kayamba at Pere's mudzi in Shambini, 1983(data)

目次

  1. 現地で編集されたフィールドノート

    1. テキストの由来

    2. マラウ長老のためのカヤンバ

  2. 浜本による1983年の録音テープ書き起こし

  3. 注釈

現地で編集されたフィールドノート

テキストの由来

以下に再録するテキストは、他のフィールドノートの記述とは異なる、編集されたテキストになっている。その経緯を簡単に説明しておきたい。 1983年の調査は3月始めに開始し9月末までの予定であったが、健康上の問題(マラリア)もあり9月半ばの帰国となった。調査地「青い芯のトウモロコシ」村を8月31日に出て(朝一番の一本のバス1が運よく運行していることを祈りつつ、もし3時間待っても来なければ、徒歩で6時間かけて移動する覚悟で)、キナンゴに向かい、そこで一泊した後に、9月1日に助手のカタナ氏とともにモンバサに移動し、夕刻の夜行列車でいっしょにナイロビに向かう予定だった。キナンゴまでは、恐れていた通り、ケヤの白人(muzungu wa keya3)よろしくデカく重い荷物を背負っての徒歩での移動となった。9月2日にナイロビ着、YMCAサウスに2週間滞在し、調査で得た語彙集の整備、発音や綴り(私はしばしばlとr、vとphとbとgbwの聞き取りをミスっていた)の修正、ドゥルマ語の基本文法の確認の作業をカタナ氏の手を借りつつ行った。

これ自体、ケニア的にはすごくタイトな予定ではあったのだが、なんと出発を2日後に控えた28日の夕食後に、私が滞在しているPereの屋敷で急遽カヤンバを開くという知らせが入る。テープレコーダーとメモ帳だけをもって早速駆けつけ、メモをとりつつ録音したのだが、いつもの手順に従って、その後で録音したテープのドゥルマ語を文字に書き起こし(普通何日もかかる作業)、それを説明してもらいながら理解していくという一連の作業のための時間がまるでない。

という訳で、カヤンバの翌日から2日間ぶっ続けで、私とカタナ氏とカヤンバで同席していたムァエガ青年の3人で、録音されたテープを聞きながら、そこでのやり取りを逐一説明してもらい、それを書きとめる作業を行った。フィールド・ノートのメモの記述を、それらのやり取りの背景として付加しつつ、歌については何の憑依霊の歌かを書くのみにとどめ、カヤンバで起こった憑依霊と人々とのやり取りのみを書き出すという形になった。時間の制約のため解説と質疑は英語によるものになった(当時の私のまだまだ使い物にならないドゥルマ語なんかでやった日には、何日かかるかわかったものではなかったので)。 こんな感じに。 それを後日、日本語に訳しつつ、私の当日のフィールド・ノートの記述と統合して作成したテキストが、その後、公刊した論文で使用した元資料となった。以下に紹介するテキストは、今回のウェブ化に際して訳文に若干の修正をくわえたもの(用語の置き換え、呪医→施術師etc.)である。フォントが緑色の部分が、当日私が手帳にメモ書きしたもの。通常の黒字の部分は、テープを聞きながらカタナ君とムァエガ君が、話者が何を話しているのか解説してくれた部分である。

Kayamba for mutumia Malau

1983/08/28, 22:00~1983/08/29, 02:20 今からkayamba5を開くという連絡を受け、Bwana Muganga氏の前庭(muhala)に9 集まっているのはほぼPereの屋敷の人々だけ。どうやら内輪のkayambaで、近隣には告げまわってはいなかった模様。

Malau氏、呪医(muganga10) Nyawa(Mwamandi)に、kayambaを開く旨p'ep'oたちに唱えごと(ku-kokotera)してくれるよう依頼。

Nyawa: 承知。さて、私はあなた方に一人ずつ一人ずつやってきて、すべての方がそれぞれの必要を話してくださるよう願います。一斉に来ないでください。一人ずつ一人ずつやってきて踊り、要求を伝えてください。私が願うのは、あなた方がこの患者のもとを去り、今日にもこの患者が回復することです。病気はここに置き去りにして。聞いてください。彼を咳で苦しめている者よ、来てその要求を伝えてください。さあ、お出でください。

演奏開始 Mwarabu12

1曲の後、いったん休憩
22:20 makolousiku13で紅茶、マハムリ、肉スープがでる
このタイミングで休憩が入るとは、やはり内輪のカヤンバならでは?14

Malau氏、Nyawaにvuoを用意する(ku-vuga vuo15)よう促す。まだ用意してなかったのか。
Mwero(wa Malau)Nyawaを手伝い、mihi16を水の中で揉み始める。唱えごと聞き取れず。
Malau、彼らを急がせる。追加の水を持ってこさせ、vuo完成。
Malau、続いてすべてのp'ep'oの名前を挙げていく。vuoに手を入れてすくい上げながら、vuoに向かって「mulungu27が来るよう願います」といった風に。ただよく聞き取れない。

Malau: さあ、私は今vuoを手に入れました。だから皆さんすべて、来て踊り、要求を伝えてください。私はkayambaを打たせましょう。だから皆さんすべてMwarabuのようにやってきてください。 Mweroが「すべての霊(p'ep'o)よ、足の爪先に(kombeni)まで来たれ」と唱え、kayambaをスタートさせる。

演奏開始 Mwarabu 2曲 mwana mulungu 3曲 いずれでもMalau氏身体を前後に揺らすが、踊っているというほどでもない。

演奏突然中断。

やってきた一人の女性が人々に挨拶。 Nyawaは彼女に、なぜ"taireni33"という割り込みを 求める言葉をかけなかった(Heka kupigire taireni)のか問いただし、罰金10シリングを要求。彼女はそれに対して、言ったけれど聞こえなかったのかと返す。そしてNyawaにもう唱えごとは済ませたのかと尋ね、Nyawaは済ませたと応える。

太鼓ngoma8に切り替えるため、太鼓準備 Malauが「ちょっとkayambaは置いておいて、太鼓ngoma8でやりましょう。そして私が踊るかどうか見極めましょう」と提案。

kayambaは通常はMulunguから始まる。Mwarabuから始めるのはMalau独自の流儀であるらしい34 Nyawaは、kayamba演奏者たちに、なぜMwarabuから始めたんだと尋ねている。kayamba奏者たちはMalauがそうしろと言ったからと答え、Nyawaはちょっと驚いている。

太鼓の準備ができるまで(皮の紐を引っ張って張りを出す作業)カヤンバ。

演奏
Mulungu 4曲目
Malauが踊らないため停止。

Malau氏 Nyawaが乳香 ubani35を持ってくるのを忘れたと文句を言う。ここではubaniは入手困難。だから霊(nyama36)がこないのだと。「私のnyamaは乳香を必要とする。」

mulunguをと指示されたのに、歌い出されたのはchitsimbakazi65
すぐに演奏を止められる。

mulungu 5曲目
kutsanganya66→kubita67
停止
「ムルングはいないようだ」
人々ため息をついたり、失笑したり。

演奏
mulungu 6曲目 kubita

2分ばかりで再び中止。

太鼓の準備完了。Malauはplayerたちに、誰か mulunguの太鼓がちゃんと打てる奴はいるのかと問う。誰もいないと判明。
malauは太鼓を小屋の中に持ってこさせ、Luphandeの息子のBejaに教える。今か? なんだか段取り悪すぎ。

小屋の中で演奏再開
mulungu 7曲目(太鼓のみで歌なし)
Nyawaも演奏に参加。
Malau踊り始める。

太鼓での演奏終了。 Nyawaはp'ep'oかと問うが、Malau自身が違うよと答え、一同爆笑。Nyawaは、太鼓は役割を終えたから、カヤンバでムルングを続けようと言う。

以後再びカヤンバ。

mulungu 8曲目
mulungu 9曲目
mulungu 10曲目

Malau 相変わらず踊らない。演奏者の中には外に出る者も。室内は暑くてたまらないと不平を言い合う。

私、Mulunguの曲ばかり演奏されるが、なぜかと聞く。Malauはmulunguで憑依(golomokpwa68)するはずだからという。mulunguは彼のメインのnyamaなのだそうだ。mulunguでMalauが一向に踊らないので、もう一度Mwarabuに戻ることになる。

mwarabu 1曲 musambala70 2曲連続

Nyawa: 他のp'ep'oが踊るのを妨げているp'ep'oがいます。だからまずそのp'ep'oの曲を最初に打つべきです。muduruma71 と mukamba126

mudurumaの演奏始まるが、Jawa Mwero氏、人々に外で打つように言う。
人々小屋の外の前庭に移動。カヤンバ演奏開始。

muduruma 3曲連続(kayambaで)

mukamba (カヤンバで開始するが、すぐ停止。ngoma8で打つようにと)

太鼓(ngoma)の打ち手の交代。大きなmbumbumbu8をNyawaが、chapuo8をBwana Muganga9が担当することになる。

mukamba (ngomaで)再開

ついにMalau踊りだす。

Nyawa: (人々に)Malauの邪魔をしているのはカンバ人(mukamba 霊の名前)だ。(Malauに)あなたはmukambaなのですか?Malauさんはもうずいぶん長い間患っている。もしあなたがmukambaなら、そう言ってください。もしあなたがmukambaなら、あなたが私たちにしてもらいたいことは何か教えてください。あなたが望むことをわたしたちはいたします。

Malau: (かなり聞き取りにくいのだが、Mwaega君の翌日の説明によると概ね次のような発言) mukambaはここにいる。でも私はとくにしてほしいことはない。でもここにはもっと深刻な奴らがいる。奴らは自分たちの欲しい物がある。ケヤの白人(muzungu wa keya3)。それにDena101が新しい服を要求している。スボンとジャケット。

Bwana MugangaはNyawaに、「自分たちは以前Malauに対して手拍子で伴奏したことがあり、そのときMalauは白人(Muzungu)で踊った」と話す。「Malauが踊るのを邪魔しているのは何だろう、私にはわからない。」

Malau小屋に戻って、灰色ズボンとワイシャツに着替え、豹の皮の帯を巻いたフェルトのつば広帽を被って現れる。Muzungu(白人)4である。

 

演奏再開
muzungu wa mumiani128 2曲演奏

(浜本注(August 30, 1983): Mumianiの途中でテープが終了していたのに気づかず、それに気づいて新しいテープに交換したときには muzungu wa keya の演奏は終了、さらにその直後の大騒ぎも未録音。録音は、以下の Du!Du!Du!の直前から。翌日、Katana氏、Mwaega君とでテープをレビューした際に、欠落した部分は記憶でフィールドノートの記述を補った。)

演奏
muzungu wa keya 1曲(Funga safari)
最初は手拍子で、次いでkayambaで

(Mwaega君による、ケヤの歌詞) Funga safari, funga safari Safari, Funga safari Shauli ya bwana, Shauli ya bwana Shauli ya Keya3 (訳) 旅の支度をしろ、旅の支度をしろ 旅、旅の支度をしろ ご主人の勝手、ご主人の勝手 ケヤの勝手

Malau 完全にgolomokpwaし、分けの分からない言葉(英語風)で喚き始める。
Nyawaは演奏を止めるよう指示する。
Malauは、なにか怒っているような感じで喚きまくる。唯一聞き取れた英語の単語は"why!?"となぜか"20shilling!!"
muganga Nyawa氏との「対話」が始まる。

Malauは、相変わらず理解不能な英語風の言葉を喋り続ける。それに対してNyawa氏は Yes! Yes!"の返答を繰り返す。珍妙な対話、そしてMalauにスワヒリ語でしゃべってくれるようお願いする。

(以下のやり取りが私とMwaega君の記憶で再構成した部分) Nyawa: あなたの言葉は実に難しい。私たちがわかるようにどうかスワヒリ語で話してください。あなたはmuzungu wa keyaですか。何が欲しいのですか。

Malau: (スワヒリ語に切り替え)私はmuzungu wa keyaだ。muzungu wa keyaだ。私は袋がほしい。背中に背負う袋(mufuko wa mgongoni)と鉄砲。ちゃんと聞いているか?

Nyawa: 聞いていますとも。

Malau: 袋を手に入れたなら、そこには鉄砲も必要だ。袋の中にはすべてがそろってなければならない。鉄砲は本物じゃなくてもよい。木で作ったものでよい。背中に背負う袋を手に入れたら、盛大なkayambaを開かなければならない。そのとき人々はKeyaの兵隊のように振る舞わねばならない。Du!Du!Du! (以上のやりとりが私とMwaega君の記憶で再構成した部分)

Malau: ジャガイモ129、そしてカーキ色の大きな袋。それは私の背中にいつもなければならない。大きな袋は背中に、そして小さな袋を肩に。

Nyawa: わかりました。

Malau: なぜなら私の背中が痛いからだ。だから私は背中に背負う袋がいるのだ。

Bwana Muganga: 聞いたかい?彼が言うには、彼の背中が痛いので、彼は袋を必要としているんだ。白人はどこへ行くにも袋を背負っていく。ベッドさえ、そのなかにある。彼は疲れるとどこでも止まって寝ることができる。

Malau: だから、私にはkeyaの袋がいるんだ。あの大きな袋。そしてジャガイモ。

Nyawa: ジャガイモというのは、鉄砲に必要なもの。

Bwana Muganga: それらは、もし袋が手に入ったらその中に入れておけるものだ。

Musoza(Malau's son):鉄砲は本物じゃなくてもよい。木でもよい。

Malau: (叫び声) Nyawa: なるほど。さて、あなたこそが彼の息切れの主(mwenye pumzi chache)、咳の主(mwenye kukohola),そして便秘の主(mwenye kukuta)なんですね。なるほど、なるほど、OK!(English)

Bwana Muganga: もし私たちが袋とあらゆるものを手に入れたら、もしすべてを用意したら、彼が良くなるのは確かなんですね。もし私たちがそれらを買ったなら、あなたが彼を回復させてくれるのは確かなんですね。わたしたちはあなたが彼を明日にも回復させてくれるのを願います。そうして、彼が自分で行って袋を求めることができるように。本当のことを言ってください。私たちがちゃんと従えるように。

Nyawa: 本当のことを言ってください。なぜならこの者は咳のためにできない、この者は腹づまり(ndani tele)のためにできない、この者は話せないし、歩けない。私たちは、彼が少しでも良くなった(nabaha)と感じてほしいのです。回復したと。彼が自分で行くことができるように。

Bwana Muganga: 彼が身体になんの問題もないように。

Malau: 聞け!

Nyawa: はいはい。

Malau: 私はKeyaの人間だ。muzungu wa keyaだ。だから私の物を必要としているのは私なのだ。しかし、aganga a ngai(ngaiの呪医たち)127がいる。

Nyawa: 呪医たち(aganga)がいる?

Malau: 私はmutu wa keya(keyaの人)だ。

Nyawa: ngai一族の呪医agangaたち?

Malau: 聞け。あいつらが厄介事をもっている奴らだ。もしお前が袋を、あいつらがいちばん欲しがっている大きな袋を手に入れたら、もしこの者が袋を背中に背負えば...

Nyawa: この者は快方に向かう。

Malau: この者がすべての物が入った大きい袋を背負えば。私こそがそれを必要としている者だ。

Nyawa: あなたは病気の本当の所有者(mwenye ukongo)ですか。私たちがあなたの欲する通りのものを買えば彼を回復させてくれる本物の霊(mfalme 「王様」)なのですか。話して下さい、咳を引き起こし腹をつまらせている本物の霊は誰ですか?もし私たちがあなたの袋を買い、彼がそのままであるのなら、あなたは本当の霊ではないということになります。友よ、あなたはそいつのことを良く御存知だ。もしあなた一人の仕業なら「私一人だ」と言って下さい。そうすれば重要な言葉を続けることができます。もしあなたが袋が原因でこれらすべてをひきおこし、咳をひきおこし、腹づまりをひきおこしている者であるなら、「私一人だ」と言って下さい。私はあなたに重要な言葉を与えるでしょう。

Malau: ケヤの男(mutu wa keya)のための物がある。mutu wa keyaのタバコだ。

Bwana Muganga:(自分のタバコを示して)これで充分か彼に聞いてくれ。彼に見せろ。もしこれでいいなら予備がある。Embassy(タバコの銘柄)だ。それとも Sportsman(タバコの銘柄)がいいのか。火が見つかれば、彼はいますぐ味わうことができる。どんな感じがするか。彼に味わわせよう。うちには2箱ある。お前は2箱手に入れることができる。(Embassyは私がJawa氏にモンバサ土産として1カートン贈ったもの)

Nyawa:(タバコを示しながら)Embassy, Embassy, Embassy!

