Dec. 1, 1993, Wed, kpwaluka, mwezi6, kumi ra kahi
午後1時Mazora1に向かう。Mazora方面が今にも雨が降りそうで、Mazoraに向かう坂を登っていると冷たい風が吹き付けて来て黒雲が立ちこめ、気が気でない。幸い雨が降りだす直前にMechombo2の屋敷に到着。Mwainzi夫妻3とChariたちはすでに到着してmareroを作成する作業。約束通りの食事が用意されていないといってanamadzi56しきりと不平をいう。marero57の作業ではmulungu58とmudigo63、shera54の歌が楽器なしで歌われる。丁度良い機会なので何曲か録音。mareroの作業は深夜まで続く。kayamba64は10時前に始まる。かなり早い開始時間だ。私は一応1時近くまでおきていたが、明日のkuphula mizigo33が今回の目玉なので、テントで仮眠をとる。3時ごろ目を覚ますとちょうどMunyaziがmuduruma25でgolomokpwa66しているところ。慌ててテントの外に出て録音。しかしその中断をきっかけにmakolotsiku67に入る。残念ながらuchi68のmakolotsiku。再びテントへ。次に目を覚ましたときには、mwalim kuruwani69の歌を演奏中。5時だった。一人Jamba70でひっくり返っている。その後mulunguの演奏によって、mwana wa ndonga(chereko61)が与えられる。何とこのkayambaはcherekoを与えるkayambaでもあったのだと気がついたときにはすでに遅い。もし知っていたなら、chereko作成の呪文を録音できたのに。Murinaによるとチェレコは朝4時ごろ作成されたという。その後mudigoとDena52で夜の部を終了する。けっこう寝たのであまり疲れていない。
Dec.2, 1993, Thu, kurimaphiri mwezi7/kahi
朝食後8時すぎにkuzuza32が始まる。疲れてないと思って調子に乗ってついて行ったのが大失敗。Mechomboが先頭に立って行ったのだが、Kinango近くまで引っ張りまわされる。マラソンか。これでぐったり疲れる。しかし屋敷に戻って小屋の中でchivuri31を戻すと、全く間をおかずすぐさまkuphula mizigoに入る。Chariに対しておこなったときには若干省略ぎみであったが、今回はほとんど完全バージョンをみることができた。ulingo71は屋敷からずいぶん離れたziyaの中に設定してあったし、そこでのmaphuli72の手順も非常に組織だっていた。残念ながらスライドフィルムが途中でなくなり(何故か準備が悪い)せっかく2台のカセットレコーダーで万全を帰していたのに、相変わらず一部で録音を失敗する。ziya73の中なので近寄れずmakokoteri74を録音することができなかったのも残念。午後1時すぎに全過程を終了する。後は例によってkulumbanaなので失礼しようとするが、Mechomboに引き止められる。ちょうど激しいvuri75の雨が10分近く降り、その間にすでにmaini76が煮てあったのでそれを一口食べただけで失礼する。帰り際、Mwainzi夫妻から土曜日の結婚式に招待されてしまう。行かない訳には行かないだろう。疲れる。 3時半に帰宅。コーヒーを飲み荷物を整理して一息ついているとMurinaたちも帰途立ち寄る。mwana wa ndonga60が与えられた経緯について少々質問。Murinaたちも疲れている様子で、ココアを飲むとすぐに帰る。自転車疲れがたまって来ているせいか、腰がめちゃめちゃ痛い。水浴びを明るいうちに済ませ、ベッドで横になる。
(フィールドノートよりの抜粋) (注: フィールドノートの記述の一部は、ワタシ何をトチ狂ったか下手くそな英語でメモしている。フィールドノートはそのまま転記が原則だったが、この英語箇所はあまりにも恥ずかしすぎるので、日本語に直しています。あしからず。)
【kayamba ra kuphula mizigo】(at Mechombo's mudzi, Mazora) aganga: Mwainzi & Munyazi (with Anzazi) muwele: Memulongo
患者は2回mburugaをし、そのいずれもがMunyaziを指定していた。 患者の訪問を受けたMunyaziは患者に自分の屋敷に留まるようにいい、nyunguと mavuoで治療した後にkayambaをおこなう手筈をたてた。 kuphula mizigoには男女二人のmugangaが必要であるが、女性のmugangaを自分が努め、 男性のmugangaをMwainziに勤めてもらった。Anzaziは今回は単なるオブザーバー。 その割には、積極的にいろいろかかわっていたみたいだが。 MurinaとChariは見にきただけ。しかしChariはmatungoの作成、Murinaはchereko の作成に従事。 (以上はDec.4の追記)
【kayamba songs at matungoni】 女性aganga、atejiたちによる ku-tunga marero 必須 sigara & mukahe na chai 歌を歌いながら (DB 6747-6761)
