊の)椅子が必要とされてるんですよ。(だから)そいつの脚(の問題には)あいつ(憑依霊ニャリの長老)も絡んでいる。あのニャリの長老なら、脚を真っ二つに折ることもできる。ああ、私たちはね、タバコを嗜むんですよ。私たちはね、(タバコを)食うんじゃなくて、こんな風にするんだよ。 Woman1(W1): あなた、嗅ぎたばこ入れ(chiko)を捨てちゃったんですか。 Mun: 知りませんよ。 W1: じゃあ、どうするおつもり? Mun: 行った先でお願いするだけですよ。 W1: 誰のところで? Mun: (嗅ぎタバコを鼻に含んだような鼻声でしゃべり、内容はよく聴き取れない) (人々、爆笑) W1: あんた、今嗅いでいるんだね。 Mun: あっちにゃ、知り合いがいてね。そいつのこと、私はとっても気に入ってるんだ。そいつに会わなくちゃ。なに?お前そいつを知らないの?そいつは若造でね、いやな臭いがするんだよ。そいつは。 Anzazi(An): お前の友だちなんでしょ、違うの? Mun: 友だちだよ。こいつは、こいつは、私を困らせるんですよ。 W1: その人のこと知らないよ。その人を知ってるのはあんただけ。 Mun: ところで今...(はっきり聴き取れない)
6796
Anzazi(An): (Munに)じゃあ、今は私に何をしろと? Woman1(W1): (Anに)こいつは嗅ぎタバコが欲しいのよ。(Munに)あなた、嗅ぎタバコは家に置いてきたのね。 An: (Munに)じゃあ、あなたは何を食べるの? Munyazi(Mun): あの嗅ぎタバコ入れ、お前さん、どこに置いたんだい。 An: 見当たらないのよ。 Mu: さて、さて、私がさっきお前さんに話したあいつ、あいつは背の高いムスリムの男さ。あそこ、下の方で分かれたんだが、そいつが言うことには...(聴き取れない)...。そいつからは蛆が湧いて出てくるんだよ、あんた。いつからそんなのが始まったのか、私にもわからないね。 An: そう、お仲間から(嗅ぎタバコを)そんなふうに分けてもらったのね。さあ、どうぞ。 Mun: お前、その嗅ぎタバコ、どこから出してきたんだ、それ。 An: ああ、あの私たちの嗅ぎタバコ入れなら、ここにはありません。私も同じように、色んな人から分けてもらったのよ。さあ、あなたも分け前にお預かりなさいな。 Mun: 私は、そんな中に(紙に包まれている)入っているそんなタバコは嗜みませんよ。 W1: あんたは嗅ぎタバコ入れに入っているタバコを嗜むのね。 Mun: そもそも、お前さん自身、ご存知のことじゃないですか。 W1: ウシの(角で作った)嗅ぎタバコ入れでしょ。 An: でも今はないのよ、私の友よ。 W1: でもここにはないのよ。だってこのあたりの者は、その手の嗅ぎタバコ入れは作らないんだもの。 [カセットA面終了]
6797
Anzazi(An): この人の出身地はバンバ(Bamba230)なんだって。ベカリサ(カリサの父)さんの身内だって。今は、ここドゥルマにやって来てます。 Munyazi(Mun): ええ?なに?私らドゥルマに来てるのかい? An: そうよ。 Mun: 本当に? An: (一部ギリアマ語で)さて、あなた方は今、ここドゥルマにいらっしゃいます。私がお会いしている方たちはバンバの方々なんですね。 Mun: (相変わらずドゥルマ語のままで)私が今ドゥルマに来ているなんて言わないでくれよな。 An: え?つまり、あなたはただの通りがかり? Mun: そうだよ。 An: (ギリアマ語で)それで、ベカリサさんをお探しになってる。 Mun: (一部ギリアマ語に)そう。私たち、私たちにできるあれが欲しかったんだよ。 An: (憑依霊の)歌のこと? Mun: そうですよ。 An: (ギリアマ語で)でも、あなた何も言わなかったんだもの。あの子供たちだって、もしあなたが来てちゃんと話してくれたなら、あの子供たちをあなたに差し上げることもできたのに。 Mun: (一部ギリアマ語で)私たちは、今はカタカタ(おそらくカヤンバの音)しか見えません。私たちのところじゃ、カタカタは全然知らないんですよ。 An: (ギリアマ語で)そう、もし長老がこのような場所にお出でになって、もし... Mun: 私たちは、私たちのところではこんな風にこんな風にすること(太鼓を打つ仕草)に慣れているんですよ。 An: (ギリアマ語で)はい、でもここにはムニュンブ(minyumbu231)の木はありません。 Mun: あの長老は...
6798
Anzazi(An): (ギリアマ語)あの長老にも、あなたたちは全然お話ししなかった。あなたがたは、バンバには長老はいないなんて言ってた。後で、彼に(食料の)蓄え分を持っていってあげて、彼としっかりお話してちょうだい。さて、さて私は場所を探しましょう。 Munyazi(Mun): (ギリアマ語)お前は私に話をさせようとする、なのにお前、私にタバコはくれようとしない。 An: (ギリアマ語)嗅ぎタバコはここには全然ありませんよ。よくわかってます。そうなんです。...(聴き取れない)... kayamba player: さて、施術師の皆さん、ご傾聴ください232。 People: ムルングの。 Kayamba player: さて、わたしたちのマコロツィク100の用意ができました。近くにお寄りください。集まってカヤンバを打ち、酒を飲みましょう。 (まだ言い合いを続ける憑依霊と施術師たちを無視して、演奏者たち酒の準備を始める) Mun: (ギリアマ語)その嗅ぎタバコは「薬(muhaso)」を仕込まれてるぞ。 An: (ギリアマ語)なに、いったい誰に? Mun: 私も知らないよ。 An: (ギリアマ語)ええ?そんな風に感じたのかい? Mun: (ギリアマ語)そうさ、それは「薬」を仕込まれてるぞ、お前さん。 An: (一部ギリアマ語)ああ、それなら私は持ち主に返すよ。長老はこの嗅ぎタバコを欲しがらなかったと言ってね。 Mun: だってね、私がそのタバコをこんな風にしたとき(鼻に吸い込んだとき)、そう、その「薬」が前面にあったんですよ(タバコの味の前に「薬」をまず感じた、ということ)。 An: (ギリアマ語)いやいや、長老にタバコを差し出したのは、小さい子供です。「薬」について何も知りませんよ。 Mun: いやいや、奴らは「薬」を知ってるぞ。友よ、奴らは...(聴き取れない)... An: いや、あなた方の、内陸部の方ではね。でも...