Bwana Muganga: 火があれば彼に味わわせてみろ。これでいいかどうか。その香りはSportsmanと同じだ。このタバコは白人のためのものだ。

Nyawa: 白人は重い荷物を遠くまで運んで行きたがります。彼らはそれを降ろすことができません。それは彼らの背中にあります。この荷物のせいで彼は痛みを感じるのですが、彼は袋を降ろそうとしません。ほら!第1級のタバコ(sigara namba wan)です。白人たちが吸ってまた旅を続けるのはこの種類のタバコです。それともSportsmanが良いのですか?

Bwana Muganga: それについてもっと尋ねてくれ。

Nyawa: もしあなたがSportsmanを好む者で、あなたが一人であるなら、一言で言って下さい。もしあなたがあなたの袋が欲しいのなら、あなたは行って手に入れることができます。そうすれば私たちはあなたこそが、たしかに彼を苦しめているp'ep'o(憑依霊)だと確認できます。私はあなたにこれ以上、言うことは何もありません。あなたは今こそ私たちに「それは私だ」と言ってください。

Malau:(理解不能の英語風の叫びをたてはじめる。)

Nyawa:(笑い出しながら)Why?

Malau:(理解不能の英語風言葉で語り続ける。)

Nyawa: あなたがそんな風に叫ぶのは、あなたの勝手です。私は答えを待っています。私はあなたが何年間、村で眠らずブッシュで眠る日々を送ってきたのか知りません。あなたがもし彼を攻撃した者であるのなら説明して下さい。そんな風に英語で話さないで下さい。私がこうして笑っているのは楽しいからではありません。怒っているのです。(N氏も周囲の人々も大笑いしている。)

Malau: 聞いているか。私はmutu wa keyaだ。

Nyawa: それで?ゆっくり説明して下さい。

Malau: 私はブッシュからブッシュと泊り歩いている。

Nyawa: あなたはいつもブッシュですごしている。なぜならあなたは戦いの人だからだ。Yah, yah....Hah.

Bwana Muganga: 白人は基地(boma130)がないと一カ所にはとどまっていない。でも彼らには基地がある。旅していても結局は自分の基地に帰ってくるものだ。さあゆっくり続けてくれ。

Malau: 聞いているか。もしお前たちが約束を忘れなければ、私は遠くまで旅を続けることができ、そこに留まることができる。この病気はよくなると思う。

Bwana Muganga: そうだ。私たちも同じ事を言っている。

Malau: 私を邪魔する者がまだ出てこない。ここは動物(nyama、あるいは他の憑依霊のことか)だらけだ。(以下、はっきり聞き取れない。)しかしすべての約束は急いで果たされねばならない。鉄砲も手に入れなければならない。

Nyawa: そういうことです!彼は良くなるでしょう。

Malau: Eeh.

Nyawa: もし彼に袋と鉄砲を手に入れさせれば、すべてはうまくいきます。

Malau: さあ、急げ。

Bwana Muganga: 木をどんな鉄砲の型に削ればいいのか。どんな種類の鉄砲ならよいのか。よい例がほしい。鉄砲のような形に削った木の鉄砲でいいのか。

Musoza: 白人が歩いたり、歌を歌ったりするときそれを肩にかついでいる。形が鉄砲に似てればよい。

Malau: お前たち、もしそれを作るのなら黒檀(muphingo)の黒い芯の部分を使えば良い。

Bwana Muganga: 私はChiphingoに滞在中に、黒檀で鉄砲の形を作ったことがある。

Nyawa: これについては問題はありません。あなたが話されたすべてを私たちは理解しています。でも、私たちがこんな風にあなたを厚遇しているのは、あなたに立ち去っていただきたいからです。この患者が幸せに感じるように。

Bwana Muganga: それこそがまさに本当の問題だ。

Nyawa: あなたがp'ep'oなら、彼は回復します。あなたは人々があなたの品物を探し求めるよう欲しています。今こそ話してください。それが病気の問題なら、そうおっしゃってください。なぜなら、私は知らなかったからです。おっしゃってください。「私は私の袋と鉄砲を必要としていた。お前たちが私に気づいた今、私は病気を取り除こう。もしお前たちが約束を守らないなら、私は彼をもう一度捕らえ、二度と彼から離れないだろう」と。あなたがそう言ってくださるなら、私は、私たちを驚かせていたこの病気を取り除くために、それらの品物を探しに参りましょう。明日、あるいは明後日以降に...

Malau: Goor!(叫び声)

Nyawa: もしあなたが彼を回復させてくれるなら、私は行って鉄砲を作り、行って袋を手に入れます。もしあなたが明後日になってこの病気を再び出現させるなら、私たちはどのp'ep'oが本当に彼を苦しめていたのかわからなくなります。ですから、誰が彼を苦しめていたのか私たちにわからせてください。

Malau: (理解不能な英語風語り)

Nyawa: スワヒリ語でしゃべってください。これはとてもむずかしい。

Bwana Muganga: 私たちにスワヒリ語で説明してくれ。

Malau: 同じく彼を苦しめているp'ep'oが一人いる。スディアニ導師(Mwalimu Sudiani)だ。しかし、このまま続けよう。

Bwana Muganga: 私たちは白人たちがしゃべることを聞いてきました。でも、いったいあなた方、何人いるのですか。彼を苦しめているのは。

Malau: カンバ人(mukamba)だ。

Nyawa: カンバ人は何を欲しがっているのですか。

Malau: 奴らはuganga(治療術)を求めているだけだ。(注:患者自身が自分たちの病気の mugangaになることが、憑依霊カンバ人の要求だという意味)それと彼ら用の椅子。それがないと言っている。他にも自分たちのチケット(tikiti)(注:叶えられるべき要求のこと)を欲しがっている奴らがいる。でも、私自身が欲しいのは大きな袋だ。袋を最初にしたほうがいい。鉄砲は後でも良い。

Bwana Muganga: そうすれば病気はない?

Malau: 病気...もし神が望めば、我々は袋が手に入るだろう。 Nyawa: 特定の日時を決めてください。p'ep'oの人数が多いようなので、しかじかの日に、しかじかのp'ep'oのための品々を買う、その日時を。あなたはわたしたちのために特定の日を決めてください。患者の容態がどんな具合か、彼の健康はどうかを私たちが確かめられるように。その日を覚えておいて、その日にあなたが袋を手に入れるために彼を回復させてくれるだろうと。

Bwana Muganga: キナンゴで手に入るというのなら、あなたは自分で行ってそれを見ることができるでしょう。

Nyawa: 彼が自分で袋を買いに行けるように、特定の日を決めてください。

Bwana Muganga: もし袋を手に入れたいなら、その日に彼を回復させて欲しい。食事を食べれば、満足し、腹がつまることもない。そして二度と腹が詰まることがないように。もしあなたがこんな風にするなら、あなたにも道がひらけます。私たちは、あなたこそが彼を苦しめている本当の王様(mfalme、憑依霊を指す)だと納得するでしょう。

Malau: もしそうするのなら、木の台(uringo)を作り、彼が食事をするなら、それにお椀(chibakuli)を置き、揚げパン(mahamuri)3つがそこにあるように。(叫び声、それに続く部分はよく聞き取れない。mutu wa keyaの旅について言及)

Bwana Muganga: お椀はどんなお椀でもいいのか?古いの(木をくり抜いて作る伝統的なお椀muvure)でも新しい(プラスティックの)のでも?古いのなら家で作ることができますが。

Malau: 新しいもの!

Nyawa: 中に揚げパンを入れるんですね。kayambaは開くのでしょうか?

Malau: お前たちはそこに私を呼ばなければならない!(大きな怒った声で)

Nyawa: 結構、結構。

Malau: (理解不能な英語風の語り) keyaの白人はテーブル(meza)で食べる...

Nyawa: おお、我が友よ。

Malau: (木の台は)明日作らねばならない。

Bwana Muganga: お椀はこの近辺でも見つけられるでしょう。揚げパンも。結構です。明日作ることができます。

Malau: お椀はちょっと遠くだ。キナンゴ。それはプラスティック製(lailoni)だ。

Nyawa: それはどんな色の物でしょうか?プラスティック。

Malau: そいつの色は....(聞き取れない)

Bwana Muganga: プラスティック、プラスチック、色は chibitsi?

Malau: それそれ。小さいのを一つ。手に入れたら木の台のうえに置いておく。

Bwana Muganga: カリンボ(私)!似た色のchibakuliもっていたね。余分はある?

私: ありません。それにあれは水浴び用です。何色ですか?

Bwana Muganga: いやその話はおしまい。(Malauに)そして揚げパン?

Malau: 3つ。もし祖霊(k'oma)が良きものなら(万事順調なら)、その台の上には食事を置いておける。(よく聞き取れない部分)もし所有者が空中に登るなら、聞いているか?当時は機械が、仮に到着が遅れたとしても...(飛行機の話をしているのか?)

Bwana Muganga: ちょっと説明してくれ。袋はキナンゴで手に入るのかどうか。同じものが...

Malau: ない。

Bwana Muganga: だめ?モンバサでは手に入るのか?あるいはマリアカーニでは?

Malau: モンバサで手に入れることができる。

Bwana Muganga: この友人(私)は余分の袋を持っていないだろうか。使っていない。

Mwaega&私: ないです。

Mwaega: どんな色の?

Bwana Muganga: Mandalaが持っているようなどちらかというと緑色(chibitsi)の。いや、Mandalaのじゃなかった。あれは赤だ。それじゃない。Mweroが持っているやつ。Mandalaのじゃない。政府のテントの色。彼は歩くときに背中に背負う大きな袋を欲しがっている。

Nyawa: そのとおり。なにもかも良好です(mambo madzo)。私たちが袋を見つけ次第、彼が軽快してくれることを望みます(hunahenza apate baha)。あなたがすべてのあなたの品物を手に入れたら、彼が回復するとするなら。彼が話そうとするとあなたは彼の肋骨をつかみ、咳がよくできず息すらできなくします。彼の腹はいつも詰まっていて食物を摂ることもできません。さて、あなたは多くの言葉を話しました。私たちは同意しようと思います。しかし...

Bwana Muganga: あなた方二人は互いに理解しあった。特定の日を定めよう。仮に明日だったとしても。

Nyawa: それは無理だ。お椀だって見つけられないでしょう。

Bwana Muganga: そうそう。それを見つける必要がある。それに袋も。あの袋...

Malau: 袋だ。私は袋はお椀といっしょに見つけることができると思う。袋こそ私がいちばん欲しいと思っているものだ。

Nyawa: Eeh

Malau: 袋を手に入れたら、私は他の言葉(約束)が欲しい。

Nyawa: あなたは言葉を手に入れるでしょう。

Malau: さあ、彼は言葉(約束)をかなえるための、健康(nguvu=力)を手に入れるだろう。実際、たくさんの言葉がある。しかし...

Bwana Muganga: 袋はマリアカーニで手に入るよ。

Malau: 私はまったく歩くことも出来ない。

Nyawa: 見つけられるかどうかの問題です。私たちには確信はありません。

Malau: 聞け。いま...

Nyawa: 袋は私たちが見つけてきます。私たちが見つけます。ただ私たちはそれがどこにあるか知らない。もしキナンゴになければ、マリアカーニに行きます。マリアカーニにもなければ、モンバサまで行きます。というわけで、あなたが袋を手に入れる日を決めることはできません。でも私たちは袋を探しに行くつもりです。

Bwana Muganga: お椀の方も、私は明日にでも探しに行くつもりだ。明日にでも。

Nyawa: お椀が手に入るかどうか私は知りません。お椀を最初に見つけましょうか、それとも袋を手に入れた後で?お椀は袋といっしょにやって来るでしょうか?

Malau: 私は袋がほしい。keyaの袋は、きっちりすべてのものといっしょに来なければならない。そして人々は歌を歌う。歌を。

Nyawa: お椀がここにあるときに?それなら何もかも申し分ありません。

Malau: けっこう、けっこう。

Nyawa: けっこう。

Malau: 私たちは人々を歓迎するだろう。 Nyawa: 私たちが行って見つけるまでは、特定の日時を決めることはできません。私はあなたには嘘をつけません、我が友よ。でも、それらの品物を行って見つけたいので、彼に強さを与えてください。心ゆくまで食事を食べられるように。そしてよい息を彼に与えてください。

Malau: Goor!(大きな唸り声)

Nyawa: あなた方はお互いに相棒を理解しあいました。あなたが袋と椀を欲していることがわかりました。あなたはそれらすべてによって、なにもかもうまく行きます。それらすべてを、私たちは行って見つけてきます。しかし彼にチャンスを与えて下さい。というのは彼は今驚いているからです。彼を解放してください。咳はなし。腹が膨満する(便秘する)こともなし。そうすれば彼は知るでしょう。「ああ、私の友が私をほどいてくれた。だから急いで約束をはたそう。」彼は嘘はつきません。友よ、この争いは随分昔に始まった。もうやめましょう。

Bwana Muganga: 彼が自分で行って必要なものを探せるように彼に力を与えてください。

Malau: Goor!(理解不可能な英語風の怒鳴り声)

Nyawa: あなた自身が行って探す。もし誰かを遣わしたりしたら、そいつはあなたが一番欲しいものとは違う何かを持ってくるかも知れません。でも、もしあなた自身が行けば、あなたは知っている。あなたは何であれあなたが欲しい袋を見つけて買うことになるでしょう。

Bwana Muganga: 彼に言ってくれ。明日までに彼に自分で歩く力を与えて、彼自身で明日、バスに乗って行けるようにと。

Nyawa: 明日、あなた自身で行ってくれますか、我が友よ。なぜならそれこそ、彼を本当に治すということなのです。

Malau: (まだ理解不能な言葉を喋り続けている)

Nyawa: 行ってくれますね?

Malau: (理解不能な言葉)

Nyawa: 彼の使う言葉のあるものはとっても難しい。私ですら理解できない。

Bwana Muganga: 彼は拒絶しているのだろう。

Nyawa: 明日は無理ですか?明後日ならどうでしょう。行けますか。キナンゴまで行ってそこでダメならマリアカーニ、そこでも見つけられなかったらモンバサ。あなたが袋を手に入れるまで。おわかりでしょう。子供たちがこの袋を買ったり出来ますか。

Bwana Muganga: 彼は知らないんだ。子供たちは別の物を買ってしまう。そしてそれを彼のところにもってくる。そしてもしそれが彼が望んでいたものじゃなければ!彼自身が行ったほうがよい。

Nyawa: では、明後日ならどうでしょう。彼の状態がより良くなっていたら、行って彼の袋を見つけ、ついにそれを手に入れる。明後日です。

Bwana Muganga: お前がでかけている間に、木の台をちゃんと用意して、きちんと設置しておくよ。これなら子供たちをつかまえて、場所を教えることができる。木の台はどこに設置してほしいのですか。この小屋の後ろですか、それともあちらの小屋ですか。

Nyawa: 私たちの合意はそんなふうでありたいものです。

Bwana Muganga: 思うに、彼は特別な日を探しているのかも知れない。彼に余裕ができるそんな特別な日を。(空を見て)ああ、月が上ってきた。今夜は月がとても遅い。

One Kayamba player: 午前1時だ。もうすぐ夜明けだ。

Malau: Goor!聞け。神(mulungu)に祈ろうではないか。明日、明後日、あるいは明明後日。 もし神がいるなら、こいつは少しは歩く力を手に入れているだろう。力の増加。減少ではなく。そうすれば私は行く。

Bwana Muganga: 彼に聞いてくれ。もし彼がこれらの物を手に入れたなら、太鼓(ngoma)(を用いた儀礼)を開いたほうがいいのか、kayambaだけでいいのか。

Nyawa: 彼はkayambaの騒音は望まない。太鼓そのものを好んでいる。

Bwana Muganga: 彼がいない間に太鼓を探して、数をそろえて用意をととのえておくべきなのか?