【Part1: kayamba ra kuchesa】 22:00 kayamba開始 makokoteri for kusimika ngoma(Mwainzi) (DB 6762-6763) (一連の憑依霊の歌) mwanamulungu(DB 6764-6765) mwarabu(DB 6766) chitsimbakazi(DB 6767-6769) mwavitswa(DB 6770) mbarawa(DB 6771-6773) musambala(DB 6774-6776)
次にどの憑依霊の歌を歌うかについての短い議論(DB 6777) mukpwaphi(DB 6778-6779) chiyuga aganga(DB 6780-6784)
00:50 * | シェルターで仮眠 | * 02:45 mudurumaの歌(unrecorded) Munyazi 憑依状態 3つの異なる人格が順番に現れる 小さい子供、男のドゥルマ人(ドゥルマ語で喋る), ギリアマ人長老 (DB 6785-6799)
03:20 ヤシ酒の makolousiku * | シェルターで仮眠 | * 05:00 mwalimu kuruani(unrecorded) mudigo(DB 6800-6804)
muwele yugolomokpwa、Anzazi yunakokotera(DB 6805)
mudigo(DB 6806)
kulavya mwana wa ndonga(chereko)
mwanamulungu(unrecorded) muwele yugolomokpwa、Anzazi 彼女に chereko を探しに行けと言う "haya mwana yunarira, mwana yunarira" と言ってもcherekoは特に隠されていたわけではなく、小屋の中、戸口の わきに布にくるんで置いてあった muwele 'chereko' をもって嬉しそうに踊る
jamba(unrecorded) 私が目覚める前にgolomokpwaしていた女性に対して演奏 彼女はcherekoの授与が終わるまで、中断され待たされていた
Munyazi もまたjambaで golomokpwa Murinaと chiryomoで会話、次いでスワヒリ語で。やがて沈静化する。 chiryomo, then in kiswahili. Finally Munyazi calmed down. (DB 6807-6808)
dena(DB 6809-6810) mugayi(DB 6811) mudigo(DB 6812-6813)
Mwainzi 徹夜のカヤンバを締めくくる makokoteri (DB 6814)
【Part2: kayamba ra kuzuza mashera】 aganga: Mwainzi & Munyazi, Chari, Murina, Anzazi はmuweleとともに屋敷に残る muwele は小屋の中に仰向けに地面に横たわる
mwanamulungu 4 songs(unrecorded) mugayi 2 songs (ordered by Mwainzi, unrecorded) mudigo 3 songs
mudigo 3曲目にMwainzi、小屋を反時計回りに巡る
shera(DB 6815)でkuzuzaに出発 Munyaziを先頭に
今回は私も同行する
途中2箇所のmuzukaを経て(mafufutoを採取)、キナンゴ近くのMienzeni川 まで(遠すぎ!)進む。 kuku wa kunduをku-tsinza 川底の泥やmatoro, viongoziを採取して戻る
屋敷に戻ると、反時計回りに小屋を巡り、Mwainzi後ろ向きに背中から小屋の中にはいる 泥、matoro等を包んだmulunguの布を、地面に仰向けに寝ているmuweleの上に広げ、バケツの水を盛大に注ぐ(muweleびしょ濡れ)
kuku mwiruの脚を持ってvuoの水に浸け、muwele を kuvunga ndonga の口を患者の身体の各部に近づけ息を吹きかける 以上で ku-udzira chivuri は終了
makokoteri (DB 6816)
【Part3: kuphula mizigo】 1. 出発 kuzuzaが終了すると、おお急ぎでmuweleを小屋の外に連れ出し、 chinuの前でvuoの薬液で洗う
xkayamba隊がmuweleを囲み、sheraの歌(DB 6817)を打つ
その一方でmahunduにビン12本を詰めたりの作業が大忙し
水の入った瓶12本、manga1本、miwa1本、payu1個、nazi1個、izu1本
mahamuri1個、kuni3束
muwele これらの入ったmahundu2つを両肩に斜めがけに掛けられ
頭にchinuを載せられる
Sheraの歌が打たれるなか、出発
二人のagangaは、それぞれ「進め、進め、早く。鞭で打つわよ。叩くわよ。」
「さあ、出発しろ、我が子よ。日差しが強いぞ。早く出発してほしいのだ」