6799
Munyazi(Mun): 私たちのところじゃ、お前さんが妖術使いとわかったら、斬り殺されますよ。 Anzazi(An): (ギリアマ語)こちらでも、それなら、こちらでも広まり始めてますよ。さあ、それじゃあ、場所を見つけて、おやすみください。 Mun: お前さんたち、乳を打ちはしない233のか、飲みたいんだが234。 An: あなたに牛乳は差し上げますよ。まず夜が明けたらね。私は仔牛がいるお宅を探し回ります。でも今、ここには牛乳はまったくありません。それでは、あの長老さんにも、場所を見つけて、休んでいただきましょう。だって牛乳は、このあたりにはないんですから。わかっていれば、たとえ少しでも牛乳を探したのですが。さあ、皆さん、お静まりになって、この戦いを御覧ください。この戦いを(施術の大仕事、憑依霊たちとの交渉を戦いと表現している)。そう戦いになります。だって私たちはどこで通り過ぎたか(憑依霊たちの要求をかなえ損なっているか)知らないのですから。 Mun: ああそう。もし問題を見たとしても、私は何も話しますまい。 An: ムボコ(酒を飲むための瓢箪製のコップ)、差し上げましょうか。 Mun: (ギリアマ語)私はちょっと(酒を)舐めたいね。 An: (ギリアマ語)あなた、お舐めになりたいって、ここで何をお舐めになるおつもり?...(聴き取れない)...さあ、(長老に)場所を見つけて、大人しくさせて、彼を困らせないでね。あなた方も場所を見つけて、大人しく彼を見ていてくださいね。 (人々マコロツィクの酒を飲み始める)
(一連の、憑依霊ディゴ人の歌 kutsanganya) 6800 (憑依霊ディゴ人の歌 kutsanganya)
ハーイェ エー 瓢箪 ヘー ムワカ(女性の名前) エー 睡蓮を増やせ エー 瓢箪 良好な癒やしの術を買いに行きましょう (異アレンジ: 良好なムルングに祈ります)
6801 (憑依霊ディゴ人の歌 kutsanganya) (solo)
良き平安を どうかお元気で お母さんによろしく あなたムヮカさん、もしあなたが貧乏だったら、どうしますか どうしますか、私の子供よ ええ もし貧乏だったら、どうしますか (chorus) もし貧乏だったら、どうしますか
6802 (憑依霊ディゴ人の歌 kutsanganya)
私は瓢箪の施術師と一緒に出発します 私はこの施術師と一緒に出発します 何を言ったらいいの、私の心 何を言ったらいいの、私の心
6803 (憑依霊ディゴ人の歌 kutsanganya)
ビーズ飾りの女 私は彼女に馴染んでる おお 私は彼女に馴染んでる 私は惨め 私は彼女に馴染んでる ウェー オオ 私は惨め
6804 (憑依霊ディゴ人の歌 kutsanganya)
ヘー 雨 雨がやってくる 畑の雨 あなた方のお仲間 ムルングに祈ります カンエンガヤツリ235 ムルング子神 私の布 ウェー 縫い付けられた 斜めのビーズ飾り
(ディゴ人の歌のさなかに憑依、アンザジの唱えごと) 6805 (6806 演奏中のためほとんど聴き取れず)
Anzazi: 子供の身体、発熱するのはなし、私はあなた方がその子から離れてくださるよう願います。脚が腫れるのもなし...
6806 (憑依霊ディゴ人の歌 kubit'a) (solo)
母さん、ヴョー、こっちに見に来てよ、ウェー こっちに来てよ、逢いましょう (chorus) こっちに来てよ、逢いましょう
(ムニャジ、異言でムリナと応酬) 6807 (ムニャジ、ジャンバの演奏で憑依状態になり、理解不能な言葉でムリナと応酬)
Munyazi(Mun):....そうよ、そうよ.... Murina(Mu): ...アラビア語風言語で.... Kayamba Player(Pl): カリンボ! Hamamoto: ヨォー Pl: 君、この言葉わかる? H: いえ、いえ、全然わかりません。 (ムリナとムニャジ、ここからスワヒリ語にスィッチする) Mun: いったい何の仕事だって、ここで? Mu: お金を稼ぐことですよ。見せてあげましょう。あなた、まずこの全能の神をご存知でしょう。私は互いに与えあいたいのです。なにを?病人と(その病人を癒す)仕事をです。その仕事はあなたの仕事です。協力し合いましょう。でも平和的にですよ。 Mun: だめだ!なに?お前は私になにをくれたというんだ? Mu: スバニア...(アラビア語風発話)... Mun: なに?お前は私に何をくれるというんだ。 Mu: いいとも。ラジャスティ...(再び「アラビア語」) Mun: だめだ、だめだ! Mu: ....(「アラビア語」)...いっしょに稼ぎましょう、いっしょに稼ぎましょう、旦那、いっしょに稼ぎましょう。 Mun: ああ、私によこしなさい、それなら!
6808
Murina(Mu): あなたに何を差し上げましょうか?ここには何も見当たりません。私は昨日来ましたが、何の徴しもありませんでした。食べること自体、満腹しませんでした。仕事がないせいです。あなたが封じてしまった。(仕事無しで)いったい何を食べるというのでしょう。そもそも、何をあなたに差し上げられるでしょうか。あなた自身、仕事をしたくない。私はここに来て何を食べるというのでしょう。ええ?だから少し協力して行きましょう。少しずつ。仕事も少しずつ。こうやって主な収入を稼ぎましょう236、旦那。そのあとで、一緒に洞窟を作りましょう、旦那。いかがですか? Munyazi(Mun): ....(聴き取れないが、なにやら怒っている)... Mu: 違います。私はそれについて知りません。それはあなたのではありません。しかしですね、肩を並べて(力を合わせて)。ハランベー237こそ力ですよ。今は?私は何をしたら? Mun: いやだ、いやだ、いやだ。 Mu: ああ、もう結構。もしそういうことなら、終わりです。それは、すっかり放置しておきましょう。一緒に仕事をして、彼らを見守りましょう。私たちも、彼らの仕事をやりましょう。彼らの道を塞がないでください。どうか。 Mu: (人々にむかって)コップに水を入れて、私にください。 Mu: (ムニャジに向かって)あなたにも仕事を差し上げます。でもあせらずに。仕事はゆっくりゆっくりです。 (しばらくしてムニャジは沈静化する)
6809 (憑依霊デナの歌1)
見においでなさい、見においでなさい、あなたがた施術師たち 彼は会いにやって来た、ああ、施術師 見においでなさい 太鼓がデナで苦しんでいる人のために鳴っているのが聞こえます 彼は戦う相手が欲しい 私はどこに行けばいいんでしょう 施術師は戦う相手が欲しい 見においでなさい 彼はあなた方に会いにやって来た、施術師たち、見においでなさい
6810 (憑依霊デナの歌2)
へえ、今日は確か、私の兄弟よ 夢、号泣が私を驚かせた 良き平安 キテジェ ンゴマの汚れた身体でやって来た、ええ お母さんにお詫びの挨拶を ご近所の方々ともども 一緒に行きましょう、いかがですか 以前は健康、私は痩せました、いかがですか 私は彼女の脚を切るでしょう、ええ
6811 (憑依霊ムガイの歌)
私は孤児として生まれました 悲惨な者(mugayi)です、お母さん 父に死なれました 悲惨な者です、お母さん
6812 (憑依霊ディゴ人の歌1)
ヨーヨー、髪長女 お前は見られた、ヘー、ヨーヨー 私は見られた、お母さん、髪長女 ムヮカ母さんのところにやって来た 今日、彼女は癒やしの術を求めてやって来た、エー ヨーヨー、彼女は輝いている、ウェー238 ヨーヨー、彼女は輝いている、ウェー ムヮカ母さんのところにやって来た 今日、彼女は癒やしの術を求めてやって来た、エー
6813 (憑依霊ディゴ人の歌2)
私が行くところは、お母さん、ウェー、見に行かせて 私が行くところは遠い 太陽と雲が出てくるところ 私は遠いところからやって来ました
6814 (kuzuza: 最初のムズカでの唱えごと(途中からの録音))
Mwainzi: ....私たちのすることは、力を乞い、私たちの課題をなんとかこなすことです。あなた導師よ、それをかなえさせてください、サラマ、サラミーニ239。あなた導師よ、私たちはお静かにともうします。私たちはここであなたに平安を捧げに参りました。私たちはさらに道を先に進んでまいります。しかし、平安に。私たちはあなたに、えーとあれ、あなたの乳香をここで差し上げ、あなたに今日、いったい何があるのかを知っていただかないことには、進むことはできません。私たちはそこをただ通り過ぎることはできません。あなたになにがしかを差し上げに参らなければなりません。人は互いに知らせ合うものです。私たちは...(一部聴き取れず)... あなたには能力がおありです、あなた導師よ。(私たちの)旅がつつがなきよう、お骨折りください。どうか仲間の皆さまともども、お静まりください。私はあなたが独りきりでおられないことを知っています。お仲間とおられます。どうかお静まりください。
6815 (憑依霊シェラの歌)
昨日、私はここに来た 速く、素速く 私は遠くから来た 私に水浴びの水をください 昨日、私はここに来た
(以上を繰り返し)
6816 (嗅ぎ出し終了の唱えごと) (終了をマークするというよりは、次にひかえている「重荷下ろし」に向けて、関係する憑依霊たちに説明している感じ。)
Anzazi: 落ち着いて、落ち着いて、あなたキバラバンド(chibarabando 「おしゃべり女」7876)、よしよし、落ち着いて、あなた「きちがい女(muchetu wa k'oma80)」。この女性に狂気を二度と掻き立てさせないように。どうか彼女にかまわないでください、chigurye240の所有者の方々。どうか彼女にかまわないでください、あなた方レロニレロ(rero ni rero241)。レロニレロ、これこそあなたの仕業です。お静まりください。私はあなたにもお静まりくださいと申します。ここにはあなたのための飾り物はございません。それらはあなたの仲間のものです。あなたの仲間、「ディゴの女(muchetu wa chidigo82)」のものです。あなたの仲間「シェラの女(muchetu wa shera76)」のものです。ごめんなさいね。よしよしよし。 Mwainzi(Mw): ウリンゴ104のところに参りましょう。ンゴマを打ってもらいましょう。 Woman: さあ、行きましょう、太鼓をもって。 Mw: カヤンバだよ。もうカヤンバはないとでも? (人々ムウェレを連れて小屋の外に出る)
6817 (重荷下ろしに出発するシェラの歌)
お母さんに呼ばれました あなた方の仲間よ、お母さん ムヮナヴリ(女性名「小雨季の娘」の意)、お母さん、お母さんはその子を見て 惨めだねと言った 私はムヮナジュマ(女性名「休息日の娘」の意)母さんに呼ばれました。 お母さんに呼ばれました。惨めな子と。
6818 (カヤンバの演奏が続く中、人々、ウリンゴ104に向けて進む。2人の施術師がムウェレを鞭で脅しつつ急き立てる)
Munyazi(Mun): 進め、進め。急いで。今すぐ、鞭で打つわよ。叩くわよ。 Mwainzi: さあ、出発しろ、我が子よ。日差しが強いぞ。急いで、急いで、出発してほしいぞ。....(聴き取れない)... Mun: あんたは人の財産を持っていくんだよ。...(聴き取れない)...