Nyawa: 彼は、明日、あるいは明後日、あるいは明明後日、少し体力を得て、行くと言っている。

Bwana Muganga: それなら問題ない、問題ない。 Malau: 私はお前たちに言ったはずだ。スディアニ導師とソマリ人も問題を起こしている奴らだと。(雑音により聞き取り不能)

Nyawa: よし、若者たち、スディアニ導師を一回。皮張りの太鼓を!

Bwana Muganga: それからソマリ人を。

演奏
Mwalimu Sudiani

(Mwaega君による歌詞) Sudiani wee mulongo Sudiani wee mulongo nailailaa hakubaru we, kuna mwarabu we unasema chuo Sudiani wee mulongo

Malau 無反応 People: いないよ。 Nyawa: さあ、Dena, Dena。 Denaを打とう。

演奏
Dena4曲
Malau は再び憑依状態に(yugolomokpwa)。Nyawa演奏停止の指示。
Nyawa、Malau(Dena)とやりとり

Nyawa: 彼をこんな風に揺すっているのはDenaですか?この曲が好きな者は?歌を欲しがっているのはギリアマの長老ですか?

Malau: お前らときたら...(ギリアマ語をしゃべっているらしいが、よく聞き取れない)

Nyawa: お前らときたら?(人々に向かって)彼はあなた方が正しくできていない(Kamlenga)と言っています。

演奏再開
Dena
Malau右手で制してすぐに止めさせる。
再び対話
ズボンが欲しい?

Malau: (聞き取れない)

Nyawa: 私はこう言っているのです。彼に火をつけているのはギリアマの長老なのですか。あなたはDenaですか?Dena mukambeこそが、彼の身体を熱くしている者なのですか?

Malau: そうしている者だ。

Nyawa: いったいどうしてあなたはそんなことをしているのですか?

Malau: (よく聞き取れない)私はDenaのためのズボンが欲しいのだ。

Nyawa: ズボンそのもの?

Malau: ずいぶんズボンを履いていない。今私は欲しい。

Nyawa: あなたはズボンそのものが欲しい。

Bwana Muganga: どんな種類のズボンか聞いてくれ。

Malau: (聞き取れない)

Nyawa: 黒いズボン。

Malau: 私が施術ugangaを受けたときに、破れてだめになってしまった。それはそこでなくなってしまった。(ギリアマ語?を喋りだす、よく聞き取れない)

Bwana Muganga:(Malauの妻に向かって)以前持っていた黒いやつは破れて終わりになっててしまったのか。

Woman: もうないわ。

Nyawa: そういうわけで熱が彼から去らないのだ。彼のズボンが破れてしまったから。

Malau: (この問題が)放置されてすごく長い時間がたった。大昔に放置されたままだ。

Bwana Muganga: 彼ひとりだけなのか、ほかに仲間がいるのか聞いてくれ。

Nyawa: さて。あなたが彼の体を熱くしている者で、もしあなたがズボンを手に入れたら彼は回復するのでしょうか、それともほかの仲間がいてまた彼の体を熱くしてしまうのでしょうか。

Malau: 私の友人はこう言われた。

Nyawa: いったいどう言われたのですか。

Malau: 彼はこんな風に言われた。そこはまるでrome(大きな焚き火を囲んで長老たちが集まる広場132)のようになってしまった。もしお前が火を消しても、他の連中が入ってきて、別の一人がまた火をつける。聞け!熱は去るだろう。でもそれはそんなにすぐにではない。でもそれは去る。

Bwana Muganga: 私はそれに立ち去って欲しい。衣服の問題は解消だ。あとは、太鼓の歌を手に入れたら、もし太鼓を打ったなら、...

Malau: そこではみんなが混ざり合っている。romeの全員が混ざり合っている。お前らに一つ教えてやろう。私は奴らを去らせるための(ために解決すべき)言葉(問題)を教えよう。それらの言葉が身体を熱くしている。それらの問題を放置すれば、私たちは満たされないだろう。聞け。ここには、我が友よ、一人の男がいるだけじゃないのだ。我が友よ。カンバ人もいる。聞け。白人muzunguまでいる。聞け。

Bwana Muganga: そいつはkeyaの白人か、それともmumianiの白人か?

Malau: mumianiだ。

Bwana Muganga: mumianiは石油缶(daba)が必要なやつだな。さて、そいつがDenaといっしょに熱を引き起こしているやつだな。

Nyawa: 全員だ。全員が混ざり合っている。

Bwana Muganga: 彼はそう言っている。

Nyawa: そこは(p'ep'oたちの)romeで、子供たちがみんなそこに行って、熱を掻き立てる。

Bwana Muganga: そこには子供たちが火で遊ぶのを止められる大人がいないんだ。

Malau: 大人ならそれを止められるだろうが、私たちが...もしお前たちが私を知らないと言うのなら…

Bwana Muganga: 今は、私はあなたのことを知っています。私たちがお話していることは...

Nyawa: 彼はズボンを必要としている。

Bwana Muganga: さて、彼に聞いてくれ。お前が子供たちを制することができる長老なのかと。もし子供たちが火を掻き立てるのなら、長老は彼らがそうするのを止めるだろう。そこで合意にいたろうじゃないか。太鼓は手に入れる(太鼓を用いた徹夜の儀礼を実施する)とも。そしてもし太鼓が手に入ったら、この熱はこの病人から立ち去る。もう二度と燃やすことはない。私たちは力いっぱい太鼓を打つだろうと。

Malau: 私がさっきから言っているように、我が友よ、この男、カンバ人が頑固者なのだ。お前たちはこいつをまず最初に取り除く方がいい。カンバ人の護符をまず用意しなさい。

Bwana Muganga: 彼にお前の約束日は明日だと伝えてくれ。そうだ、私たちは明日別の約束があった。約束日は同じ日でいいのか、それとも別の日がいいのか。どうしたらいいだろう。なぜなら、明日は私はMkanga(別のmuganga)のところへ行って、彼を呼んでこの病人の治療に当たらせる予定だった。さらに我々はmuzungu wa keyaのためのもう一つの約束もある。

Malau: お前はこのmuzungu wa keyaの品物を最初に行って手に入れろ。

Bwana Muganga: 問題ありません。というのも、私たちが別の品物を行って探すと、あなたは、私たちがそうしたことで、また病気を引き起こすのでしょう?それは困ります。だからお願いしていたのです。まず合意に達しましょうと。結構。続けてください。(Nyawaに)彼に、火を消すために、子供たちが火で遊ぶのを止めさせるよう言ってください。

Malau: 聞け。私は長老だ。だが名を知られていない長老だ。

Bwana Muganga: そうだとしてもあなたは知られることになるでしょう。

Malau: 品物が問題になりうる...(聞き取れない)

Nyawa: 私たちはあなたを騙したりはしません。もし私があなたを騙すとしたら、悪いのは私たちです。でも私たちはあなたが火を弱めるよう願っています。もしあなたが誰か子供が火で遊んでいるのをみたら、止めてほしいのです。そうしてくださったら、あなたは「おお、私は、私の仲間の長老たちに知られた存在だ」とわかるでしょう。でももしあなたが子供が火で遊んでいるのを見ても、それを止めなければ、あなたはよい長老とは思われないでしょう。あなたのような長老が子供が火を掻き立てているのを放置するなら、あなたは私たちを当惑させることになる。なぜなら私たちはこの患者を治療したいと心から願っているのです。すぐにでもこの病人が回復するのを見たいのです。

Bwana Muganga: 彼にこう言ってくれ。もしズボンが問題なのなら、私が明日モンバサに行ってそれを買うと。なぜならそれはモンバサで売っているから。彼が行ってkeyaの袋を手に入れるときに、私も行ってズボンを手に入れることができる。

Nyawa: でも私たちはあなたp'ep'oがこの病人から何かをまず取り除いてほしい。彼自身がそうした品物を自分で行って探す余力を手に入れられるように。

Malau: 我が友よ。そんな風にしゃべってはならない。後でこのMgala人とMasai人に、お前たちはお別れを述べることになっているのだから。

Bwana Muganga: 問題ない。なぜなら私はここにいるから。私がお別れを言います。でもあなたのためにkayambaを打たせてください。人数は少ないし、私の声もかすれてはいるが。

Nyawa: 結構。しかとお聞きしました。彼らにもお別れをいたしましょう。でも私は皆さんに熱を取り除いて頂きたいのです。ここには怠け者(約束を果たすことを怠る者)は一人もいません。

Bwana Muganga: 一人もいないとも。

Nyawa: 私たちは驚いています。なぜなら彼に触れるただけで、事態が芳しくないとわかるからです。でも今や、あなたは私たちに話してくれている。もしあなたが彼を回復させてくれるなら、私たちはあなたがおっしゃるとおりに、立派に従います。

Malau: 我が友よ、というのは…(聞き取れない)

Nyawa: なんの問題もありません。私たちはそれを取り除いてほしいだけ。そうすればあなたの品物を求めに行く余力が手に入ります。私たちは来て、あなたに歌を捧げることができます。そして引き続き、あなたに今度はmushipaの病気(陰嚢が肥大する病気)を治すようお願いするでしょう。もしmushipaがなおったら、私たちはひきつづいて私たちの約束を果たし続けるでしょう。

Bwana Muganga: そうとも!

Nyawa: 彼を解いてください。彼は諦めました。かれは降伏すると言っています。彼はあなたとの約束を破りません。彼をとき解いてください。彼が気持ちよく息をし、咳き込むことのないように。彼がもし食事をしても、普通に排便し、なんの問題もないように。そうすれば患者は知るでしょう。「ああ私の友は、私をとき解いてくれた。だから急いで彼との約束を果たそう」と。彼をとき解いてください。我が友よ。この争いはずっと以前に始まったものです。もう止めましょう。(演奏者たちに向かって)さあ、皆さんMasaiを打って。

合意成立?

演奏
masai3曲
mugala
mugala途中で突然Malauは再び理解不可能な英語風の言葉を喚き出す。
テーブルの注文?

Malau: (英語!) Nyawa: 私の言葉は明瞭なドゥルマ語です。私たちはこの人が病気であることに驚き途方にくれているのです。そして今、何が問題だったのかというと、彼が袋、それと鉄砲が欲しいということなのです。それでも私たちは、それを拒みませんでした。私たちは彼に回復して欲しい。彼が自分で行って袋を探せるように。彼が袋を持ってくれば、私たちはあなたp'ep'oに、もっとも力強い歌とともにそれを手渡すでしょう。でも、私たちは彼に良くなって欲しいのです。それが私たちの主目的です。なぜなら彼は驚き当惑している。咳こみと便秘と排便がうまくいかないことに。だから、もしあなたが彼を本当に捕らえているその人なら、彼をとき解いてください。彼がその袋を自分で行って見つけられるように。なぜなら彼が別の人を遣わしたとしたら、必要な正しい袋を誤ってしまうだろうからです。でも彼が自分で行けば、あなたp'ep'oも「わが友よ、彼は私に素敵な袋をくれた」とわかるでしょう。

Malau: もし神が望むならば、この病気は去るだろう。聞け。さよならを告げるとはそういうことだ。彼の咳込みは真の病気だ。

Nyawa: ほんとうに!彼の呼吸はとても短い。

Malau: 彼の呼吸はどこかちょびちょびだ。ほんとうに。彼の呼吸はわずかだ。

Nyawa: 彼の腸は詰まっていて、十分に排便できない。そして熱の病も立ち去らない。彼の身体は痺れている。夜にもなると、彼は自分の身体を包むシーツを掴むことさえできない。さて、我が友よ、これこそあなたの仕事です。だから彼をとき解いてください。彼に余力ができて、バスに乗り、町に行って自分自身で袋を手に入れるように。そしてもしお椀と石油缶が手に入るようなら、すべて受け取ってください。その後、あなたはこれらの品物といっしょに歌も与えられるでしょう。我が友よ、彼をとき解いて、あなたの仕事をしてください。私はあなたが頑張り屋であることをよく知っています。

Bwana Muganga: somali人も。彼に言ってくれ。もし彼が行って市場でナイフを見つけたら、それも手に入れると。なぜならナイフはsomali人がつねづね欲しがっていたものだから。私たちはあなたp'ep'oを煩わせようという訳ではありません。あなたがたが必要だという品物を全部、手に入れるでしょう。あらゆる約束を果たすでしょう。なぜならナイフはsomali人が要求している問題です。somali人もしばしば彼を咳き込ませ、身体全身が痛むようにする張本人なのです。

Nyawa: somali人。でも争いはもっぱら袋がもとでおこっています。袋だけが問題です。鉄砲は、しばらく待つことができます。でも袋は不可欠です。

Bwana Muganga: 鉄砲は、本人が元気になれば、その後でゆっくりと彫ればよい。

Nyawa: よろしい。私たちは彼の健康を求めています。よろしい。彼が自分で歩いて、必要なすべての品物を自分の手で手に入れるまでに。誰か他人を遣って、あなたが好まない別の袋を持ってきてしまいお金を無駄にすることがないように。もし彼が自分で行けば、彼はあなたが気に入る袋を見つけるでしょう。あなたは、あなたがモンバサから持ち帰った、あなたの品々とともにとっても心地よい歌を与えられるでしょう。でもまず彼に良い息をさせてください、彼の腸を快調にしてください。彼が満腹するまで食べ、力を得られるように。食べ物を食べないドゥルマ人がいるでしょうか?彼はどこから力を得ると言うのでしょう?彼をとき解いてください。彼をとき解いてください、我が友よ、彼をとき解いてください。

Bwana Muganga: 他に呪文を唱えてもらいたがっているp'ep'oはいるかな?

Nyawa: いやいや。もうおしまいです。他には誰もいません。さようなら、我が友よ。袋もSportsmanも手に入ります。

Malau: 私は明日までにsportsmanを手に入れよう。

Nyawa: 彼をとき解いてください。彼をとき解いてください、我が友よ。あなたがこうしたすべてを彼にしてあげたら、彼も気づくでしょう。「ああ、私の友が私に仕えてくれている」と。でも今は彼は驚き当惑しています。何を尋ねてよいかもわかりません。 Bwana Muganga: 例の木の台だけど、特定の場所に設置すべきだろうか。それともそこに何かを置く際に、置くために人が立ち上がらなければならない位に高いほうがいいだろうか。

Malau: 私は高い木の台がほしい。私がよじ登れるくらいの。ちょうど人の背の高さくらいの。それよりもちょっと高いくらいの。

Bwana Muganga: 木の台は、人の背よりもちょっと高いくらいの木の台。問題ない。

Nyawa: そいつはよじ登りたがっている。

白人との合意成立?
Nyawa 今度こそ締めくくりのスピーチ

(Malauに向かってスワヒリ語であらたまった口調で)ありがとうAsante sana.我が友よ。私はあなたが彼をとき解き、子供たちを制止してくれることを望みます。おわかりですか?