などと急き立てる。これは道中も繰り返される。
(DB 6818)
2.道中(uringoは池のなかに作られている。結構遠い.) 7songs of shera(DB 6819-6825)
uringoni 3-1. muweleをuringoに座らせる。mutejiの膝の上に。 足がブラブラしないように足を置く小さな台の上に乗せる。 muweleを膝に乗せるmutejiはmatungoを身に着けた者でなければならない。 座らせる際に、ここまで運ばせてきた荷物を降ろさせる。 (uringoDec1.jpg) 3-2. chibakuliにziyaの水を入れ、なかに昨日作成したmatungoを入れる 3-3. Mwainzi+Anzazi、kuku mwiruの羽毛をむしりながらmakokoteri kuku mwiruをkutsinzaし、その血をmatugoを入れたchibakuliに滴らせる。 kuku mwiruを北の方角に投げ捨てる 3-4. Mwainzi、kuku mwerupheの羽毛をむしりながらmakokoteri kuku mwerupheでmuweleの体を洗う kuku mwerupheをkutsinzaし、西の方角に投げ捨てる 3-5. Mwainzi、kuku wa kunduの羽毛をむしりながらmakokoteri kutsinzaし、東の方角に投げ捨てる (uringoは池の中に設置してあり、近づけず、その周りでkayambaが演奏 されているため以上のmakokoteriはほとんど聞き取れない) (DB 6826)
3-6. muweleにmatungoを着けてやる
3-7. mubuzi ya kunduを二人のanamadziの手を借りてmuweleの頭上に置き、 Mwainzi yunakokotera (DB 6827) 3-8. mbuziをmuweleの背後に下ろし、kutsinza 3-9. 二組の女性atejiが、uringoの前後のchinuをmutsiでkuphondaしはじめる その間にmuweleの頭上に、manga, payu, miwa, mahamuri, izu, nazi を順番に 置いてそれをmunduで切り(あるいは、割り)、makokoteri (例によってmakokoteriの大部分は聞き取れない) makokoteri for cassava(DB 6828) makokoteri for mahamuri(DB 6829) makokoteri for banana(DB 6830) makokoteri for coconut(DB 6831)
3-10. Mwainzi、瓶の水をmuweleに背を向けて、makokoteriしながら後ろ向きに mweleに一本ずつかけていく。Murinaが補助(ちゃんと頭頂部に水がかかるよう) 一本かけ終わるごとに、空き瓶を後ろを向いたまま、muweleの頭越しに投げ捨てる。 makokoteri for 12 bottles of water (DB 6832-6833)
3-11. kuniを一束ずつmuweleの頭に載せてmakokoteri (DB 6834)
3-12. バケツの水でmuweleを洗い、muweleの身体に、女たちがchinuで搗いた トウモロコシをこすりつけながらmakokoteri (録音失敗、テープが終了していたのに気づかなかったため)
3-13. makokoteri (by Mwainzi, Anzazi, Mechombo) 燃える炭を muweleの身体を周回させ、その後、炭は ziyaに投げ入れられ、さらに水をぶっかけて完全に消火 (DB 6835)
uringoni からの帰り道 sheraの歌をずっと演奏(DB 6836-6838) 4-1. Mechombo yunakokotera(DB 6839) 鞭で打つと脅しつつ、屋敷への帰還を促す
4-2. muwele、薪を集めるよう命じられる(鞭で打つと脅されながら) (DB 6840-6841)
4-3. vuweの一角を「夫」役の男が草なぎし、muweleはそこをjembeで耕すよう 命じられる (DB 6842-6843)
4-4. おかずにするmutsungaを採るように命じられる (DB 6844)
at the mudzi 5-1. 小屋に入る muweleが小屋に入る際に、「夫」が4/=を小屋の戸口に置き、muganga(Mwainzi)が それを拾い上げて、一行は小屋に入る
5-2. songs of shera(DB 6845) muwele採ってきたkuniで火を起こすよう命じられる lalwa(石臼)をもってこさせる 「夫」はlalwaのところに4/=、figaのところに2/=を置く muwele、搗いたトウモロコシをfigaにおいた石板の上で乾かし、そのあとで lalwaで挽くよう命じられる (DB 6846)