(道中で歌われるシェラの歌) 6819 (シェラの歌1)
お前は独りきりで生まれた、孤独だね、ウェー 施術師たちと太鼓を演奏する お前は独りきりで生まれた、孤独だね、ウェー 施術師たちと太鼓を演奏する 難儀だね、うろうろ彷徨え(ndengeleke) 箕のようにくるくる回る方がまし(nitengeleke) 何を言えばいいの 孤独な人、ムルングは守ってくれる 箕のようにくるくる回る方がまし
6820 (シェラの歌2)
我が子よ、ウェー 私は謗られているの、我が子よ、ウェー 今は、さて
6821 (シェラの歌3)
シェラは見えない シェラは見えない そう、さて、タンガ242への道 お前は癒やしの術を尋ねる シェラは見えない
6822 (シェラの歌4)
さて、私は道を眺める ええ、私は道を眺める 私の友だちの奥さん、カルワ母さんはやってこないでしょう
6823 (シェラの歌5)
私の名前はキツァンゼ(Chitsanze)、探せ(tsanze[kutsanza])、探せ。 池は遠い 私の平安は、あなた方施術師さんたちにおいていきます 私の平安は、あなた方、施術師のお弟子さんたち(anamadzi)においていきます 私の名前はキツァンゼ、探せ(tsanze)、ぐるっと周れ 私に名前をくださいな
6824 (シェラの歌6)
ホーワー、あなたは誰にやってもらえるの 一人ぼっち、ウェー、あなたは誰にやってもらえるの、エー あなたは誰にやってもらえるの 一人ぼっち、ウェー、施術袋(mukoba85)を運ぶ弟子もいない癒やしの術 こちらではあなたは泣いている 一人ぼっち、あなたは誰にやってもらえるの 私の癒やしの術には人がいない
6825 (シェラの歌7)
さあ行こう、狂気の言葉 さて、ウェー (そいつは)もうやって来た 私は苦しい、みなさん (そいつは)もうやって来た
(カヤンバの音が大きいため、ほとんどの部分はよく聴き取れない) 6826 (鶏に対する唱えごと)
Mwainzi: ...(聴き取れない)...あの黒い鶏はムルングの鶏です。白い鶏、彼女(ムニャジ)はあの白い鶏をシェラに与えます。その仕事は白い鶏です。白い鶏を捧げれば、彼女(ムウェレ)は健康になるでしょう。さて、私たちは言葉を申します。私が得たところのその言葉は....(聴き取れない)...、しかし、その言葉は私が(施術上の)父ニャレと母ニンデグヮ243によって語られたものです。 さて、赤い鶏はお前です。あなたシェラよ、あなたの鶏はこの赤い鶏です。今日この日、あなたがこの者をとき解いてくださることを願います。サラマ、サラミーニ239、世界の住人子神の皆さま。おだやかに、おだやかに、頭がホウキで掃かれることも、なし。脚がホウキで掃かれることも、なし。腹がホウキで掃かれることも、なし。どうか友人の皆さま方、とき解いてください。争いは昨日、一昨日のこと(過ぎたこと)です。今は、なしです。....(聴き取れない)...、サラマ、サラミーニ。
(以下も、カヤンバの音のためにほとんど聴き取れていない) 6827 (赤い(褐色の)ヤギに対する唱えごと)
Mwainzi: ふう。さて、けっこう。私はあなた「ディゴの女(muchet'u wa chidigo82)にお話します。ムロンゴの母244はこの人です。ムロンゴの母です。この人です。私は、私なる者はお話いたしますが、私はこの癒やしの術を盗んではおりません、私は。私は自身の苦難に見舞われ、(癒やし手になることを)拒みはいたしましたが、結局は外に出されました。ムルングがそのようにおっしゃったからです。皆さま方、ムロンゴの母であるこの者も、思うにまかせません。脚も思うにまかせず、腹も思うにまかせず。...(聴き取れない)...あなた「シェラの女(muchet'u wa shera76)」よ、あなたはギリアマを出て、ギリアマを出て、ゾンボ(Dzombo245)に至り、ゾンボを出て、ドゥルマにもどってこられたと言います。ドゥルマに戻ってこられると、あなたはメムロンゴの身体を捕らえました。メムロンゴはその住む処でもなにもすることがない。行方不明になったと言われます(小屋にこもったきりなので、誰も彼女の姿を見ることもなくなった、という意味。誇張表現である)。病気のせいで姿を消されたのです。 さて、今日というこの日、お前、赤いヤギよ。メムロンゴが健康を得ますように。なぜなら、私自身もそんな風にするようにと、(施術上の)父ニャレと母メンデグヮ246に命じられているからです。二人はこう言いました。もしお前が別の病人を得て、その者を癒やしてみせたいなら、赤いヤギと三羽の鶏によってその者の重荷をおろすように、と。このように私は盗んではおりません。このヤギが死ぬのは、メムロンゴの身体のためなのです。そしてメムロンゴとはこの者です。私は、こうして今日、そうメムロンゴの身体がつつがなきことを望みます。サラマ、サラミーニ239。あなた「ディゴの女」、「シェラの女」よ、どうか、とき解きください。 (ヤギが屠殺される)
6828 (キャッサバに対する唱えごと)
Mwainzi: あなた「ディゴの女」よ。あなたはキノンド(Chinondo247)の出身です。あなたはキノンドを出て、ムリマ248に行く。あなた「ディゴの女」よ。この者はメムロンゴです。あなたは心臓をホウキで掃く。頭をホウキで掃く。脚をホウキで掃く。そしてあなた「ディゴの女」よ、あなたの仕事は怠惰(ukaha)であることです。今日、私はあなたに全てのあなたの仕事を与えます。あなた「ディゴの女」よ。手鍬を握って耕せ。あなた「ディゴの女」よ。水を汲んでこい。あなた「ディゴの女」よ。薪を折れ。なぜなら、あなた「ディゴの女」よ、あなたの仕事は怠惰であることですから。でも、私はあなたに落ち着いてくださいと申します。私は今日あなたに、あなたがお使いになる品々を全てお調えします。あなたの仕事は、イチジクの樹の下に腰を下ろすこと、マンゴーの樹の下に腰を下ろすこと、そしてカシューナッツの樹の下に腰を下ろすこと、そしてキャッサバを見るとそれをかじる。キャッサバをかじり終えると、さあ、仕事です。そうでしょう?今日はとき解きください。このキャッサバは...(聴き取れない)..と私の子供(弟子)によって耕されたものですよ。はい。 (キャッサバを患者の頭の上に置き、ナタで半分に切る)
Mwainzi: ...(聴き取れない)...メムロンゴは畑仕事をしない。メムロンゴを見た人はみんなびっくりする。そして言う。彼女は魔物(majine249)をもっていると。なんと、あなた方だったんですね。あなた方は彼女の血を吸い取る、あなた「シェラの女」、「ディゴの女」よ。どうかお静まりください、そして降りてきてください。池の皆さま方、降りてきてください。ブグブグ(bugubugu250)の皆さま方、降りてきてください。私はお静まりくださいと申します。あなたの食べ物はこれです。 とき解いてください、あなた「シェラの女」、とき解いてください、あなたタンガ(Tanga242)の女。あなたの仕事はなんでしょう。それは朝に揚げパンを調理して食べること。そして寝台に入って眠ること。私は今日、あなたにあなたの揚げパンを差し上げます。そう、私はあなたに、仕事とともに差し上げるのです。手鍬をつかみ、畑仕事をしなさい。家の中に座っていたのは、昨日、一昨日のこと(過ぎたこと)です。...(聴き取れない)...とき解いてください。揚げパンを食べて、畑に行ってください。
6830 (バナナに対する唱えごと)