Malau: 私にはわからない。なぜなら神のみぞ知る。でも私はあなたに他のことについては語りません。でも...(聞き取れない)

Nyawa: 私たちは袋についてはもう十分お聞きしました。私は彼が力を得て、自分で行って袋を探して欲しいのです。それを無事手に入れて、お椀も無事に手にいれる。その後、良い歌を彼に与えるでしょう。石油缶さえ、もし手に入ればここにもってこれます。準備万端すべてがここにあるように。あなた方p'ep'oが、私たちが約束を無視するような者だと思ったりしないように。そして私たちも、あなた方が約束を破るような方ではないとわかるように。この諍いははるか昔にはじまりました。そして、もしそれがあなたであるのなら、私たちはそのことを知らなかったのです。でも今、私たちはあなたこそがその者だとわかりました。もし彼が回復すれば、彼はあなたとの約束を果たすでしょう。彼はもう疲れているのです。だから彼をとき解いてください。なぜなら彼は降参しています。だから彼をとき解いてください。彼の腸が軽くなり、息が良くなり、彼の咳込みが立ち去るように。健康になり、力をつけ、自分であなた方の欲している品々を見つけてこれるように。さて次に、あなたDenaよ。そのときには他のすべてのp'ep'oも、心ゆくまで踊るでしょう。彼をとき解いてください。彼に火を見せないでください。彼に多くの不思議な症状を示さないでください。あなたが彼を正しく導いてくださるなら、彼はあなたの品々を探すでしょう。彼は怠け者ではありません。彼はただ驚いているのです。これでおしまいです。 (the english original) Nyawa:

We have heard very much about bag. We want him to get strength so that he may go and search for a bag, to get it well, and chibakuli to be got well, then we will give him a good song. Even that oil can if it is obtained, it can be brought here, so that everything is here to be ready. So that you p'ep'o don't see that we are ignorant and we see that you are not ignorant. This quarrel started long time ago. and if it is you, we never knew that you are the one. But for now, we have realized you are the one. If he recovers, he will fulfill your promises. Because he is tired. So untie him. Because he has surrendered. So untie him so that his bowel can be reduced and also breath comes to be good, coughing going away to be healthy, to get strength of searching the things which you want. You p'ep'o of dena! At that time, every p'ep'o will dance until they are satisfied with dancing. Untie him well, don't show him the fire. Don't show him many miracles. Don't show him many miracles. As you directed him in that way nicely and he will search for your things, because he is not lazy. He is only surprised. Now things are finished.

Bwana Muganga締めくくりのスピーチ Bwana Muganga: 私は今日このkayambaを、p'ep'oたちからこうした情報を手に入れるために開催いたしました。これで終わりにいたします。 (1983/08/29 02:20PM 終了)

new transcription by M.Hamamoto

(The following is a record of a Kayamba session lasting over four hours. However, casual conversations during breaks were not recorded, and the transcribed conversations mainly consist of interactions between the possessing spirits and the practitioners. Conversations regarding the procedure and other details are merely described and not transcribed.)

[<tape1a 0:0.0>] Nyawa(muganga, from Mwamandi village, classificatory son of Malau):

Sawa. Haa bahi mwenyezi mulungu na mwana p'ep'o na mubarawa, ninamwambiriza. Swino namupha razi yauyire phano. Sambi hunahenza kudza mwenga mwenga, mrio na shida kudza sema, ndo huhenzavyo. Ndo huhenzavyo sino. Mutsidze phamwenga. Kudza mwenga mwenga, na kuvina, na kusema. Na nyo ukongo be kuricha vivi rero, ndzo uriche phapho, namupha razi vivi. Haa musikireni vivyo. Haini.

<tape1a 0:31.0> <tape1a 0:32.0> Mwero wa Malau(the eldest son of Malau):

Hunahenza mudze na kudza sema yiyatu shida ya ukongo, kusema chividzo. Na kufanyirwa, akale yundauka. Ye mwenye shida ye ndiye ndzo aloke phapha, aloke, naye mwenye kukohola ye, aloke. Aloke phapha.

<tape1a 0:40.0>

(idle conversations among those present)

<tape1a 1:06.0> Malau wa Mwero(muwele):

...taireni ee taireni.. Kayamba players(young members of P...'s homestead): Eeh.

The song starts. <tape1a 1:08.0> (song of Mwarabu01 kusuka) (The lyrics are similar as in performances in other regions (around Kinango), but the melody is different.)

(solo) Yoyo taireni yaa mafundi, taireni yaa aganga taireni, Yoyo taireni yaa mafundi, taireni yaa aganga taireni, navoya k'oma mulungu mwema, yaa aganga taireni Yoyo taireni yaa mafundi, taireni yaa aganga taireni, (chorus) same as above <tape1a 2:23:0>

The song stops. a guest(from the neighborhood) arrives, and greetings.

Man(One of kayamba player):

Haa twendeni ile nyimbo. <tape1a 2:52.0> The song resumed, but is stopped by Malau(by raizing his right hand). <tape1a 3:11.0>

<tape1a 3:18.0> tea is served with mahamuri and boiled meat [late supper]

The people present indulge in idle conversations. (One of kayamba player handed me a kayamba("ni rako hiri."), but Mwaega tells him that I already tried, but couldn't play correctly. (recording paused for a while))

<tape1a 7:27.0> 22:40 kuvuga vuo by Mwero wa Malau & Nyawa While the people present continue their trivial conversations, Malau spells in a voice so quiet it was almost inaudible.

Malau wa Mwero:

...chidzako...nahenza kalumeng'ala...karibu osi...chitsimbakazi cha mbinguni, mwenye p'ep'o marera, ...hunahenza...munapigirwa...kusema yo shida...nasikire ariphokala na p'ep'o.....(noises of moving kayamba)...muvugule...hangaika...kama osini...

<tape1a 9:55.0> Malau wa Mwero: (in a quiet voice)

Vino sambi hudzipata vuo. Hunahenza chila mumwenga adze na kuvina na kusema shidaye. Sambi makayamba naapige, na chila nyama naadze, kama Mwarabu.

<tape1a 10:01.0> Mwero wa Malau:

Hunahenza mumwenga mumwenga mpaka lukombeni. Vino paka chitsembe.

<tape1a 10:09.0> kayamba restarts (Mwarabu01 kusuka, later rythm changes to kutsanganya)

(without a break, Mwarabu02 follows) <tape1a 14:29.0> (Mwarabu02 kutsanganya) (solo) p'ep'o mwarabu naombea mungu ee chuo cha mutume kalani we naomba mungu mwarabu cha mutume p'ep'o mwarabu anaombea mungu he chuo cha mutume (chorus) p'ep'o mwarabu naombea mungu chuo cha mutume muwele naombea mungu we chuo cha mutume we mayo nihendedze we naombeya mungu chuo cha mutume

(without a break, the third song) <tape1a 17:06.0> (Mwarabu03 kutsanganya) (solo) Yoyo p'ep'o mwarabu shonerwa pingu ya maulana haa lola mwarabu shonerwa pingu ya maulana (Chorus) Haa lola we mwarabu shonerwa pingu maulana (repeat several times)

<tape1a 18:03.0>

(After the song of Mwarabu03, the song of the mwanamulungu01 starts immediately without any discussion.) (Mwanamulungu01 kusuka) <tape1a 18:04.0> (solo repeats several times) Ziyani mwanamulungu wee ziyani mayo oo nambwa ni mayo pore wee ukavyoge ziyangbwa ra uganga wee Howee mwanamulungu wee ziyani mayo nambwa ni mayo pore wee ukavyoge ziya ra uganga wee (chorus repeats several times) Howee mwanamulungu wee ziyani mayoo nambwa ni mayo pore wee ukavyoge ziya ra uganga wee (solo) haini(...inaudible two words) mvula mbomu ya vuri yagbwa yichinimala mwiri wee ziyani mwanamulungu wee

(without a break, the second song) <tape1a 21:25.0> (Mwanamulungu02 kusuka) (solo) twendee twendee ziya ra mwanamulungu twende wee haraka twende ziya ra mwanamulungu twende wee ziyani naihiwa tsaka kulu kpwani ziyangbwa ra kakamwe ziyangbwa karivyogbwa rivyogbwa ni aganga twende twende ziya ra mwanamulungu twende wee ziyani (chorus the same as above) (repeat many times)

(without a break, the third song) <tape1a 22:56.0> (Mwanamulungu03 kutsanganya) (solo) tsole na tsole nambwa nambwa dzihendadze munyet'era ziya naidima tsole nambwa ni bahi mukangaga munyet'era ziya ee (chorus) tsole na tsole nambwa dzihendadze munyet'era ziya rero nambwa ni bahi mukangaga munyet'era ziya ee (solo) tsole na tsole nambwa nambwa dzihendadze munyet'era ziya ee tsole na tsole nambwa ni bahi mukangaga munyet'era ziya (chorus) tsole na tsole nambwa nambwa dzihendadze munyet'era ziya ee rero nambwa ni bahi mukangaga munyet'era ziya

<tape1a 27.01.0> interruption by a female guest from the neighborhood. I didn't transcribe their greetings and following conversations.

Up to this point, despite their best efforts, Malau had not danced at all. The kayamba players questioned muganga Nyawa whether he had properly chanted. Nyawa replied that he had already chanted. Marau suggested that they try playing drums instead of kayambas, saying they would see if he would dance to that.

Nyawa also asks the kayamba players why they started with a song of Mwarabu instead of a song of mulungu as usual. They replied that they had followed Malau's instructions, which surprised Nyawa somewhat. According to them Malau always likes this way.

Malau's sons start tuning drums, which takes some time. Nyawa decided to continue makayamba until the drums are ready.

<tape1a 29:57.0> (Mwanamulungu04 kutsanganya) lyrics not clearly audible, but could be a variation of famous "dunda mwanamulungu"song. (solo) Yoyo dunda mwanamulungu we u nani mwanamulungu haa howa muganga wangu we Mayo mwanmulungu haa howa muganga wangu we Nauza mwanamulungu ha howa muganga wangu we (chorus) Dunda mwanamulungu we mayo mwanamulungu haa howa muganga wangu we nauza mwanamulungu ha howa muganga wangu we

<tape1a 31:28.0> (The music is aborted because Mr.Malau shows no sign of dancing.)

Malau blames Nyawa for forgetting to bring ubani(frankincense). He says that's why his possessing spirits haven't come. He says his spirits want ubani. Nyawa orders players to continue the song of mwanamulungu.

<tape1a 32.27.0> Kayamba ngui(soloist) starts singing a wrong song(a song of chitsimbakazi). They immediately stops the song. <tape1a 32:49.0>

<tape1a 32:51.0> (Mwanamulungu05 kutsanganya~kubita) I've given up transcribing this song, which could be a variation of famous "mulungu wa rero", but completely different words. Those having good ears may try transcribing this.

(chorus) mulungu wa rero wanimena wee haa bahi una umbeya...

<tape1a 34:46.0> Man:

Undakudza sema ye mulungu.

Man2:

Kadza.

(People sigh.) Man2:

Yunamba tsenzi makayamba.

Man:

Ye mwenye kenzi mpaka ngoma.

Man2:

Eeh mpaka ngoma ee.

<tape1a 35:01.0>

A guest(man of neighbourhood)arrives and they exchange greetings. Then another song starts) <tape1 35.14.0> (Mwanamulungu06 kubita) my transcription not precise (solo) Hayaa mwambire baba nenda lola uya na muyao wa mbele (chorus) Hayaa mwambire baba akale unauya na ngelenge (solo) Hayaa mwambire baba nenda lola uya na ayao a avyere (chorus) Hayaa mwambire baba akale unauya na ngelenge

<tape1a 37:22.0>

The drums are ready. Malau asks the players if anyone knows how to play the mulungu drums properly. It turns out no one does. Malau has the drums brought into the hut and teaches Beja, Luphande's son, how to play.

<tape1a 39:03.0> (Mwanamulungu07 with two drums only without a song) Nyawa also joins playing a drum.

Malau starts dancing. <tape1a 39.51.0>

<tape1a 40:21.0> (drums stop) Nyawa:

Unani Udzigbwirana? Malau: tsa u mumo. Kuzima. Udzinilumiza tu. (laughter) Nyawa: Unalumiza. Ni sawa tu. Twendeni. .... Nyawa: Ichikala chikala ni haa chiryangona chisira, haya pigani ye mulungu.

<tape1a 41:16.0> (Mwanamulungu08 kutsanganya~kubita) one of my favorite song, with a slight difference from one sung around Kinango (solo) Mukangaga dze naona ro ziya haa ziya ra matoro ha rina mambo ee mukangaga una mambo ziya aa ziya ra matoro rina mambo ee (chorus) Mukangaga una mambo ziya ee ziya ra matoro rina mambo ee mukangaga una mambo ziya ee ziya ra matoro rina mambo ee (solo) uganga dze chaa una maneno ziya chaa ziya ra matoro rina mambo ee uganga chaa una maneno ziya chaa ziya ra matoro rina mambo ee (chorus) mukangaga una maneno ziya ee ziya ra matoro rina mambo ee mukangaga una maneno ziya ee ziya ra matoro rina mambo ee

(without a break, the next song starts) <tape1a 43:10.0> (Mwanamulungu09 kubita) (solo) nguo yangu haa nguo nguo haya nguo yangu ee nguo nguo nguo yangu haa nguo nguo haya nguo yangu ee nguo nguo Yarabi ni wee dze achina maruwa nindahendadze wee nguo yangu ee haa tsina ngulu haya nguo yangu ee (chorus) nguo yangu ee nguo nguo haya nguo yangu ee nguo nguo nguo yangu ee nguo haya nguo yangu ee nguo una nyama yaa nguo yangu ee nindahendadze ee nguo yangu ee nendephi mayo ee nguo yangu ee (many variation with improvisation follow)

<tape1a 46:01.0>

<tape1a 46:03.0> (Mwanamulungu10 kubita) (solo) laila ilaa mwanamulungu yoyo vyoga ziya haa unauya ziya ra uganga mwanamulungu yoyo vyoga ziya haa unauya ziya ra uganga (chorus) mwanamulungu yoyo vyoga ziya haa unauya ziya ra uganga mwanamulungu yoyo vyoga ziya haa unauya ziya ra uganga (repeated many times with some improvisation)

[the end of sideA of tape1]

[the top of sideB of tape1] the last song of Mwanamulungu10 still continues. Malau still isn't dancing. The song ends. Some of the musicians are even going outside. They're complaining about how unbearably hot it is inside.

I ask why they're only playing Mulungu pieces. They say it's because Malau is supposed to be possessed (golomokpwa) by Mulungu. Apparently, Mulungu is his main nyama. Since Malau still isn't dancing to Mulungu, we're going back to Mwarabu.

<tape1b 3:55.0> (Mwarabu022 kutsanganya) Similar words as Mwarabu02, but melody is different (solo) mwarabu ninaombea mungu wee chuo cha mutume muwele naombea mungu we chuo cha mutume (chorus) mwarabu naombea mungu wee chuo cha mutume muwele naombea mungu we chuo cha mutume (repeated many times)

<tape1b 5:08.0> <tape1b 5:17.0> (musambala01 kutsanganya) This musambala song was played here a bit differently from those played in Kinango area. (solo) musambala ee naona uganga(alt.naronda uganga) naona uganga wa wee musambala wa chiukoo naona uonekana uganga ndaricha wee(not clearly heard) (chorus) musambala naona uganga naona uganga wa ndonga wa nyoka naona uonekane musambala uganga ndaricha wee (repeated many times with improvisation)

<tape1b 12:26.0> Almost immediately after the previous song has ended, the next one starts. <tape1b 12:27.0> (musambala02 kubit'a) (solo) musambala nambwe nironge ronge za uganga musambala wee naronge narongera uganga ee musambala ni maye ronge za uganga musambala wee naronge narongera uganga ee (chorus) musambala nambwe nironge ronge za uganga musambala wee naronge narongera uganga ee musambala ni maye ronge za uganga musambala wee naronge narongera uganga

<tape1b 14:51.0> Nyawa:

Musambala kamo, ela tsikpwamba kamo. Samba chitu ambacho chigbwira, chikala ni shetani kahuidima kpwelewa, au ni chitu chani kuidima kuchimanya. Lakini vivi ao nyama kupigbwa, aratu anaidima kupigirwa vyao. Vivi kpwanza, hupigeni muduruma kpwanza. Halafu uchilaa yiyo hundashungira(from スku-shunga) ko mbele, kulola aratu ambao anaidima kuzuia anziao.