5-3. ku-saga song of shera(DB 6847) Mechombo、muweleにlalwaの前に脚を伸ばして座り、粉挽きをするよう命じる (その場にいる皆がめいめい大声で喋っているので聞き取り不可能) (DB 6848) Mechombo yunakokotera (DB 6849) songs of shera(DB 6850-6851) Mechombo yunakokotera and muwele に wari na mutsunga を調理するよう命じる (DB 6852)
5-4. ku-jita wari song of shera(DB 6853) Mechombo、 muwele に順を追って wariを料理するよう命じていく Mechombo yunakokotera. (DB 6854) song of shera(DB 6855) Mechombo は muwele に小屋から出て、「夫」のところに wari と手洗いの水をもっていくよう命じる kayamba 演奏者たちも小屋の外に出る (DB 6856)
5-5. out of the hut(muhalani) song of shera(DB 6857) muhalaで「夫」の手をあらってやり、wariを食べさせる。muwele自身も食べる。 Mwainzi、muweleの「父」役を演じ、娘の作ったwariに文句を言う。「お前は私の mutsedza(義理の息子=muweleの「夫」)にひどいwariを食べさせるつもりなのか」。 (DB 6858) song of shera(DB 6859-6860) Mechombo、水に生の草を浸しただけのmbogaを差し出し、食べろという。 muwele 食べ、「夫」も食べる。 Mechombo、「嫁ぎ先についたら、すっかり変わった自分を見せなさい」 女たち「花嫁」をからかう。
5-6. 婚資の受け取り 「夫」、muweleの「父」に8/=の「婚資」を差し出す。 Mwainzi、muweleに自分は「婚資」を受け取ろうとしている。だから嫁ぎ先では しっかり仕事をしてほしい、と諭す。怠け者は嫌いだと。 私は「婚資」受け取ってもよいか?お前の夫となるのは誰なのか、この場で私に 示すようにと命じる。 muwele 頷き、同意する。 (DB 6860)
5-7. 小屋の中で Mecghombo、小屋のなかでmuweleにku-handika(bed-making)するよう命じる Anzazi、kayamba playerを室内に呼び、演奏を続けさせる song of shera(DB 6861) muwele、寝台に横たわる。「夫」もその横に横たわる。 Mechombo、muweleに妻の心得を諭す。お前は娶られたのだから、夫を敬え、 水をもってこいと言われたら、持っていけetc. つづいてAnzaziも結婚したからには、今の振る舞いは捨て去り、この お母さん(Mechomboのこと)が、「あの人の娘はとっても分別がある娘だ」と いう噂を耳にするように、と諭す。
5-8. 小屋の外で songs of shera(unrecorded) Mechombo 締めの makokoteri Anzazi 追加の makokoteri Mwainzi さらに追加の addition 最後に再び Mechombo makokoteri (DB 6864-6865)
Dec.2, 1993, Thu, kurimaphiri (from diary) 3時半に帰宅。コーヒーを飲み荷物を整理して一息ついているとMurinaたちも帰途立ち寄る。mwana wa ndongaが与えられた経緯について少々質問。Murinaたちも疲れている様子で、ココアを飲むとすぐに帰る。
【commentary on kayamba ra kuphula mizigo at Mazora】(Murina & Chari at my hut, on their way back from Mazora) (DB 7228-7230) 1.昨夜与えられたcherekoについて muwele は第一子がなかなか生まれず、mwana wa ndonga wa kuvoyere mwana(chereko)を作り、第一子が生まれたのちに、正式に与えられた。 しかしその後、与えられた mwana wa ndongaは壊れてしまった。 そして第二子Dumaeが生まれたが、病気になった。そこでcherekoを 授けなおすことになった。
2.muweleはmugangaではないのに、mwana wa ndongaは隠されて、自分で見つけるよう 言われていた。普通cherekoはただ与えられるものなのに。 Chari: Chira mutu yuna ugangawe.
3.Mechomboたちはmwana wa ndongaに鶏の心臓を入れた!Murinaが入れた。 鶏が割かれ心臓が取り出されたとき、それはまだ鼓動していた。それをぐるぐるに 縛って入れた。入れたのはMurina自身。入れろと言われたので。
4.cherekoは明け方4時に完成。Murinaが整えた。ushangaはChariが巻いた。
5.Mechomboは不機嫌だった。きっとMwainziが勝手に私たちをkayambaに招待したから。 自分の取り分(報酬)が減ると思ったのだろう。自分はお金をもらおうと思って いったわけじゃない。ただどんなやり方でやるのか見たかっただけ。