Mwainzi: ...(聴き取れない)...あなたの仕事はこれです。バナナを好むこと、そして畑仕事をしないこと。ところであなたはこの者、メムロンゴにとり憑くと、彼女の脚をホウキで掃き、彼女の頭をホウキで掃く。彼女の心臓をホウキで掃く。そして全身がただ燃えるように熱い。人々が占いに行って言うには、おっしゃるとおりでした、でも魔物(majine29)でした。私は...(聴き取れない)...しにやって来ました。そして感謝いたします。まさしくあなた(のせい)だったのです。私の判断もこれでした。今、私はあなた方に手鍬を差し上げました、そしてあれを差し上げました251、薪を伐るあれです。もう二度と怠惰は、なし。お静まりください。
6831 (ヤシの実に対する唱えごと)
Mwainzi: よし、さて、私はあなた「ディゴの女」、そしてあなた「シェラの女」にお話します。落ち着いてください、そうかそのままに、落ち着いてください、みなさん。この者を、あなた方は連れていき、池にお置きになりました、あなたきちがい女、あなた「ディゴの女」よ。今日、この者、ムロンゴの母はすっと思うに任せませんでした、この者は。...(この後聴き取れない部分が続く)...私は祖霊とムルングに祈ります。こうして皆さま、憑依霊の皆さま全員に同様にお話し申し上げます。...(聴き取れない)...これこそあなた方の食べ物です。鮫肉の干物をとり、キャッサバをとり、それにココナツミルクを加え、あとは一日じゅう寝る。私は怠惰は嫌いです。私はあなたに仕事を与えました。私はあなたに山刀を差し上げました。未開墾のブッシュを切り開きなさい。私はあなたに手鍬を差し上げました。手鍬を握って畑仕事をなさい。女性は、(トウモロコシを)搗いて、トウモロコシ粥を調理するものです。どうかお静まりください。
6832 (12本の瓶の水に対する唱えごと)
Mwainzi(Mw): ゆっくりと降りてきて、あなた「シェラの女」よ。あなたの荷物は12個です。あなた、「シェラの女」、あなたはタンガからやって来た。タンガを去って、ここドゥルマにやって来た。さて、私は欲します。とき解いてください、サラマ、サラミーニ。身体が熱くなることは、なし。ゆっくりと降りてきて、あなた「ディゴの女」よ。身体が熱くなることは、なし。あなた、「ディゴの女」よ。とき解いてください。 (ムァインジ氏、患者に背を向けて、瓶の水を患者の頭にかけようとする。) Mw: (ムリナに)大泉門は、このあたりかい? Murina(Mu): そう、そこだよ。 (ムァインジ、患者に水をかけながら) Mw: 皆さま方、とき解きください、降りてきてください。ムロンゴの母の身体が熱くなることは、なし。あなた「シェラの女」よ、あなたの荷物は12個です。あなたはタンガからやって来た。お静まりください。私はあなた方をこうして冷やします。皆さま方、池の水のごとく冷たくなってください。あなた、岩の上の穴に溜まった水の如く、冷たくなってください、「シェラの女」よ。メムロンゴが屋敷に着けば、手鍬を握って彼女が耕しますように。メムロンゴが屋敷に着けば、薪を砕きますように。もう病気は、なし。お静まりください、あなた「シェラの女」よ。あなたの荷物はこれら12個です。私はあなたに重荷を調えて差し上げました。これら12個です、あなた「シェラの女」よ。私はあなたに、とてもお静まりくださいと申します。どうかメムロンゴの脚に手を出さないでください。メムロンゴの頭をそっとしておいてください。メムロンゴの腹をそっとしておいてください。プッ(唾液を吐く)。
6833 (12本の瓶の水に対する唱えごとの続き)
Mwainzi: さて、しっかりとき解きください、あなた「シェラの女」、この者をとき解き、昼に夜に健康でありますように。お静まりください、お静まりください、あなた「ディゴの女」よ。あなたの出身地はタンガ(Tanga242)です。この者は畑仕事をしません。彼女の仕事はバナナを食べて、パパイヤを食べること。お静まりください、皆さま方、お静まりください。
6834 (薪に対する唱えごと)
Mwainzi: あなた方、あなた方こそ「きちがい女(muchet'u wa k'oma80)」の皆さまですね。(メムロンゴは)家に着くや、彼女は心臓が燃えると言う。水場に(水汲みに)も行かない。薪集めにも行かない。私にはわかります。確かにあなたシェラのせいだと。もしあなたシェラのせいなら、私はあなたに申します。お静まりくださいと。彼女に健康をあたえてください、彼女が薪を集め、水を汲み、手鍬を握って畑仕事をしますようにと。私は楽しみにしていますよ。あなたシェラがゆくゆくは癒やしの仕事を欲しがるようになられるのを。でも今は、どうか彼女を、今このときより、煩わせないでください。...(聴き取れない)...そもそも、私たちはあなたのお気に入りの素敵な品々を差し出しました。さあ、彼女に何年もつづく健康をお与えください。どうかお静まりください。 [カセットテープ終了]
6835 (燃える炭を患者の身体に巡らせるときの唱えごと) (燃える炭を土器片に乗せて、患者の身体を周回させる。炭はその後、池の中に投げ込まれ消される)
Mwainzi(Mw): ...怠惰(ukaha)よ、投げ棄てられよ。ギリアマ人は、(トウモロコシを)搗き砕き、粉に挽き、練粥に料理する。今日、これらの重荷は、下げ降ろされる、このように。 Munyazi(Mun): (ディゴ語で話している、これ以降、彼女は一貫してディゴ語で語り続ける)重荷は一昨日、昨日のことです、あなた奥さん。今や、あなた奥さん、ご自身が食べてばかりは、なし。そうじゃないでしょうか。脚が折れ壊れることも、なし。...(聴き取れない)...すべての関節を動かせない、そうじゃないでしょうか。降りなさい、あなた「ディゴの女」あなた「狂気を煮立てる者(mujita k'oma81)」...(以下、聴き取れない) Anzazi(An): 脚が、折れ、折れることは、なし。人の母は、怠惰を捨てよ。どう?こちら(ドゥルマの地)に来たからには、行って手鍬を握り、土を引っ掻け。(ここからディゴ語)「私があちら(ディゴの地)に行ったら、キャッサバをとりに来るわよ、バナナを取りに来るわよ。」でもそのバナナはね、奥さん、耕作の産物なのよ。行って(地面に座って)脚を投げ出すことじゃないのよ、奥さん。...(以下聴き取れない)... Mw: 今日、私はあなたのこの火を消します。それが消えてしまいますように。今や、身体が二度と熱くなることは、なし。身体は冷えよ、サラマ、サラミーニ。身体は、冷えますように、冷えますように。火は一昨日、昨日のこと(過ぎたこと)。...(聴き取れない)...この身体よ、冷えよ。この火は、とても激しい。でも水が触れると、火は死んでしまう。ジーッと冷たくなる。今、私は命じます。この者の、ムロンゴの母の身体よ、冷たくなれ。火は二度と、なし。冷たくなれ、この火よ。火はたしかに獰猛です。でも水に話しかけられると、すぐに死にます。そして今、このシェラが苦しめていたのは、一昨日、昨日のこと。でも今、私たちはシェラに彼女の問題を調えてあげました。冷やすことです。ムルングの子供たち全員、もう争いはございません。身体よ、冷たくあれ。
(帰り道でのシェラの歌) 6836 (憑依霊シェラの歌1)
ヘー、あなた方の仲間、ウェー、花をもっている、けっこうよ シェラ、行きましょう、あなたはお父さんに呼ばれています ...聴き取れない... 花をもっている、けっこうよ 花をもっている、けっこうよ
6837 (憑依霊シェラの歌2)