Jawa Mwero(Jawa):

Mmh.

Nyawa:

Eeh. Maana yuyu kulengana na tabiyaze yunaidima kukala mutu wa kuvina sana.

Jawa:

Mwanzo kaphenya mwakuyuga kpwanza. Mwanzo phana mukamba phapho, be ye mwamuyuga kpwenye, be ye ariye nguvu sana.

Beja(a kayamba player):

Nahupige kare mukamba vivi?

Jawa:

Aa aa.

Beja:

Eeh?

Jawa:

Samba anziliwe133 ye nyama yedzikala anziliwe ye mutumia.

<tape1b 15:48.0> (muduruma01 kubit'a) I think this is the simplest version of this song. Melody is the same, but the words only repeat two simple sentences. (solo) nyamala mwana we wavyalwa mutana wee muduruma(mwanaduruma) we unaphonda nisage (chorus) nyamala mwana we wavyalwa mutana wee muduruma we unaphonda nisage (repeated many times with a lot of improvisation.) (Finally in the last several repetions, the song just repeats a single sentence, "nyamala mwana we wavyalwa mutana we" , the soloist singing the first half, and the chorus the second half.) (solo) nyamala mwana we (chorus) wavyalwa mutana wee

<tape1b 19:01.0>

<tape1b 19:02.0> (muduruma02 ) I've given up transcribing this song, because I could pick up only a few words. Guessing from such scarse clues as "nauya hee", "ndauya kpwehu" etc., it seems to be a different version of the following that I collected in other kayamba occasions. Those with good ears may try transcribing it.

Cf. [DB 6894]song of muduruma(kasidi), transcribed by Mr. Hamisi Ruwa Bunda (solo) nauya hee nindauya kpwehu ee ninenda kpwehu ee unambwa Dama Ngala wakudza ni mucharo Dama Ngala wakudza hee ninenda Dzombo hoo ho ni mucharo kasidi wanilemba mayo uya (chorus) nauya hee nindauya kpwehu ee ninenda Dzombo kasidi wanilemba unamba uya nauya hee nauya kpwehu ee ninenda Dzombo <tape1b 20:56.0>

<tape1b 20:57.0> (muduruma03 =kalumeng'ala kubit'a) this song of kalumeng'ala is usually played in the kusuka rythm(see below). But here it is played in the kubit'a rythm. (solo) Yoo ee kalumeng'ala ee Yoo ee kalumeng'ala ee ga nze nagamanya, ga ndani nagamaya Yoo ee Kalumeng'ala kala u mulume ndzoo (chorus) Yoo waa kalumeng'ala ee Yoo waa kalumeng'ala ee ga konze nagamanya, ga ndani nagamaya Yoo howa Kalumeng'ala mulume ndzoo

<tape1b 22:48.0>

Cf.song of kalumeng'ala(kusuka)

<tape1b 22:48.0> (muduruma04 =kazi ya uganga wayimena) My transcription of this song is far from satisfying, because I failed to hear some parts clearly. (solo) mwana duruma waumena ugayi duruma wayimena kazi ya uganga duruma achenda kpwa dzulu ya kazi mwana wa mayo wanimena kpwa kazi ya uganga duruma hee unasaga, kuno unaphonda (chorus) mwana duruma waumena ugayi duruma wayimena kazi ya uganga duruma wee kuno unasaga unaphonda mwana duruma wanza nauza duruma wayimena kazi ya uganga duruma hee unasaga, kuno unaphonda mwana wa mayo wanimena kpwa kazi ya uganga duruma hee unasaga, kuno unaphonda (repeated many times, then improvisation parts follows)

<tape1b 26:09.0>

<tape1b 26:16.0> Kayamba players started to play a song of another spirit(mukamba), but were stopped. Kayamba player:

Sambi urivyo uvina uvina ye, pigani yinjine. Haya nahwende ko kpwano kaphele.. (song) kaphele na karyaka....

 

<tape1b 26:17.0>

Nyawa told them that they now should play ngoma instead of makayamba. discussion who to play mbumbumbu and chapuo. It was decided that mbumbumbu be beaten by Nyawa, while chapuo be beaten by Jawa wa Mwero.

<tape1b 29:30.0> A song of Kaphele(mukamba) is played with two drums only. Malau now is dancing so comically that Women are laughing. (I couldn't understand a single word in the lyrics of this song, so I called Mr. Katana for advice, and he told me that the lyrics were in Kikamba(language of the Kamba people), not in Kiduruma. Mr. Katana corrected my transcription and also explained the meaning of the lyrics.) (kaphele(mukamba)) (solo) kaphele na karyaka nikatunde netsa ee mwaitoo (chorus) kaphele na karyaka nikatunde netsa ee mwaitoo

<tape1b 34:25.0>

<tape1b 34:26.0> Nyawa:

Haya mwambireni mwambireni, maana sino hundamwiha sino be ni tsiku zizi ni kazi ya ukongo. Na ukongo waphenya pindi. Na unambwa hangbwe ni uwe mukamba ndiwe dzimgbwira, hata angakala ye kaphola, be uwe mukamba. Ichikala ni uwe, na una sababu ambayo mwenye unayihenza ni sino kahudzangbwe kuyimanya, hunahenza ukale undahweleza, naswi hukale hundasikira.

<tape1b 34:46.0> Malau:

Mmn...(silence)

Nyawa:

yuyatu u mumo?

Malau:

Uweza kufunga hata...(inaudible)..

Man:

Ulaa pindi be ye.(People: laughter) Yuno be sere....

Jawa Mwero:

Au adzikpwe chikamba yiye.

Man:

Ulaa amba.

Woman:

Mukamba udzuka.

Jawa Mwero:

Ela tsi gomba chikamba tu, na mutu kumba....

Malau:

....(He starts speaking, but in such a low voice that it's almost inaudible.)

conversation between Nyawa and Malau follows. But they speak so low that it is almost impossible to hear them. I've given up transcribing them. According to Mwaega, Malau says "mukamba is there. But he doesn't need anything. But there are serious ones(spirits) who need their things. One is Muzungu wa Keya.and another is Dena, who wants a jacket and trousers."

<tape1b 36:11.0> Jawa Mwero:

Anze ta dzitu apigirwe pigirwe kofi zenye tu. Hata ambe nahenza nende makayamba.Be ni sababu wa mwezi ra kofi achivina vina sana, kakamwe yendakudza unavina tu...ko hwende hende che kare maana siswi enye hwamba kukala huna kazi. Ela vino kahumanya ni nyama wani amuyugaye atsivine, na shida yani ambayo unahenza yifanywe yiye.

Nyawa:

Ni vivyo.

<tape1b 36:20.0> Malau & Nyawa:

...inaudible...

<tape1b 36:41.0>

Malau retreats into his hut.

Nyawa: (to Jawa Mwero)

Kpwa vivyo ni yiye(mukamba) unamba kukala nahumuse kare mumiani kpwanza.

Jawa Mwero:

Eeh tsona mba.

Nyawa:

Be phunga mumiani

Jawa:

Mmn.

Nyawa:

Achichira yiye, uyatu urio manjine kare ko mbele.

Jawa:

Hayani be.

<tape1b 37:05.0>

<tape1b 37:38.0> Nyawa:(to kayamba players)

Haya "going going going" na imba muzungu wa mumiani.

<tape1b 37:39.0> Jawa:

Mwanzo nidzikala nagapigani ga makayamba, be gasikireni jeli.

Man:

Mmn.

Jawa:

Eeh.

<tape1b 37:44.0> The young members of the family, playing the makayamba, are joking with each other. Malau emerges from his hut, wearing a white shirt and gray trousers, and a wide-brimmed felt hat with a leopard-skin band. <tape1b 38:13.0> Player1:

Wanzadze?

Player2:

Mwanza kare pigira kare muzungu wa mumiani.

Player1:

Tsimanya uo wira mino. Tso nahenza nikumbikize!

<tape1b 38:19.0> The soloist occasionally uses the word "pawa" (power) instead of "pesa" (money), and the choir responds accordingly. During the performance, Malau dances in a trans-like state, and Jawa and Nyawa are speaking to him (presumably trying to persuade him), but their words are difficult to hear clearly due to the loud sound of the makayamba. (muzungu wa mumiani01) (solo) nahenza pesa ee nahenza pesa ninamanywa nahenza pesa ee nahenza pesa ee (chorus) nahenza pesa ee nahenza pesa ninamanywa nahenza pesa ee nahenza pesa ee aaa wooo oo (continues with improvisation)

(without a break, the next song starts.) <tape1b 45:11.0> (muzungu wa mumiani02) (solo) ni kure ee mayo kure na mwendo kure kure kure na mwendo kure na mwedo kure (chorus) kure wee mayo kure na mwendo kure kure kure na mayo kure na mwedo kure (solo) kure wee mumiani kure na mwendo kure (chorus) kure wee mumiani kure na mwendo kure (solo) kure wee mumiani (chorus) kure na mwendo kure

<tape1b 47:34.0>[The End of Tape1]

(unrecorded part starts here) (Hamamoto's memo (August 30, 1983): I didn't realize the tape had ended in the middle of the second song of "Mumiani," and when I noticed the recording machine had stopped for a while and changed to a new tape, the performance of "Mzungu wa Keya" was already over, and the subsequent commotion wasn't recorded either. The second tape starts immediately before "Du! Du! Du!". The next day, Katana and Mwaega and I reviewed the tape and filled in the missing parts based on our memories. The following is from my fieldnote description compiled by Mwaega and me, on Aug.29,30, 1983.)

Performance: muzungu wa keya, 1 song (Funga safari) Starting with handclaps, then with kayamba

Funga safari, funga safari Safari, Funga safari Shauli ya bwana, Shauli ya bwana Shauli ya Keya

Malau has got in trans-like state(golomokpwa) shouting in incomprehensible words (English-like). Nyawa orders people to stop singing.

Malau continues shouting, sounding angry about something. The only English words that could be understood were "why!?" and, for some reason, "20 shilling!!"

A "dialogue" begins between Mr. Nyawa(muganga) and muzungu wa keya(inside Mr. Malau's hut).

Malau continues speaking in incomprehensible English-like words. To this, Nyawa repeatedly replied, "Yes! Yes!" The conversation is bizarre, and Nyawa asks the "white man of KAR" to speak in Swahili, instead of his difficult "English".

Nyawa:

Your language is very difficult. Please speak in Swahili so we can understand. Are you a muzungu wa keya? What do you want?

Malau:

(Switching to Swahili) I am muzungu wa keya. I am muzungu wa keya. I want a bag. A bag to carry on my back (mufuko wa mgongoni) and a gun. Are you listening carefully?

Nyawa:

Of course I am.

Malau:

Once you have obtained the bag to carry on your back, you must hold a grand kayamba. Then people must behave like Keya's soldiers. Du! Du! Du!

(The above is the part reconstructed from my and Mwaega's memories)

[The beginning of the tape2a] <tape2a 0:0.0>

(The following conversations are primarily in Swahili unless otherwise specified.) Nyawa(muganga, a classificatory son of Malau and Jawa):

Wataka ngoma yenyewe.

Malau wa Mwero(the eldest son of Mwero wa Jawa, the founder of this large homestead):

Du! Du! Du!

Nyawa:

Du! Du! Du! Tuseme kama ule mwendo wa Keya.

Malau:

Pha! Pha! Pha! Unasikia?

Nyawa:

Mmn.

(The women are engrossed in conversation) Mwaega(wa Jawa, a son of Jawa wa Mwero):

Nyamalani mwi. Munagomba ng'anzi dza...(duruma language)

Jawa(Jawa wa Mwero, younger brother of Malau wa Mwero):

Muna kululu achetu kpwani.(duruma language)

Malau:

Na bunduki na utafuta na ..(one word unclear).. yote. Na jifuko lile kubwa. Na lipatikane li la....

Nyawa:

Li la kaki(khaki)?

Malau:

La viasi129 yasi134.

Nyawa:

La viasi yaasii.

Malau:

Eeh. Kaki richa. Dza sampli hii.(duruma language).

Nyawa:

Eeh.

Malau:

Lakini huu mudogo utakuwa hapa hapa(pointing to the shoulder).

Jawa:

Na ule ukubwa ukuwe hapa mgongoni.

Malau:

Eeh ukuwe na hapa. Na debe liko hapa mgongoni. Unasikia?

Nyawa:

Ninasikira.(duruma language)

Malau:

Kwa sababu hapo mgongoni, yiye mwenyewe anasema kuwa pana muzigo hauwezekani.

Jawa:

Ndiyo anasema, unasikia kuwa ambaye anasema hapo panaumwa sana mgongoni.(from here he speaks Duruma language) Ndo maana akale na ura mufuko. Kokosi koaendako, mpaka atsukule uo mufuko mongoni. Chila chitu chikale mo ndani, hata chitanda chi mumo, tsona. Achitsoka tu, unalala kare phoasegerepho.

Malau:

Basi kwa hivyo, lipatikane jifuko lile, lipatikane. Lipatikane jifuko lile, ndilo la keya. Na viasi.

Nyawa:

Viasi, viasi, viasi ni vitu, hebu?135

Jawa:

Ni vitu, yaani vifaya, silaha, dza...(swahili and duruma language mixed)

Man:

Ni vifaya, silaha...

(Now they speak duruma language) Jawa:

Karache ni kama mizigo, utu wa kpwika phara dzulu. Sambi muchonewa viasi mwi mundaiyirwa..

Man:

Vikale vitiywa kama dza himuno.

Musoza wa Malau(one of Malau's sons):

Nayo bunduki, kama picha ni sawa, tsivyo? Yotengezwayo kpwa kutsonga muhi?

Jawa:

Mmn.

Malau:

Goor!

(people laugh) Nyawa:

Haya sambi nitsuma kpwamba kala ukale ndiwe mwenye kudzimureha pumuzi chache, na ndani kukut'a na kukohola? Ha ni sawa sawa. OK!

Jawa:

Na sambi vino hundahendadze ta sino humanye ukale ndiwe, ta bahaye. Hata naswi huyone kukala ta sambi unatsakurirwa ta uo mufuko. Hata sambi wee,...phano uratu ule uidima ukaenda uwe mwenye, unazuka na uelewe na uchende utsagule tu mwenye kumanya kala ni uu. Be tsi mumu muzima. Mwambire maneno ga kpweli vivyo.

(While Jawa is speaking, Nyawa, as a muganga, also speaks to Malau, but Jawa is speaking so loudly that Nyawa's words are almost inaudible.) Nyawa:

...maana yuno keidima kpwa kukohola, keidima kpwa ndani yitele, na keidima...

Jawa:

Hata ko kugomba kpwenye chidzako kunamushinda.

Nyawa:

Hata ko kugomba kunamuyuga.

Jawa:

Eeh.

Nyawa:

Kpwa vivyo sambi hunahenza nafuu tu ya kukala ta phanjine unaidima kpwenda mwenye. Kpwa yunasikira baha...

Jawa:

Yunasikira kana utu muratu mwirini.

Malau:

Wasikira.

Nyawa:

Haya.

<tape2a 2:20.0> Malau:

Uwe, yu mutu wa keya. Nasikia? Yu muzungu wa keya. ndiye mwenye kutaka hivyo. Alakini pana waganga.

Nyawa:

Pana waganga.

Malau:

Wa ngai.

Nyawa:

Kuna wa ngai...

Malau:

Na watu wa keya.

Jawa:

Yule ngai ni yule mukamba.

Nyawa:

Waganga ni wale wakina ngai.

Malau:

Unasikia? Basi wale wana shida. Wana shida na fujo...

Nyawa:

Mmh.

<tape2a 2:58.0> Malau:

Unasikia? Ni kusema kunaambiwa.. tena vile vifuko vitapatikana..Lakini vile vinatakiwa sana ni vikubwa. Ndo hata mgongoni..