端っこにお行きなさい、太陽に焼かれますよ ご婦人たち、端っこにお行きなさい 端っこにお行きなさい、太陽に焼かれますよ ご婦人たち、端っこにお行きなさい
6838 (憑依霊シェラの歌3)
さて、私は癒やしの術を求めて池にやって来た ホー、争いよ、ウェー 私は癒やしの術が欲しい (solo) 私は出発します、癒やしの術を求めに池に行きます。 (chorus) ヘー、争いよ、ウェー 私は癒やしの術が欲しい 「長い髪の女」は言うよ 池で癒やしの術を求めなさい 今日は争い、ウェー、私はビーズ飾りを作ります
(帰還を促す語りかけ) 6839 (カヤンバ演奏続く。会話はディゴ語で(シェラはディゴからやって来た憑依霊であるため))
Munyazi(Mun): (周りの女性たちに向かって話す)そんな風に彼女(メムロンゴ)をじろじろ見るのは、なしですよ。皆さん、鞭(といっても一本の細く柔らかい木の枝)を握って彼女を鞭打ってくださいな。だって、なまけ者になってしまいますよ。 (メムロンゴに対して唱えごと)みんな疲れてます。だから厳しく当たるんですよ。この人を鞭打って、急がせないとって。みんな疲れてます。ほら、鞭を持ってるでしょ。すごく厳しく当たるんです。みんな疲れてます。ほら、太陽をご覧なさい。もうあんなところです。誰もが疲れてます。みんな家に帰りたいんですよ。そうでしょ?急ぎなさい、奥さん。なまけ者になっちゃ駄目。さて、あなた、いつになったら皆の話題になる人になれるの、奥さん?
(薪を集めさせる語りかけ) 6840 (カヤンバ演奏続く、会話はディゴ語で)
Women: 薪を集めなさい、薪を集めなさい Munyazi(Mun): 急いで、急いで。無駄に鞭で打たれないようにね。この仕事はよくご存知でしょう、奥さん。 (メムロンゴ急き立てられて、適当に数本の枯れ枝を集める) Woman: ねえ、この人に、自分で(薪をくくる)紐を剥ぎ取らせる(エダウチヤシ(mulala)の葉を繊維に沿って縦に割いて作る)んでしょ、ここで。 Anzazi(An): そうね。さあ紐をお探しなさいな。 Mun: 急いで、急いで。 An: 紐を剥(は)いで、(薪を)縛って、屋敷に向かいなさいな。 Mun: 太陽は6時(正午)の位置に着いたよ。あんたの仲間たちはまだ食事をしていない。お母さんもお腹をすかしているよ。急いでね。 An: さあ、剥(む)いて、剥いて、剥いて。 Mun: あのね、一本の紐で縛る薪なんて、ある?あなただらしないわよ。両腕ともぶらぶらしてる。 An: (ムニャジに向かって)彼女がなまけ者になりそうだったら、ほら(鞭を渡す)、あなたの(施術上の)子供を鞭打ちなさいな。(メムロンゴに向かって)みんなに負けるわよ、あなた奥さん。これらの薪だって、ご覧なさいよ。まるで鮫の塩漬け肉みたいに、尻尾が出てるわ。 Chari(C): (冗談めかして)その(たったそれだけの)薪で、トウモロコシの練粥と野草のスープが完成するとでも! An: (傍らの女性に)お椀はどこにあるの、御婦人。 Woman: 後の方にあるわ。 An: ねえ、トウモロコシ粒を入れておくの(お椀)なんだけど、見ないわね。出発したときには...(聴き取れない)..ないわ。 Woman: ああ、葉っぱがおいてあったトウモロコシの粒のこと?それって必要なものだったの? ....(以下聴き取れないが、お椀についての数行の会話も含め、進行中の儀礼の一部ではない、舞台裏的トークだと思われる)...
6841 (薪集めの続き、同じくディゴ語でのやりとり)
Munyazi(Mun): さあ、奥さん、(薪を)そこ、頭の上に置いて、お行きなさい。 Anzazi(An): さあ、頭の上に置いて、頭の上に置いて、奥さん、さあ行きましょう。 Woman(W): (数本の薪を縛ったものを渡す)ほら。あんたの荷物をつかんで、頭で運んで、お行きなさい。 An: 頭で運びなさいってば。あなたを鞭で打ちますよ、私は。 W: そもそも、間違っただけよ。 Chari(C): さあ、子供に負かされちゃだめだよ。 W: (薪を)下ろしに行くんだよ。 An: この先には、(スープ用の)野草はないのかい、この先には? Mun: さあ、先にお行きなさい。あんたはゆっくりゆっくり歩くね。太陽が厳しくなったことがわからないのかい?
(畑仕事をさせる語りかけ) 6842 (畑を耕す、語りはディゴ語)
Munyazi(Mun): まず、御婦人、手鍬を持ってきて。私が打ってあげる(叩いて刃を柄にしっかり固定する)から、あなた(その後で)持っていってね。 Chari(C): ご主人(メムロンゴの)はどちら? Anzazi(An): ご主人は(山刀で)草をこれから切りはらいに行くのよ。 C: で、今はどこにいるの? (屋敷の裏手の草むらに到着) An: 今からすぐ彼女(メムロンゴ)に畑を耕してもらいます。畑を終わらせます。もし彼女がダラダラしているのを見たら、私に彼女を手ひどく鞭打たせてください。さあ、ご主人、草を切りはらって、切り払って。奥さんは耕して。 Mun: さあ、あの草が密集しているところを切り払って。奥さんに遠慮しないで。はっきり、はっきりお言いなさい。奥さんがなまけ者になってはいけないから。そうでしょ。おっしゃいなさい。「早くしろ、私は腹が減った」って。はっきりお言いなさい。だってここで彼女をなまけ者のまま、ほうっておくと、屋敷でも彼女はあなたを尊重しないわよ。はっきりお言いなさい。そして彼女に急いでここを耕させなさい。みんなお腹をすかしている。 Bemulongo(Memulongoの夫)(Bem): さあ、ムロンゴの母よ。急いで畑を耕しなさい。私は空腹を感じているぞ。 Mun: こっち、こっちから(耕し)始めなさい。こちらの草むらは、このあんたのご主人が切りはらってくれたんだからね。ここ、ここ、ここを耕しなさい。ここから始めなさい。 (メムロンゴは気が進まない素振り) Kayamba players: もし耕さないなら、鞭打ちなさいな。 Mun: しかもきれいにしない。私はいい加減な耕しをする人は嫌いです。この両腕にしっかり力を入れて、この両腕に。
6843 (畑仕事の続き、ムニャジとアンザジはディゴ語、他の男性たちはドゥルマ語)
Mwainzi(Mw): 急いで耕せ、お腹が空いた。 Murina(Mu): ああ、なまけ者だね、この人は。 Munyazi(Mun): なんと、その両手は耕作ができないのかい?ところで、あんた切りつけ、切りつけして、同じところに戻って、一箇所ばかりじゃないか。 Mu: 頑張れ、頑張れ、頑張れ。皆んな帰りたがっているよ。頑張れ、頑張れ。ご主人は(空腹で)死んでしまう。 Kayamba player(PL): (土を)被せてるだけ、被せてるだけ。 Chari(C): ねえ、肘に力が入ってないわ。 Anzazi(An): 腕もすごくだらんとしてるわ、腕も。 Mun: 手鍬は両手で握るものよ。奥さん、手鍬を両手で持ちなさいな。そして急いで急いで。奥さん。頑張ってよ。この場の皆んな疲れてるよ。私は怠惰は嫌いですよ、奥さん。耕作に力を入れて、終わらせて、あちらの屋敷に行って、トウモロコシの練粥を調理して頂戴。 Mw: なあ、あんたたち彼女に割り当てた地面が広すぎるんじゃないかい。 Mun: ああ、終わるでしょうよ。急いで、急いで、急いで。速く、速く、引っ掻いて。 PL: 急いでよ。いつ耕し終わるのやら。もう結構な時間に感じるよ。 Mw: 広すぎるよ、ここ。 An: こっちに来て彼女(Munyazi)にお言いなさいよ。あなた、そんな端の方にいて。あなたの(施術上の)子供じゃないの。 Mw: なあ、あんたたちが言いなさいよ。
(おかずにする野草摘み) 6844 (畑の周囲で野草摘み、語りはディゴ語)
Munyazi(Mun): あちらにお行きなさい。また、だらだらしてるわね。女性は野草を指し示してもらうものなの?おかずにする野草を示されないといけないの?自分では見つけられないの?なに?あなた目はついてないの?示してもらえないとだめなの?それってなまけ者ってことじゃないの?そう、女性は畑に着いたら、食用野草を探し、薪を探すものよ。あなたはどうしてそんなになまけ者なの。 (メムロンゴ、野草をほんの少し摘む) Mun: ねえ、あんたは、あんたのお母さんに食べてもらいたいでしょ。お母さんはお腹をすかせてるよ、あんた。さあ家に行きなさいな。お前の怠惰さを持ったままでね。 Anzazi(An): さあ、行きましょう、行きましょう、行きましょう。 Mun: お行きなさい。急いでね。私は疲れちゃった。ああ、そうね、歩いてね。あんた、歩いていく脚をもってないのかい? Woman: 見てよ。彼女とってものろのろ。今にも空腹で倒れそう。 Mun: なに?私たちは婚資を受け取りに行くのよ。もしあんたが、なまけ者だったら、あんたは実家に戻されるわよ。...(聴き取れない)... 速く歩いて、速く歩いて。ほらあの、あんたのお父さんが(嫁とりの話を)投げ出しちゃうよ。 An: 兄弟たちもここでお腹をすかせているよ。
(小屋の中でのシェラの歌1) 6845 (シェラの歌1)
お待ち、私に道を先導させて252、ムウェレ、ウェー シェラはまだ良く知られていない 腹の奥の病気、身体が震える シェラ、お母さん、あなたは私を産まず女にする シェラ、お母さん、あなたは私を産まず女にする シェラは子供を産んで、その子に名を与えた、産まず女と言う名を シェラは子供を産んで、その子に名を与えた、産まず女と言う名を 腹の奥の病気、身体が震える シェラ、お母さん、あなたは私を産まず女にした
(トウモロコシを粉に挽く) 6846 (シェラの歌1が演奏される中)
Munyazi(Mun): 石臼をここに持ってきて。 Mun: 仕事は一発でやってよ。さあさあ、しゃきっと石臼をもっておいで。 (メムロンゴ、石臼を運んでくる) Mun: 重ねて、重ねて、奥さん。ここでトウモロコシをお挽きなさい。 Mun: 4シリングをここに置いて。 Mun: トウモロコシ(粒)を載せて、奥さん、早く。石(板状の)はもう置いてあるよ。大きな火はここにはないよ。これらのトウモロコシにはこの火でじゅうぶん。火に息を吹きかけなさい。2シリングはここに置いて。
(小屋の中でのシェラの歌2) 6847 (シェラの歌2) (solo)
あのシェラがやって来た、ウェー、まさにここにやって来た ごらん、やって来て泣いている (chorus) 脇に捨てなさい、ウェー、お父さん、彼女がやって来た (solo) 脇に捨てなさい 妹よ(またはお姉さん) 彼女は速いのが好き (chorus) 脇に捨てなさい、ウェー、お父さん、彼らがやって来た
(粉挽き) 6848
Munyazi(Mun): さあ、腰を下ろして、腰を下ろしてここに。脚を伸ばして、粉を挽いて。 ....(演奏の音と人々の会話で、ムニャジの発話はほとんど聴き取れない。メムロンゴ憑依状態)... (ムニャジ唱えごと、部分的にしか聴き取れない、概ねディゴ語) Mun: 降りてきてください、降りてきてください、兄弟よ。今は、怠惰をお捨てください。
6849 (唱えごとの続き)
Munyazi(Mun): ...そこに着けば、手鍬を握って、耕せ。女性は(臼と杵で)搗くもの、女性は粉挽きするもの。あなたはシェラの女、あなたはなまけ者。そちらの畑に着けば、そう、耕すのはあなたの仕事。雨がやって来る。あなたはカシューナッツの木陰で寝るばかり、マンゴーの木陰で寝るばかり、お母さん、噂話に興じるばかり。全部やめ。手鍬を握って、耕しなさい。
(粉挽き中のシェラの歌) 6850 (シェラの歌3) (solo)
驚きの心は長い髪を落とした(or捨てた、切った、満たした)253 落ち着いて、我が子よ、ウェー お前は癒やしの術の長い髪を落とした 驚きの心は長い髪を落とした、ウェー 泣かないで、我が子よ、ウェー お前は癒やしの術の長い髪を落とした (chorus) ウェー、お母さん、お父さん 驚きの心は長い髪を落とした
6851 (シェラの歌4) (solo)
不運、エー、不運だよ、私の仲間 (chorus) 不運、エー、不運、私の仲間たち、不運
(粉挽き終了の言葉) 6852 (概ねディゴ語)
Munyazi: ねえ、あなたはなまけ者になるよ。(そばにいる女性を指して)この人のこと、あなたはなんて呼ぶ?さて、仲間の女性たちは皆んなそんな風に粉を挽きますか?あなたの怠け心ときたら、あんた!さあ、その怠け心はここに捨てていきなさい。家に着いたら、いいですか、最高の粉をお挽きなさい、とっても良い粉を。さあ、急いで野草を煮てくださいな、奥さん。
(練粥作り中のシェラの歌) 6853 (シェラの歌5) (solo)
カヤンバを打て (カヤンバは)ドゥルマを驚かせる あなたは周回する 彼に不運について話してやれ、兄弟たち なに? 心は悲しむ 彼に不運について話してやれ、兄弟たち (chorus) 不運、不運、私の仲間たち、不運
Munyazi(Mun): そこの(水瓶の)中の、その中の水を行って取っておいで。...(聴き取れない)...あんた汚れるよ。私はそんな汚い娘は嫌いだよ。さあ、(炉の)火を集めなさいな。練粥のアルミ鍋(sufuria254)はどこ? Anzazi(An): まずは、そのなかで彼女に煮させなさいな。 Mun: 彼女につがせましょうね。 Mun: さあ、急いで煮えろ、煮えろ。さて、あんた自身も急ぎなさい。ああ! Mun: こちらではあなた方の仲間は、のどが渇いているよ。誰かに水を持ってこさせなさい。あなた方の仲間は、こちらで喉が渇いてますよ。 Mun: さあ、それらの砕けたトウモロコシ粒を煮なさい255。あんたが自分でトウモロコシ練粥って言うところの。あのディゴ人(憑依霊)自身も不潔。ディゴ人はそんな風に不潔。あんたもディゴ人かい、あんた自身も。水はどこにあるんだい、仲間たち。なんでここに水がないの? Man: 水はあちらまで汲みに行きました。 Mun: もっとこっちにお寄りなさいな、妹よ。あんたに課題をあげる。それらのあんたのトウモロコシ粒を入れなさい、あんた汚い人。トウモロコシ粒を入れなさいよ。なにを待ってるの? Mun: その水をもってきて、彼女にたっぷり注がせましょう。 Mun: じゃあ、それらのあんたの粒を入れて、奥さん。 Mun: 降りてこい、降りてこい、降りてこい、降りてこい、降りてこい。さて、ディゴの女、降りてこい。狂気を煮る女、降りてこい。彼女に狂気を煮立たさせ、それ(狂気)をここに置き去りにさせましょう、そうでしょ?家に着いたら、手鍬を握って、耕作しなさい。怠惰は捨てましょう、奥さん。病気は、なし、違いますか。体が燃えるのも、捨てなさい。腹(の病気)もなし。捨てなさい、奥さん。脚が折れ壊れることも。お静まりください。怠惰さも捨てなさい、奥さん。怠惰さも捨てなさい。あちらの家に着いたら、問題をvuvumusaしなさい。
(練粥作り中のシェラの歌2) 6855 (シェラの歌6)