Nyawa:

Haa wana nafuu sasa.

Malau:

Walifika wote wa vyombo hakuna. Sasa we... ...We haya pana mukubwa hapa....

(belching and groaning) <tape2a 3:40.0> Nyawa:

We ile mizigoyo uyatu moyo wa nyuma bahi, hebu ndiwe mwenye kohola, hebu ndiwe ndani kukut'a, maana chikala undawambira muzigo wa nyuma bahi, lakini ndani yikale vivyo na kohozi yikale vivyo, nikukala yuyatu ariyenakukohoza mutu ndani yinodzala nayo we ambire vivyo we, maana nafikiri we ni musena wangu unaidima kugamanya gaga. Chikala ni uwe mutu mumwenga, uwambire ndiwe. Sambi swino hundakupha neno muhimu ambaro unaasi. Hundagozera riro swino.

<tape2a 4:10.0> (silence) <tape2a 4:16.0> Nyawa:

Pumzi ni chache, ndani yidzozala...

Jawa:

Ni vivyo.

Nyawa:

Mutu unakohola.

Jawa:

Tu!

Nyawa:

Moyo wa nyuma umererera.

Jawa:

Mmn.

Nyawa:

Chikala ni mwenye tabiya ziratu zosini, kpwa sababu ya mufuko, uwambire tu ni mimi mumwenga. Sambi ......(three words aren't heard clearly because of someone coughing)

<tape2a 4:30.0> Malau:

Kpwa sababu

Nyawa:

Mmn.

(silence for 10seconds) Malau:

Hapa...kuna kitu kimoja...(two words I cannot hear clearly)nikae hapa. Nahitaji sigara, maana ni mutu wa keya!

<tape2a 4:53.0> Jawa:

Mwambe zino zinafaa.

Nyawa:

Sigara ndizo chakurya chao.

Jawa:

Mwonyese zino za sigara. Mwambe zinafaa, chikala zinafaa kuratu zina akiba yiliyokala yi kuko kpwanza. Ni Embasi(Embassy: a Kenyan cigarette brand) zizo. Zinga dza ziratu Supotimani(Sportsman: a Kenyan cigarette brand). Phakakala phana moho pia, ngari kulonja. Achisikiza vyo. Ninazo akiba yiyi ni ukala achizuza. Yinaidima ukala akapata paketi, hatakala ni mbiri. Paketi hatakala ni mbiri unaidima ukapata kuratu. Ni Embasi.

Nyawa:

Embasi, Embasi, Embasi.

Jawa:

Naidima kuyitiya moho achisikize, chikala ukala ni sawa. Halufuye ni yiyo na Supotimani mwenga mwenga. Tsimanya yikale kahi ni lako, lakini zizi be ndo sigarangbwa za azungu zizi.

<tape2a 6:01.0> <tape2a 6:04.0> Nyawa:

Azungu anahenza kudzitiya mizigo, auke, akpwenda kure. Analumira na kapotosa. (people laugh)...(two words inaudible).

Man1:

Ndo vyo arivyo.

Man2:

Ni vyuma. Na nyumba yi mumo.

Nyawa:

Iko sigara namba wani. Sigara yina namuna hiyo. Ndiyo wazee wanavuta, wanakwenda safari. Hiyi, hapana sigara nzuri?

Jawa:

Hayifai?

Nyawa:

Wataka ile supotimani.

Jawa:

Ile spotimani ni sawasawa, kaziyuga tu. Ela zi ghali136.

Nyawa:

Dzikala uzihenza mara tahu zizo, ha wedze sirikisa we musena wehu. Ninakuza...

Jawa:

Chidzako ndzikala namuza, dzimuza, uchimya sana.

Nyawa:

Aa ye hata sauti kayilaa. Ndani kodzala, munaidima kulela, pumuzi kudza chache. Be chikala ni uwe, uhenzawe supotimani, bahi kaphana miyao. Uwambire neno riro mwenga tu, we uhenzawe muzigowo, kakamukpwa patikana uratu wa mufuko, anasema ndiwe ushahidi kpwamba ndiwe umugbwira. Uwambire maneno. Tsinago tu. Maana be vivi kaphana mupinga, we gomba tu, ukala uwambe ndimi tu. Uwambe ndimi tu, bahi.

<tape2a 7:15.0>

<tape2a 7:30.0> (Suddenly, Mr. Malau begins to let out incomprehensible barks.)

Nyawa:

(laughing)Why?

(Mr. Malau continues to shout out something supposed to be English, and eventually he starts sobbing.)

<tape2a 8:15.0> Nyawa:

Haa ha ha ha, Asante! Aa we Muzee kama unaria ni shauli yako. Lakini tunangojea majibu kwako. Ha ha. Sijui miaka mingapi umepita na muzee, halali nyumbani, iko polini tu. Haa sasa kama wewe mutu, mwenyewe kuzuia ni wewe, nielezea, lakini usiseme musemo kama hiyo. he he he he... Na ngali kucheka, ni uchungu. kwa hiyi ni uchungu sana!

<tape2a 8:41.0> Malau:

Unasikia? Sasa watu wa Keya.

Nyawa:(still laughing)

Ha ha ha. Hata! Haya nielezea polepole. He he he.

Malau:

Ni sawa ....(voices are difficult to hear clearly, but they sound like "kulemetu meta." This could be H.J. Clements, a lieutenant in the King's African Rifles Regiment stationed in Kenya, who took many photographs of the regiment during World War II.)

Nyawa:

Hata akaa Kulemetu, wasio wakina wa vita wale? Yaa yaa yaa yaa. Aa aa aa. Poleni muzee.

Jawa:

Lakini kule ukuwa muituni, muzungu hawezi kukaa ule na muitu mibomu yake yiko. Lazima mpaka akue mpaka bomani. Arudi kutembea, halafu yake arudi kuratu bomani. Tembea be polepole be abaye, vyonihenzavyo.

(Nyawa has been laughing the whole time)

<tape2a 9:17.0> Malau:(almost shouting)

Unasikia?

Nyawa:

Umh.

Malau:

Ikiwa uwe ukumbuka yale maneno.

Nyawa:

Umh.

Malau:(suddenly in hushed voice)

Ikiwa Ukienda safari huko~, nyika~. Lakini ukienda wewe, kwa sababu labda be mugonjowa huu utapoa.

Jawa:

Eeh ndiyo tunasema hivyo, eeh ndiyo tunasema hivyo.

Malau:

Halafu nyuma yale ....kwa sababu yuyu ni kushindwa ni ahadui. kule jana yake ni sawasawa. Hapa kwanza wao nyama wote wako.

Nyawa:

Umh.

Malau:

Lakini yale maneno.....(some words are not heard clearly)...yanatakiwa kufanywa bidii, ukifanya bidii, yapatikana. Kwa hivyo hiki bunduki, kinapatikana.

(The women are engrossed in conversation the whole time, making it difficult to hear Marau's hushed remarks.)

<tape2a 10:18.0> Jawa:(to the women)

Nyamalani nyamalani.

(The conversation paused for a moment.)

<tape2a 10:30.0> Jawa:

Hunahenzwa huhendedze?

Nyawa:

Upatikane uyatu mufuko.

Jawa:

Eeh.

Nyawa:

Na picha ya bunduki yipatikane. Haya mambo gakale madzo.

<tape2a 10:45.0> Malau:

Sasa ...(not clearly heard)..kazi.

Jawa:

Ile picha ya bunduki yatakika na mutu? ya kufanya kuchongwa? Ama picha ya bunduki yinapatikana namna gani? Nataka kule kuuliza kwa hapo tunataka mufano vizuri. Kuna picha ya muti kuchongwa kama bunduki. Mwenyewe akaweka hapa juu. Sasa ilikuwa na nyimbo, anakumba mwenyewe anatembea, akaweka hapa. Na mfano wake umechongwa kama bunduki.

Malau:(in hushed voice)

Picha ya..

Nyawa:

Ya muhi.

Malau:

Ya muhi..mutundo137 uratu. ....(not clearly heard)...

Jawa:

Ee ndiyo mutundo myeusi. Hata kule zamani kule Chiphingo amechonga huyu mwenyewe, achichonga ye, sijui ameweka wapi.

(Upon hearing this, the young people (or rather, the children) are rolling with laughter, repeating "amechonga." I don't understand what's so funny.) <tape2a 11:33.0>

Nyawa:

Sambi sino kahusikira utu wowosini, gagombwa hunagasikira, nanimanya ni himwi. naswi hunahenda hungafanya utu, mutu naye yunaenenda kudina, kwa sababu mutu yunahamirwa kwa nahamirwa utuwe.

Jawa:

Kona be phapho ndo phatu, mupatane na phapho kpwanza.

<tape2a 11:52.0> Nyawa:

Ichikala hujuliwi, undamvugula akatsakule miyo yiyatu, uwambire vivi ukongo nidzimusa, maana neri tsimanywa kukala nahenza mufuko wangu, neri tsimanywa nahenza bunduki yangu. Rause mutu umanya, namusira ukongo, richika, la kaumugbwirira yiyatu, nichimugbwira mikono miiri, tsimurichira kahiri. Uwambe viratu na sikutuwe njira yiyatu, na siusire utu udzowang'alaza, maana utu udzowang'alaza. Mutsana wa machero, ta wa muhondo, ta wa wairya, kpwenda ko mbere...

<tape2a 12:27.0> Malau: (shout) Goor!

Nyawa:

Akale kana utu, na hufanywe kutsonga kare bunduki, na kpwenda wala mufuko kare. Alaire kare yulamuka vivyo, ta kpwenye muhondo yu vivyo, be swino hundamanya tsigo, swino hundakala hunatsagula chiracho mutu, ha kona hundakala hunakuzarau mutumia. Lakini dzikala udzimusira utu, naswi hunafanya yako yenye.

Malau:

....sawa...(unintelligible speech)...

(In part of Mr. Marau's "English speech", you can hear English words such as "welcome" and "hard".)

<tape2a 13:45.0> Nyawa:

Halafu mwambire kiswahili, maana hicho be ni chifu chenye chicho.

Jawa:

Mmh. Ueleze kwa kiswahili, we. Ile maneno yiliokwamba imetoka, sasa ueleze kiswahili.138

<tape2a 13:57.0> Malau:

Uuh. ...(inaudible)..hayo maneno.

Nyawa:

Usende go gehu huhendago siswi.

Malau:

Kwa sababu hapa pana mutu mumoja.

Nyawa:

Huh hu.

Malau:(He is speaking in a very low voice, and there are women chatting in the background, so what he says are barely audible.)

Huyu sudiani..(inaudible)...wa ugonjwa huu kwa...(inaudible)..baridi ya upepo...(inaudible)...iko...(inaudible)...safari hiyo, yuko. Lakini siswi tsishitua nyayo hayo hayo.

<tape2a 14:37.0> Jawa:

Ni watu wangapi? Katika nyinyi mo unafanya kazi hiyo. Tumesikia yule muzungu, yule muzungu wa keya.

Malau:

Wale mukamba.

Jawa:

Ni yule mukamba?

Nyawa:

Wataka nini, yule mukamba?

Malau:

Yule mukamba wataka uganga.

Nyawa:

Wataka uganga.

Malau:

Hajapata kiti kikwetu. Kwa sababu, kwa hivyo watoto wako, wale watakao tikiti. Lakini huyu, anataka kupata, kupata rile dzifuko kubwa. Hataki ile bunduki bado. Lakini rikapatikanane dzifuko. Basi...

Jawa:

Ukongo ndio hakuna?

Malau:

Ukongo, na mungu yuko.

Nyawa:

Sino sisi nataka tuwekee siku, twekee twekee siku. Maana ninanunua vitu vingi sana, kwa sababu ya nyingi shetani. Na hivi sasa tunawelezea mambo ambayo tunaisikia. Tuwekee siku. Angalia mugonjwa.

Jawa:

Ee kumwangalia hali yake.

Nyawa:

Tukumbuke nyinyi kweli. Tuwekee siku. Siku ngapi nguvu ndo kuna afadhali tufuate ule mufuko. Kwa sababu nini...

Jawa:

Natumaini ta hapa Kinango utafuta unaweza kuonekana ule mufuko.

Nyawa:

Nyinyi kama sisi sasa musemo wetu ni kama mumoja. Leo muzee tuwekee siku, tufuate mufuko...

Jawa:

Upatikane ule mufuko wako, lakini tumeone nafuu ya mugonjwa, hana neno. Ile marazi yimeondoka, akila chakula anashiba, na ile matumbo yimefunguliwa, hakuna matumbo kuvimba tena. Basi uchifanya hivyo, ile njiya yako itafuatwa vizuri. Utajulikana huyu ni huyu mumoja aliyekwamba ni mfalme. Eeh. Njiya yako yitafuatwa vizuri.

<tape2a 16:51.0> <tape2a 16:53.0> Malau:

Unasikia? ..(hardly audible)..yai...yai litengenezee, yai litengenezee pale pale juu, unasikia? Katengenezee kaulingo hivi hivi tu, unasikia? Na kibakuli kimoja paka kinunuliwe. Hata ninunulie mahamuri matatu, weka pale.

[Ajo! Gah!(sudden shout)]

Malau:

Bado...(inaudible)..Ndo itakuwa safari kubwa, nasikia?

Nyawa:

Na keya? Safari ni ya keya?

Malau:

Aakha!

Jawa:

Natengezerwa rini cho chibakuli? Ni chiphya? Ama ni chibakuli chibakuli tu? Chirichokala hata kala ni cha phapha mudzini chinaidima kutengezwa?

Malau:

Chiphya.

Jawa:

Ni chiphya?

Nyawa:

Na sambi mo chibakulini hundamutiya mahamuri mahahu?

Malau:

Mmh.

Nyawa:

Sambi na wira phara...

Jawa:

Ima, phandakala...

Nyawa:

Kama ni phatu tu pha mwenye...

<tape2a 18:22.0> Malau: (in a loud voice)

Utaita mimi! (and starts shouting his "English" again)

Nyawa:

Sawa sawa sawa.

Malau: (still in "English" , but "yale keya apate kula kombe chini(sound like swahili phrase)" and "25cents")

Nyawa: (The phrase "25cents" made those present laugh)

Gombera rani musenangu?

Malau: (after another several seconds speaking "English")

Sasa yile...kutengeneza kama kesho.

Nyawa:

Kama kesho? Ala?

<tape2a 18:53.0>

<tape2a 18:57.0> Jawa:

Kinaweza kwenda chukuliwa kile kibakuli. Naweza kwenda tafuta, nikenda tafutwa na ile mahamuri. Itapatikana, eleza bado vizuri tu.

Malau:

(unclear)...kwa sababu iko mbali Kinango.

Nyawa:

Mmh mmh.

Malau:

Iko Kinango. Kwa sababu ya lailoni tu, sampli yake.

Nyawa:

Ni rangi gani?

Malau:

Rangi yake....(not clearly heard)..

Jawa:

Ni lailoni, lailoni, dza ile, rangi ya chibitsi bitsi. Samba musena chikala unayo akiba ya chibakuli.

Hamamoto:

Tsina akiba. Mwanzo yiyatu yangu tsi chibakuli, ni beseni tide tu ya kogera. Unahenza chibakuli cha rangi yani?

Jawa:

Aakh richa, chikala kuna, ni sawa.

Malau:

Haa basi. kupata kimoja tu. Ikipatikana moja weke pale juu.

Nyawa:

Na mahamuri?

Malau:

Matatu. Na wape chakula hawa akina juu, wape chakula. Wale keya, k'oma zimsukuma vizuri, ....(inaudible)...kula vile kula, ngoma. Utapunguka pungwa utapunguka. Iko enyewe watembea kule juu. Unasikia? Mashine(English word)! Mizigo hiyo.

Nyawa:

Mmh.

Malau:

Ikiwa utachelewa pia, angalikimwire mafuko ile.