これは不運、ウェー ファトゥマ(人名)はやられました 未開の地(nyika256)でシェラの治療を治療してもらいなさい 未開の地でシェラの治療を治療してもらいなさい お行きなさい、兄弟(姉妹)よ、私は他人のことは言いません さあ、シェラの治療を瓢箪でしてもらいなさい 話しなさい、一緒に行きましょう、ウェー ご婦人よ、瓢箪を弄びます さあ、未開の地でシェラの治療をしてもらいなさい (憑依霊)ペンバ人、ウェー、私の仲間たちはやられました さあ、未開の地でシェラの治療をしてもらいなさい (kubitaのリズムで) 妹、マリアム(人名)は言いました。ウェー、万事はOK
(練粥の調理を終え、外へ) 6856
Munyazi(Mun): あんたたちの仲間、水をどこに取りに行ったんだい? Woman: 川に汲みに行ったよ。 Mun: ああ、そうなの。 Mun: (メムロンゴに向かって)なに、あんた自分でこれが粉だっていうの、これが! Girl: さあ、水ですよ。 Mun: じゃあ、奥さん、火から下ろして、(練粥を)こちらによそって、外にお行きなさい。 Woman: これが練粥?団子? Mun: さて、あなたあちらの家に着いたら、お口を慎みなさいね。あの人(夫の父)から「なんだよ、あちらのお前の父のところに、婚資を返してもらいに行くよ、私は」なんて言われないようにね。 Mun: さあさあこの練粥と手を洗う水をもって、お外にお行きなさいな。 Mun: さあ、ほら、外に行って。あれらのあんたの(トウモロコシの)砕いた粒を差し出しなさい。あんたたち、私の仲間も太鼓(実際にはカヤンバ95)をもって外にお行きなさいな。太鼓をもって外にお行きなさい。この彼女の練粥を持って行かせて。皆が練粥を食べるように。
(前庭でのシェラの歌1) 6857 (シェラの歌7)
私は蝿追いハタキを乞います、私を通して257 ハアー、私は疲れました、ウェー 私は蝿追いハタキを乞います、私を通して 私は蝿追いハタキを乞います、私を通して 私は疲れました、ウェー、ハアー 私は蝿追いハタキを乞います、私を通して
(シェラ、練粥を「夫」に食べさせる) 6858 (前庭でメムロンゴ=シェラが作った練粥を、「夫」(メムロンゴにとっては現在の夫、シェラにとってはこれから夫になる男性)に食べさせる)
Munyazi(Mun): さあ、彼に練粥を食べるよう言いなさい。「練粥を食べなさい」って言いなさい。何?この人、練粥を握り固めることもできないの?「練粥を食べなさい」って言いなさいってば。あなたを鞭で打つわよ、そうじゃない?「練粥を食べなさい」ってこの人に言いなさいよ。 Anzazi(An): (ムニャジに向かって)ねえねえ、まず彼女に「この人があなたの夫ですか」って尋ねて、彼女自身に同意させないと。まず、あなたのお父さん(施術上の)をお呼びなさい。あっちの隅に隠れているわ。まずここに来てもらわないと。 (ムァインジ食事の場に加わる。彼自身は食べない。) Mun: (目を閉じているメムロンゴ=シェラに)。その目ったら、私は目をつぶっているのは嫌い。その目を鞭打つわよ。 Chari(C): この練粥は、この人(夫)だけに残しておくの?それとも彼女に締めくくらせるようにしているの? (夫が食べるのを見て、チャリは、施術のやり方について質問している。) Mun: ええ、そうよ。 (ムァインジ、不出来な練粥について問いただす) Mwainzi(Mw): そもそも、なんでこんなことになってるんですか?彼女を鞭打たないことで、私の子供(義理の息子)がこんな練粥を食べることに?ああ、歯が!いったい何を粉に挽いたんだ? Mun: 鞭打ったわよ。だって、本人、怠惰そのものなのよ。これからもしこたま鞭打つわよ。 Mw: あんた方、この人にさらに挽きなさいって言わないのかい。あんた方がこの人をなまけ者にしてるんだよ。 Mun: ねえ、もしあなたも近くにいたら、この人がこんな風に(やる気なさそうに挽いているジェスチャー)挽いているのを見たでしょうよ、そしてあなたも彼女を鞭打ったでしょうよ。そう、私たちはしこたま鞭打ちましたよ。彼女の両腕すら鞭打ったわ。でも彼女は何も感じないのよ。 Mw: あんた方、私を呼ばなかったじゃないか。もし何かがうまく行かなかったら、私を呼びなさいって、言っておいたでしょ? (メムロンゴ=シェラに向かって)さあ、この練粥を自分で握ってみなさいな。もしできるなら(握って食べられるような団子状の固まりにできるなら)ね。怠惰そのもの。お前は私の義理の息子(メムロンゴの実際の夫であるが、シェラの夫となるべき男)と結婚するのに、こんなひどい練粥を彼に食べさせようというのかい。これこそ怠惰じゃないかい? (ムニャジらに向かって)あんた方、この娘を鞭打ったのかい?
(前庭でのシェラの歌2) 6859 (シェラの歌8)
良い言葉を話しなさい そう、私に、そう蝿追いハタキのことを話してください、マリアムさん お母さんの無事を、ウェー、妹(姉さん)よ なに?万事、順調よ (kubitaのリズムで) 小さなニュースの人(?)よ、お母さん、ウェー258 小さなニュースの人よ
(共食後、婚資のやりとりでシェラとの婚姻成立) 6860 (ムニャジ、水に先ほどメムロンゴ=シェラが帰途採った野草を、そのまま入れたものを「野草スープ」と称してメムロンゴ=シェラに食べさせる)
Munyazi(Mun): さあ、(練粥を握って作った団子を)そこのあなたの野草スープにちょんちょんと浸けて召し上がれ。なんと、たしかに野草ですよ。さあ、生のままの葉をお食べなさいな。 (次いで、メムロンゴの夫にも食べさせる) Mun: さあ、お食べなさい。 (メムロンゴ=シェラに向かって)(食後に)手を洗う水を、ここに持っておいで。小屋の中にある水を。 Mwainzi: 彼女に、飲むための水もとってこさせて。 Mun: さあ、水を持ってきておくれ、いいね?行って...さあ、立った、立った。あんた手を洗う水を持ってきておくれ。ご主人に手を洗ってもらうんだから。 Mun: あんた向こうの家に着いたら、すっかり変わったところを見せておくれよ、あんた。 (周りの女性たち、てんでにメムロンゴ=シェラをからかう) Woman1: ここじゃ、彼女しゃきっとしないね。水はあちら、そこのバケツの中だよ、そう。 Woman2: その恥じらいって、まるで花嫁さんみたい! Woman3: ところでその恥じらいはいったいなあに? Woman2: なに?今日、この人があなたを娶るんでしょ? Mun: あんた、何かを言われたら、なんとあっちの方を見る。ちゃんと話が聞けないでしょうが。 Mwainzi(Mw): 私は怠惰な娘は嫌いだよ。ここで私は婚資を受け取ります。私は怠惰な娘は嫌いです。もし私が婚資を受け取るとするなら、そう、私は我が娘が、行って仕事をちゃんとしてくれることを欲します。だから、そういうの(今彼女が示している怠惰な振る舞い)は嫌いです。今日、この日に、それを止めて欲しい。 Mun: さあ、あんたこれらの食器を片付けなさい。これらの食器を片付けなさい。 Mw: さあ、これらの食器を持っていきなさい。 (メムロンゴ=シェラ、食器を片付ける) Mw: そういうのを私は欲しています。私は婚資を受け取りたい(字義通りには「婚資を食べたい」)です。お前が、このお父さん(結婚相手)を私に紹介してくれるよう欲します。今、私は婚資を請求してもいいですか、受け取ってもいいですか。お父さんはどの人ですか?お前に今すぐ答えてもらいたい。私はここでこの婚資を受け取りたいのです。私はなまけ者の娘は嫌いです。私はお前にお父さんがどの人か言ってもらいたい。この人ですか。 (メムロンゴ=シェラ、頷く。ムァインジ氏、婚資8シリング(当時の日本円で40円ほど)受取る259。婚姻成立!)