<tape2a 20:30.0>

<tape2a 20:41.0> Jawa:

Na sasa nielezee, be katika pale Kinango unaweza kupatikana ule mufuko, kama huyu mwenyewe...

Malau:

Hakuna.

Jawa:

Hakuna? Watakikana Mombasa wala Mariakani?

Malau:

Kule wapata.

Jawa:

Mufuko yuno msena wangu, kanao kura, kana mufuko yuno, bomu?

Mwaega:

Kama aina gani?

Jawa:

Kama aina ya rangi hii kidogo. Maana yiyi ni kama yile green kidogo ya kaki(khaki).

Mwaega:

Aah kana.

Hamamoto:

Tsina.

Mwaega:

Ga Mandala?

Jawa:

Aah, ura urionao Mandala ura be ni naniyo ni wa lailoni ula, wa rangi ya kundu abaye. Tsi dza uriona Mwero kpwangu phano. Be natumaini wa tsio. Uo nahenzwa kama chandaluwa(or chandarua, chandalua) kama namuna hiyi.

Mlau:

Ndiyo.

Jawa:

Ndo unahenzwa ubomu. Ni kama dza hivyo mifukongbwa, be unahenza dzibomu dzibegi sana. Eeh?

Nyawa:

Sambi ichikala ni hivyo, ni kukala ni mambo madzo. Lakini hunahenza mutu apate baha ya kumanya viratu vitu vina mwa.. vinatsakulwa, ye mutu una nafasi ya mwirini, maana vivi be mutu ariyedzigomba na kukohola kare, na kunamgbwira mbavu pumuzi zinadza chache, na ndani yitele, na chakurya karya. Sambi ichikala mudzigombera neno ririro dza vivyo, swino hukala hudzikala, lakini

<tape2a 22:25.0> Jawa:

Sambi nahupatanani kidogo, pharatu pha tsiku dzambokala hata kala ni machero,

Nyawa:

Dzamba kavidimikika, maana chibakuli chinahenza chikalolwe pharatu.

Jawa:

Tsona, chinahenza chikalolwe, tsona.

Nyawa:

Eeh.

<tape2a 22:38.0> Jawa:

Na ule mufuko, uratu mufuko

Malau:

Ile, unasikia vizuri? Nidzisema tu, ikiwa utapatikana, ule mufuko na kile kibakuli. Ukipata mufuko kabisa, ndo wanatakana sana.

Nyawa:

Eeh.

Malau:

Haa akipatikana ule mufuko, pia nataka maneno.

Nyawa:

Utapata pale.

Malau:

Haya sasa, apate nguvu za kutembea. Maneno yake kuonana na hapa nyingi(mengi) kabisa. Lakini ..(one word unclear) ni kali. ...(not clear)..hawezi kutembea hata kidogo.

Jawa:

Sambi ura mufuko Mariakani unapatikana?

Nyawa:

Uo uhende tsakulwa tu. Kakuna ushahidi.

Malau:

Unasikia? Sasa wewe sema.

Nyawa:

Mufuko undatsakulwa mufuko undatsakulwa, maana vivi kaumanyikana ushahidi uripho. Niulole Kinango uchikosekana, niulole Mariakani uchikosekana, utuwe ko Mombasa. Sambi kaphana mbara maalum ya kukala undapata mufuko. Lakini atu andatsakula mfuko..

Jawa: (before Nyama finished, he interrupted)

Na phano phano phano phenye chino chibakuli chino, ta machero chinaidima kutuwiwa, machero.

Nyawa:

Ga chibakuli nago, chindapatikana. Tsimanya kumba chino chibakuli chipatikana, gara gafu chimbere, ndo mufuko ubambanywe. Kumba utu uo ni udze richwa phamwenga na mufukowe.

Malau:

Ule mufuko nataka ule keya pakie(ku-pakia?) kabisa, ndo viasi vyake kabisa kabisa, basi watu waimbe ile nyimbo ile.

Nyawa:

Na chibakulingbwa hiki.

Malau:

Eeh.

Nywawa:

Na mambo gakale madzo.

Malau:

Sawa. Ndiyo

Nyawa:

Sawa sawa.

Malau:

Upange siku undakarabisha hawa watu.

Nyawa:

Sambi naswi kahuidima kukupha siku, maana ni mpaka ukahende tsakula..

Malau:

Basi.

Nyawa:

Kahwenzi kukulemba musena wangu. Lakini kpwa vivyo ambavyo hukala naswi hunahenza ukatsakule utu uo, la ilaahi, umuphe nguvu, chakurya cha kurehera kumvuna, na pumzi kumurehera pumzi mbidzo dza..

Malau:

Goor!

Nyawa:

Yino sawasawa ya kumanya udzipatana na ayao, ala sino hudzisikira kukala mufuko unauhenza, na chibakuli cho cha kudza kutengezera mambogo t'ot'ot'o, utu osini undatsakulwa, ta upatikane. Lakini naye umuphe nafasi, maana vivi be udzima jibu udzangalala. Umuphe nafasi, kakuna kukohola, kakuna ndani kodzala, kakuna, amanye kukala "kumba musena wangu udzinivugula jeli. Sere dzidine nimusire shidaye." Tsi mulongo, musena wangu. Kondo yanza pindi, ela vivi..

<tape2a 24:56.0> Jawa:(Before Nyawa could finish, Jawa interrupted)

Vino sambi mwambe vino, unaidima kumupha nguvu ta ye mwenye akauka yuyu mwenye, achenda vyake ko Mombasa sambi, na achenda ulola achipata.

(Before Jawa could finish speaking, Malau shouted and began ranting in "English." Immediately Nyawa interrupted and began trying to persuade him.)

Nyawa:

Unaidima kpwenda mwenye, utsakule mwenye? Ukalole mwenye ta umanye wangu ni hinyu, maana uchenda humiza, undakudza reherwa utu ambao kaukufaa. Lakini uchenda mwenye, ndipho nendamanya hangu ni uwe, nindagula uu.

Jawa:

Mwambe dza machero vino unaidima kupata nafasi, ukaanga nguvu machero ukapanda garini akauka.

Nyawa:

Machero unaidima kpwenda musena wangu, kpwa sababu ni gago genye, ta yundapata nafuu. Unaidima kpwenda?

(Malau is still speaking "English") Nyawa:

Gago maneno mangine ga chisiru tsigasikira.

Jawa:

Gago unarema chidogo phapho.

Nyawa:

Machero undatsakulika? Unaweza kesho kutwa, je unaweza kwenda. Ukaingia Kinango, ukikosa, ukingia Mariakani, ukikosa, ukingia Mombasa. Ni mpaka ushike ule mufuko.

<tape2a 26:02.0> <tape2a 26:08.0> Nyawa:

Haa unaona watoto wanaweza kumenunua mfuko huu.

Jawa:

Haujui. Kwanza anaweza kwenda nunua kitu kingine tu. Na akaletewa akaja ambwa ni huyu, akaona ni tsio. Ni vizuri kama hivyo mwenyewe akasema nitakwenda.

Nyawa:

Sasa kesho kutwa, apate nafuu, aende kuangalia mfuko wake, mpaka awone. Kesho kutwa.

Jawa:

Wakati ameondoka, ulingo unatengenezwa, uwekwa vizuri. Maana mimi hapa ninaweza kushikana na watoto, wataponyeshwa ile mahali unapotaka ulingo uwekwe. Utateka wapi sasa watu tengeneza ule ulingo? Ni hapa nyuma ya nyumba kule, nyumba ile? Ehe.

Malau:

Eeh.

Nyawa:

Haya mambo gehu be gakale gago.

Jawa:

Muricha naye tsikuze zenye natumaini. Za tsiku zenye nafasi.

<tape2a 27:04.0>

<tape2a 27:15.0> Nyawa:

Aaa ulaa mwezi, uchihenza kare saa za usiku.

Jawa:

Aa unenda saa nyinji, mpaka uuye sana kuko.

<tape2a 27:28.0> Mwaega:

Saa saba kare.

Man:

Saa saba. Kudzecha kare.

<tape2a 27:51.0> Malau:

Gha yo! Unasikia? Natuombe mungu, siku kesho, kesho kutwa, wairya, ikiwa mungu yuko, akipata nguvu kidogo ya kutembea, si punguka, basi, atakwenda.

Jawa: (to Nyawa)

Mwelezere vivi bwana. Mwambe kukala sambi phara tsiku zira yinahenzekana ngoma yenye, ama hata kalani makayamba dza vino ukala kala ni sawa.

Nyawa:

Udzamba kala yo wayawaya tsiyimanya.

Jawa:

Eeh, yinahenzekana ngoma.

Nyawa:

Yatakikana ngoma yenyewe.

<tape2a 28:45.0> Jawa:

Pale ile siku ukikuwa sasa ameondoka huko, zile ngoma zitafutwa kabisa, zikuwe iko tayari, eeh?

Nyawa:

Yudzamba ni ngoma yenye..

Jawa:

Ni vivyo, sambi nikagombe nidzikala ninagahenza gamanyikane.

Nyawa:

Lakini mwenye yunamba machero na muhondo, wairya, mutsana wa hahu, yundakala yudzipata nguvu ya kpwenda kpwenda. Mwenye yunamba vivyo.

Jawa:

Eeh, kaphana utu phapho, kaphana utu.

Malau:

Nilikwambia sudiani ni watu wa shida. Nilikwambia musomali ni watu wa shida..

(A baby starts crying furiously, and I cannot hear the hushed conversation between Malau and Nyawa) <tape2a 29:32.0> Nyawa:

Hayani avulana! Ngoma kpwa chingo! Sudiani, sudiani, mara mwenga.

Jawa:

Na musomali. Haa sengerani sengerani, mgbwirireni kayamba mwino. Mumpigire kakamwe.

(songs of Sudiani starts. The first song is interrupted in the middle at Marau's signal. A young man starts singing the second song, but this too is stopped before the main performance begins. Eventually Marau himself specifies the songs to be played.) <tape2a 30:06.0> (sudiani01 kutsanganya) (I'm not sure of my transcription) (solo) nenda kpwao ee hee waa wenda kpwao ee (dzende?) sudiani .(one word not clear). ee ii ee (chorus) nenda kpwao oo nenda kpwao oo (2~3 words not clear, maybe "dze yendako") sudiani nenda kpwao, oo oo oo

<tape2a 30:39.0> (sudiani02 kutsanganya) (For the lyrics, see sudiani05.)

Jawa:

kayamba mairo sana, ro kayamba!

Man1:

Ao anahenza mairo.

(music was stopped by Malau) Jawa:

Eh? Yunagomba wira. Hebu ambira wira chidogo.

Malau:

Jalajala yo mwendo wa kare...

Players:

Haya.

<tape2a 31:21.0> (sudiani03 kutsanganya) (solo=Jawa) jalajala yo mwendo wa kare jalajala yo mwendo wa kare maulana wee (chorus) jalajala yo mwendo wa kare jalajala yo mwendo wa kare maulana

(without a break the next song starts) <tape2a 33.58.0> (sudiani04 kusuka) (solo=Jawa) Allahu akubaru, Allahu akubaru (chorus) Allahu akubaru, Allahu akubaru (solo) Allahu swala (chorus) Akubaru allahu akubaru

(without a break the next song starts) <tape2a 42:11.0> (sudiani05 kubit'a)=the same song aborted as sudiani02 (solo=Jawa) sudiani wee mulongo sudiani wee mulongo nailailaa akubaru we kuna mwarabu we unasema chuo sudani wee mulongo (chorus) repeat above

<tape2b 0:0.0> (continuation of the song of sudiani05)

<tape2b 1:41.0> (the song stops) Man1:

Aa aa aa. kamo sudiani tse.

Nyawa:

Kpwani adzomba kadza rero. Richeni musomali.

Jawa:

Mmh.

Nyawa:

Dena, Dena, Mupigireni ye dena kare.

<tape2b 1:42.0> (dena01 kutsanganya)

<tape2b 3:32.0> (without a break, the next song starts) (dena02 kutsanganya)

<tape2b 5:26.0> (without a break, the next song starts.) (dena03 kutsanganya)

<tape2b 7:10.0> (without a break, the next song starts) (dena04 kubit'a with repetitions and improvisations)

<tape2b 8:41.0> (During the songs of Dena, Malau danced quite a bit, considering his ill health. Nyawa tells players to stop.)

Man1:

Waa Muzima!

Man2:

Kamo Dena?

(Several people are talking at the same time. The kayamba players seem to be complaining that despite their hard playing the spirit has already left Malau's body. They're saying things like they want to retreat and sleep.)

Jawa:

Nikamuze chidogo abaye kpwanza.

Man:

dzakulaa kare.

(people burst into laughter) Jawa:

A aak.

Mwaega:

Yudzangalala.

Nyawa: (to Malau)

Yudze ndiye atetemaye dza yunahenza pigirwa wira. Ye mutumia wa chigiryama ndiye ahenzaye pigirwa wira?

Malau: (He says something that sounds like "atu ile gani"(meaningless sentence), but according to Katana he now speaks Giriama language, which I cannot transcribe.)

Be atu ile gani?

Man:

Udzambadze ye?

Nyawa:

Amba mwimwi phapha kamulenga kamare.

<tape2b 9:30.0> (Kayamba players suddenly start playing another Dena song) (dena 05 ku-bit'a) (solo) Aa mayo tetema kare mayo tetema kare phana nguo (chorus) aa mayo tetema kare mayo tetema kare

<tape2b 11:14.0> (the song dena05 stops) Malau:

Phano achet'u....(barely audible)... <tape2b 11:23.0> Nyawa: Dzikala namba ye mutumia wa chigiriama ndiye mwenye moho, ndiye Dena. Samba ndiye mwenye moho mwirini?

Malau:

Wamba sisi be kona..hunagahenda ashinda gago.

Nyawa:

Mwi mwagahenda. Mwakoswa ni utu wani?

(silence) <tape2b 11:44.0> Malau:

...Kona sipata chochosi.

Nyawa:

Kupata chochosi?

<tape2b 12:01.0> Malau:

Nina suruwale yahuka.139

Nyawa:

Una suruwale yenye. Huh hm.

Malau:

Mautu gaga garichwa ka pindi.

Nyawa:

Huh hm.

Malau:

Nari hunayihenza.

Nyawa:

Munayihenza suruwale yenye.

Jawa:

Suruwale ya namna gani?

Malau:

... nyiru be.(not clearly heard).ile..

Nyawa:

Nyiru?

Malau:

Naenderera kuvala nayo, la mwaka gani be yiyo, yakpwenda madamada na yife kuko.

Jawa: (to Musoza、one of Malau's sons)

Samba yako yasira kpwa ni ya nyiru we?

Musoza:

Tsigamanya.

Woman(one of Malau's wives):

Kana. Yasira.

Jawa:

Yasira?

Nyawa:

Wakala una moho. Mwi kamwenzi kufisa. Ajeningbwa warichwa pindi, jibu kamanywa.

<tape2b 12:50.0> Malau:

Hwalitoka pindi, huchirichwa, hwalitoka pindi.

Jawa:

Sambi muuze nyo moho ni uwe hicheyo au ni musenao. Maana vivi be nahugombe, maneno gawelekezana t'ot'ot'o.

Nyawa:

Sambi uwe ungakala moho umumo, na unaona baha ukale mumo, ni kuratu vyokala kuna suruwale, hau phana miyao ariye nawe unats'ets'era uo moho kahiri?

Malau:

Dzamba musena wangu ambirwa...

Nyawa:

Wamba dze?

Malau:

Tsimanya kahi wambirwa ni hani. Wamba be pharatu akenda rome, achitosera huya, chidzako achenda mvumbulusa, achihenda see, lakini mwingine unadza kuts'ets'a. Unasikira? Sambi moho undauka, la lakini undauka kapindi. Ndo undauka.

Jawa:

Ndo nahenza uuke. Maana vivi sambi yo shida ya nguoyo yisikirika. Phano sambi namwi muchidza pata wira, ngoma zenye kupigirwa ngoma kakamwe.