(寝台脇でのシェラの歌) 6861 (シェラの歌)
私は戸惑っています、エエ、お母さん 私は戸惑っています、エエ、お母さん (repeated many times) お邪魔します、私はひどい扱いを受けています。治療してもらえない。 (repeated many times) 今日、ウェー、お母さん、私は病気を治療します。 (repeated many times)
(寝台でのシェラに対する諭し) 6862 (メムロンゴ=シェラ、寝台の寝具をきちんと整えるよう命じられる)
Chari(C): 最初に、寝台を調えさせなさいって、言われたわね。 Munyazi(Mun): 奥さん、寝台(寝具)を調えなさい。寝台を調えなさい。きちんと調えなさい。きちんと調えなさい。あっちをご覧。ちょっと、こっちに戻って。こっちに戻って。憑依霊たちを、ここに呼ぶべきかしら。 Anzazi(An): あなた方、カヤンバ演奏の皆さん、こちらへ。こちらへいらっしゃい。 Woman: ハアー。寝台を調えなさい。もう調えたの。ご主人、横になってください。だって、この人(メムロンゴ)、もう、眠たそうだもの。 (寝台にメムロンゴ=シェラとその夫を並んで横たわらせる) Mun: そちらに横になって、奥さん。鞭で打つわよ。あれこれ、終わりにして、皆に休んでもらわないとね。そう、ここだってば。あんた不吉なこと260をされたいの?あんた、奥さん。そこの端っこに横になりなさいよ。 C: 鞭で打たれないのね、結局。 Mun: あんた、仲間を疲れさせてるんだよ。のろのろしたいんだね。ここにいるあんたの仲間たちは、皆んな間抜けで、疲れたりしないとでも?なんと、ちゃんと横になるじゃない。それともまたこんな風にこんな風に? ほら、この人よ、あなたのパートナー。... 脚は、横切るようにね、脚は。この脚はこちらに戻して。パートナーの脚はここに戻して。ああもう、あんた、まだ間違ってる。あんた、頭おかしいんじゃない?まだちゃんとしてないよ。 さて、ご主人、脚を伸ばしてくださいな。 (二人が並んで寝台に横になったので、シェラに対して夫婦の心得を諭す) Munyazi(Mun): それ、寝台のところに置いてちょうだい、そこよ。さて、妻よ、さて。妻は娶られる。夫に娶られる。そしてあちらに着くと、夫を敬う。そうじゃないですか?妻は呼ばれます。「水を持って来い。私は水浴びをします。お前は練粥を料理しろ。」妻は行って練粥を料理します。さて、夫は水浴びを終えると、言います。「私は疲れた。寝床の用意をしなさい。私は眠りたい。私の身体を休めたい。」妻は寝床の用意をします。そうでしょ。寝台を調えませんか?呼ばれたら、寝台を調えて「ヘエー」と返事します。それこそ、私たち女性のやり方です、それが。オーケー、こんな風にあちらの家では敬意を示すのですよ、あなた奥さん。
6863 (続いてアンザジも、シェラを諭す)
Anzazi(An): さらにこのご主人があなたを娶ったなら、さらにあなたも変わります。このお母さん(ムニャジのこと。ムニャジはメムロンゴの施術上の母であると同時に、今回の「重荷下ろし」によって、ムァインジとムニャジが<メムロンゴ=シェラ>の父母になる)が、「あのあなたの娘さんは、あちらでは分別のあるしっかり者ですね」という評判を耳にしますように。今のあなたのもつ悪い癖は、ここに置いていきなさい。そうでしょ?だってあなたのお母さんは、他人のウシを受け取ったんだから。このあなたのお母さんは他人の婚資を受け取ったんだから。これからは敬いの態度です。さあ、起き上がって、奥さん。 Munyazi(Mun): さあ外に行きましょう。外で締めくくりましょう。 Chari(C): (寝台から)降りるのも嫌なのかな? An: ああ、なまけ者なんだよ。彼女、ここで今日は眠りたいんだよ。でもそれは駄目。
(小屋の外での締めくくりの唱えごと) 6864 (小屋の外に出て、数分間シェラの歌を演奏した後に、締めくくりの唱えごと)
Munyazi(Mun):(途中から録音)...私たちはしっかり踊りました。チェレコ(出産祈願の瓢箪子供)もあなたに与えました。あなた全能のムルング91よ、あなた憑依霊アラブ人121よ、憑依霊サンバラ人子神124よ、カルングジ子神261よ、どうかとき解きください。おだやかに、皆さまどうかこの女奴隷(mujakazi(fr.ス mjakazi))をとき解きください。もう争いはございません。どうかお静まりください。 Anzazi(An): お静まりください。ンゴマはこれです、友よ。そもそも、あなた方自身は、感謝の気持ちを差し出されないのですか。どうか考えてもみてください。昨日のあの時間から、10時(午後4時)までです。 Chari(C): あなたの兄弟たちは疲れ、空腹で死のうとしています。 Mun: 人々は皆、空腹で死のうとしています。彼らをお許しください、砦の中におわします世界の住人の皆さま、全員。さらに、この者の身体をとき解き、幼子たちが健康でありますように。ここを出てのち、行ってこれらの幼子に入りこまれることは、おやめください。そしてあなた御自身、手鍬を握って、畑仕事をしてください。 Mwainzi(Mw): そしてあの獰猛なお方。どうか皆さま方、その者にお言い聞かせください。というのも、その者は大きな難題そのものをなす者なのです。今、どうかその者にお言い聞かせください。何事もゆっくり、ゆっくりなのです。 Mun: (昨夜のンゴマで)おっしゃられたあれらのことでしたら、探し求めさせていただきます。ねえ、難題は一つ一つ解決するものでしょう。 今回の歌(カヤンバ)は、急ぎの歌でございました。なぜならその女性は、ただ驚き戸惑っていたのです。なぜなら、死すら、死ぬところだったのです。その配偶者(夫)は、大急ぎでした。彼は言います。お父さん、私に(彼女の病気がよくなるために)あれこれ、できることをさせてください。もしかしたら(憑依霊たちに)別のことが求められているのかもしれません。人は癒やしの術を、病気を通して与えられることもあります(憑依霊が人を癒やし手にするために、その人を病気にすることもある)。私たちはこの者が治り、あれらの幼子たちを養うことを欲します。
6865 (ムニャジの唱えごとの続き)
Munyazi: もし、あなたが癒やしの仕事を求めるとすれば、まずはあなたは招待されねばなりません263。まずはとき解きください。もう再び病気は、なし。そもそも、また「どうかどうか御主人様方」などというのは嫌です。もしそちらにお着きになったら、手鍬を握って、地面を引っ掻いてください。あれらの幼子たちを、お養いください。とき解いて。もし癒やしの術でしたら、あなたはお父さんとお母さん(いずれも施術上の)によって与えられることになるでしょう。しっかりとき解いてください。今や、争いはありません。 私たちの、このンゴマは、御主人様方のンゴマです。身体をとき解いてください。脚が痛むこともなし、腕が痛むこともなし、肩が痛むことも、なし。今日、この日より、とき解きください。あなた、ディゴの女よ。争いはございません。私たちはあなたに美しいもの(ビーズ飾り)をお与えしました。歩くときに、ジェレジェレ音をお立てください。そう、平安とつつがなきことの。とき解きください。争いはございません、我が友よ。しっかりお静まりください、お母さん。
また、そこでは各憑依霊の持ち歌が歌われることから、この催しは単に「歌(wira264)」と呼ばれることもある。