Malau:

Amba phahali yako phosi udza tsanganya osini.

Jawa:

Eh tsona mba.

Malau:

Aratu phao rome hundakala hudza tsanganya osi.

Jawa:

Tsona mba.

Malau:

Nakpwambia chilumwenga. Nakpwamba be we nakpwambira be maneno gaga garicheni gaga. gaga kukut'a kut'a uo moho, haha. Swiswi ni kahutsunirwa kut'a. Unasikia?

Nyawa:

Hmn.

Malau:

Kpwa sababu phatu pharatu musenangu, kaphana mutu mumwenga bule. Aa akamba musenangu a phapho. Unasikira?

Nyawa:

Nasikira.

Malau:

Na yuno muzungu naye yu haho.

Nyawa:

Eeh.

Malau:

Unasikira.

Nyawa:

Nasikira.

Malau:

Haya be.

Jawa:

Muzungu yu wa keya, ama muzungu yu wa mumiani?

Malau:

wa mumiani.

Jawa:

Wa mumiani? A ye ayihenzaye daba?

Malau:

Uu.

Jawa:

Ooh. Samba yuya ni ndiye mwenye moho kutsanganyikana na yuno dena?

Nyawa:

Hata ni osi, jibu maana romengbwa hangu phapho.

Jawa:

Tso unasema vivyo.

Nyawa:

Na mwanache wa chilume unadza ts'ets'era tu phapho. Ta kaupho...

Jawa:

Sambi kaphana mutu muzima wa konera mwanache unenda neno dza rira "We tuwa rani ko?"

Malau:

Atu a kukanya kanya tsinge swisi vyo.

Jawa:

Tso namba, tsi ndo nigombavyo.

Malau:

Aa be we, chikala kunimanya.

Jawa:

Aa vino be hundakumanya vino. Hata vivi hee, nahenza vivi, nidzikpwambiradze swino?

Man1:

Wapatana nguoye.

Man2:

Ana nguoye? Ya peho ama suruwale?

Man1:

Aa ya shati na nguo kare.

Nyawa:

Yunahenza suruwale ye mutumia.

Jawa:

Sambi mwambe hivino abaye. Mwi ndimwi atumia muliokala munaidima kukanya aratu anache. Ye mwanache achikala utsakula kpwenda pharatu, udze kumwamba "We waricha moho we, kutsakula kuts'ets'era" Sambi aratu anache akanywa ni nyani? Mwi atumia. Vivi rero be hupataneni asena, zira ngoma zindapatikana. Be zigapatikana ziratu ngoma. Uno moho ukale naumricha kpwaka. Utsiake kahiri.

Nyawa:

Nahuzipige na nguvu.

Jawa:

Nahuzipige. Samba una nguvu. Eeh.

<tape2b 16:27.0> Malau:

Samba musenangu we. Mutu yunabujabuja sana yuyu. Yuyu mukamba yuyu. Yuna milingo milingo uwe.

Nyawa:

Yuna milingo.

Malau:

Mutu yuyu anze kumuusa. Mutengezere chivyake. Akale udzikpwa ...(inaudible)..

Jawa:

Mwambire hivino. Yokala na mbara ya machero. Sambi yo mbara ya machero na kuno mbara yehu yodzilaga phano gara gandagbwirana ama, hundahendadze? Hapa hupataneni t'ot'ot'o. Maana tso huna mbara ya machero, ukale sambi undauka yiyo kpwenda kuratu mukamba, haa be, atengezerwe chivyake hata amale. Haa phano vino dziika mbara vivyo, ya phamwenga ya yino muzungu yuno wa keya...

Malau:

Mutsakurire uyatu utuwe kpwanza yuyatu..

Jawa:

Ye muzungu wa keya?

Malau:

Ndiye ahenzaye yiya mizigo.

Jawa:

Haa be kaphana utu sambi. Maana nahenza hupataneni kpwamba unagbwira chiratu charo cha kpwenda lorera iyatu miiyo, hata ukakala unazidisha ukongo kahiri. Viratu ni ukala ukala be tsi sawa, ndo nahenza hupataneni chividzo. Haya endererani abaye. Mwambireni ukala be ye naakanye ano anache, ano anao na adzukuluo..

Malau:

Unasikira?

Nyawa:

Nasikira.

Malau:

Msenangu mino ni mutumia jeli.

Nyawa:

Mutumia.

Malau:

Lakini dzitu iru karimanywa bule.

Jawa:

Undamanywa muno vino!

Malau:

...mutu yuyu ni wa kubuja. Pha mutu mudzo phanadza..(two words not clearly heard)...Phanauka vivyo musenangu hee, mba kundafika kazini kura .(one word not clear)... Hata kumba wira kauimbwa, alakini mwambireni vivyo kukala hundapata.

Nyawa: (He replies "Hu mh" several times during this talk)

Malau:

Nidzalala kura pengo(swahili word which means "gap, hole"?) be, hawezi kuvipatira vifuko vingine kuko.

Nyawa:

Kpweli.

Malau:

Lakini be ninalala .(one word not clear).

Nyawa:

Siswi naswi kahuidima kumlemba.

Jawa:

Kahundalemba muno.

Nyawa:

Nichikulemba ndakala ni makosa gehu. Lakini sino hunahenza uphunguzira uratu moho, na mwanache yendamwona sengera pharatu, akale unazidi na kumukanya. Yi phondakala naswi, unafanya neno ambaro kukala, ta yiye yunamanya kukala "mino nidzandika namanywa ni atumia asena kumba". Ela, uchimwona mwanache yunasengera phenye moho, na unamba haya ts'ets'era sana. Achihenda viratu, yuyatu unahwangalaza. Maana sino undakala unahenda baha, ko mudzini manenogo kukala humtengezere yuno mutumia, mutumia unakaza kujinga haya ts'ets'era moho.

<tape2b 19:13.0> Jawa:

Mwambire hivino. Yiyatu nguoyo, sambi yiyatu suruwale unaidima ukpwenda kuratu Mombasa kpwenda lola suruwale zinapatikana? Unaidima kupata suruwaleye kamare yiyatu.

Nyawa: (As soon as Nyawa starts speaking, Jawa starts speaking at the same time, overlapping with him and saying similar things, making it difficult to hear what they are saying.)

Chiratu charo cha keya cha kutsakurira mufukoye, yiyatu yunaidima kpwenda pata. Chikala udzonekana, ukala nayiusa utu. Maana unahenza yiyo yipunguza utu tu. Uchipunguza utu, mwenye yunapata nafasi ya kpwenda tsakula utu.

Jawa:

Kpwenda tsakula yiyatu miyo tu sambi.

Nyawa:

Haya sambi chidzakala mudzimwika...

Malau:

Musenangu, pharatu ganene(Giryama word =gomba,sema) vivyo, tsi kuganene vivyo. Kpwa sababu ganene vivyo chikala uganga, ganene, ala chidzako huyu mugala na masai muna saa masaa riratu.

Jawa:

Kaphana utu phapho. Mino ni radhi ni phapho mwanzo ni malaga tu. Tsidima kauli, ala angali kupigirwa kayamba sambi, sisi hu achache vivi.

Nyawa:

Haya be naswi hudzisikira, aratu hundaapha radhi. Lakini mudzini nakuusa moho, asenani. Kaphana mubishi phapha, kaphana.

Jawa:

Kaphana.

Nyawa:

Kama ni hudzangalala. Phondagbwira vivi, hunawakonyesa kpwa kawona utu udzo. Ala vyo urivyo unasema, chikala undahuhendera mulangaza, umanya hunatuwa yo njira yenu t'ot'ot'o.

<tape2b 20:53.0> Malau: (People were chatting amongst themselves in the background, some touching the kayamba and making noises. Mr. Marau's hushed conversation was almost inaudible.)

Kpwa sababu, musena wangu,...(not clearly heard) mushipa u mumo, basi chila mutu yuna mushipa. Kaulagurika bule....<tape2b 21:38.0>..kakufika dawa kuko. kakufika kamare.

Nyawa:

Haya be kaphana utu. Na naswi hunahenda utu uo, ukalenga we unahenda phee, kpwa ukapate nafasi ya kutsakula miyo, hudze muphe wira, nahulalama t'ot'ot'o naswi, ndaunga amba hunalagulagula musipa. Chisha umanye musipa undalagulwa na musazo nyohudzifunga undafanywa.

Jawa:

Muno!

Nyawa:

Ala muvuguleni, udzamba mwinyi, na unafanya yo yenu, kana chinyume hiye. Muvuguleni, pumuzi zidze pumuzize ga maana. Chisha mupatire nafasi ya ukohozi uuke, na chakurya kurya na kupata choo chidzo, ndiyo kawaida. Undakala unamanya "Eeh basi. Kumba wanivugula, ee. Maana mimi ndimi kamufanyira kakamwe wahi." Ala udzamba mwinyi. Unafanya yiyo yenu. Muvuguleni asena, akanyanani. Kondo yidzanza pindi yiyi.

<tape2b 22:34.0> Nyawa:

Ha pigani masai atumia! Chidzako asindikize ye mugala.

<tape2b 22:38.0> (song of masai01 ku-suka) (solo) Hayaa laila bara, haya laila bara Hayaa laila bara, haya laila bara (chorus) Hayaa laila bara, haya laila bara Hayaa laila bara, haya laila bara (solo) .....(I cannot transcribe this part) (chorus) repeat above

<tape2b 26:48.0> (without a break, the second song of masai starts) (song of masai02 kutsanganya) (solo) zumo ra bara ziya (chorus) haa ziya (repeated many times)

<tape2b 28:07.0> (without a break, the third song of masai starts) (song of masai03 kubit'a) (It seems to be a variant of masai song "rero ni kondo, rero ni kondo", but hard to transcribe)

<tape2b 28:33.0> (without a break, the third song of masai starts) (song of masai04 kubit'a) (maybe a variant of "zumo ra chimasai")

<tape2b 30:30.0> (without a break, the third song of masai starts) (song of masai05 kubit'a) (solo) maye masai kalala maye masai kalala uchesa na mbega weyeweye (chorus) masai kalala masai kalala wee yuchesa na nzuga weyeweye

<tape2b 32:12.0> Jawa:

Kamo.

Nyawa:

Haya mugala, mugala, mugala.

<tape2b 32:14.0> (song of mugala01) (solo) kala nilele nauza mayo wira haya ende peleleza mugala (chorus) kala ni rero nauza ngawa haya peleleza mugala (repeated with improvization)

(Malau starts speaking "English" again, and the song of mugala stops. His "English" speech continues for over a minute.) <tape2b 36:38.0>

<tape2b 37:56.0> Nyawa:

Maneno gangu nagagomba chiduruma t'ot'ot'o yenye, kpwa sababu swino hudzangalazwa ni mutu ukala mukongo, na sino hunambwa kondoye ni mufuko ndo uhenzwao. Na bundukiye.

Malau:

Yah.

Nyawa:

Sambi sino kahuremere. Lakini hunahenza apate nafuu ya yiye mwenye kpwenenda atsakule mufuko, paka amanye mwangu ni uu, augule. Achidza nao, hudze muphe mura mufuko, na wira ubomu wenye t'ot'ot'o, ala yiye akale undapata nafuu, ndo hurigo nago phapho. Kpwa sababu mutu udzangalazwa ni ukohozi, ndani yi tele, choo kapata. Be chikala ndiwe dzigbwira kpweli, umuphe nafasi hiye, akatsakule hura mufuko, maana achihuma mutu, yundakpwenda gula mufukowo ambao tsio. Lakini aenda mwenye, undakala aenda wala mufuko ambao uwe undamanya yuyu musena wangu wanipatira mufuko kpweli.

Malau:

(cough) kaphana utu.(cough). tazama(cough) tazama...Navoya mungu.

Nyawa:

Mmh.

Malau:

Achihenza, nyo ukongo undauka t'ot'o.

Nyawa:

Unahenza uuke vyenye ukongo uo, t'ot'ot'o kakamwe.

Jawa:

Phana atu akola!

Malau:

Basi, unasikia, basi ko agana vizuri kama hivyo nazo. Kile chikohozi ndo ngonjwa.

Nyawa:

Sana pumzi ukakala chache.

Malau:

Koo kuwa ndogo ndogo, pumzi kuapa140 chidogo, ndiyo.

Nyawa:

Na ndani nkala t'ele, na kutsapata choo. Ndio ukongo uratu. Na moho kutsauka. Na mwiri kufanene. Usiku kpwa usiku kavidima kugbwira nguo. Na uwe musena wangu ndiyo ya kuhendayo yenye. Kpwa vivyo nahenza uvugule t'ot'ot'o, ta naye apate nafasi ya kuhenda tsakula kpwenye magari yaphenye, akatsakule mufuko ta upate. Na chiratu chibakuli chipatikane. Na riratu daba ringalipatikane, ta riwalwe vivyo. Udze uhewe wira na miyo hiyiya, musena wangu. Uvugule mwiri chividzo, ufanye kazi, maana wira kumanye u mutu wa kazi.

Jawa:

Ye musomali hiye, mwambire ye musomali yiye, musomali yiye. Mwambirize kakala cho chifyu chikpwenda onekana hichino, akachiika phatu phariphokala ta uchifika phapho chenda chona chi bule bule. Chicho ni kualika pia nacho chicho. Yuyatu akapata chifyucho kpwa chino china kondo Somali. Sino kahuenzi ukala vivi, ko kpwendere maneno garigo gana mangine go gakale ganayuga. Uratu mwiyo uratu udzipatikana, undakala udziona niuhenza sino, huuwale. Kpwa maana una shida cho chifyucho, Musomali. Chidzako ambokala ye ndiye mwenye miiya yiye. Na kuratu kakohozi pia (chi)zako we ndiwe mwenye, musomali.

Nyawa:

Kondo ni mufuko, kondo ni mufuko. Ndo ni kondo kamili.

Jawa:

Eeh.

Nyawa:

Hata yo bunduki yikanza kpwima, ela mfukongbwa.

Jawa:

Haya yo bunduki mwanze be yitengenezwe porepore, be yikatsongbwa kimalidadi, be ichikala undakala upate muzima yuno mwenye kpwanza.

Nyawa:

Haya be naswi nyo uzima ndo huuhenzao. Haya nende mwenye, nende mwenye, kutsakule miyo yosi, yigbwire mikononi. Ala tsi kuhuma mutu, kubananga pesa kasidi, na mwiyo ukareherwa mwiyo ambao kaufaa. Ala uchenda uwe mwenye, vivyo nawe unaidima kumanya mino be kona dzipata mwiyo wangu ambao unanifaa. Sambi udzo uhewe na wira wa chividzo chenye, ala vino akale kasikira utu udzo.

Jawa:

Chikohozi mwanzo chuuke, pumzi...

Nyawa:

Chikohozi chuuke, pumzize zi mbidzo, ndani yitsikale t'ele, mwiri utsife ganzi, na arye chakula na kumvuna, ndo unakala unapata nguvu. Muduruma yetsirya chakula, ukala nguvu udzipataphi?

Malau:

Ndiyo.

Nyawa:

Umuvugule umuvugule, musena wangu, umuvugule.

<tape2b 41:52.0> <tape2b 41:56.0> Jawa:

Akale phana mutu mungine ariokala anahenza radhi tsivyo.

Nyawa:

Aah. Yiye naona ni wa mwisho. Kona anaoya ao vivi.

Jawa:

Hayani.

Man:

Saa nane dakika kumi, vivi.

<tape2b 42:10.0> Nyawa:

Wende salama musena wangu! T'ot'ot'o. Mufuko ukipatikana. Sigarazo supotimani zikale pho t'ot'ot'o.

Malau:

Zindapatikana kesho.

Jawa:

Zindakpwenda ziwalwa phapha machero.

<tape2b 42:26.0> Nyawa:

Umuvugule, maana uchimuvugula tu, naye unamanya ukala be musena wangu kumba ndiye wa kufanyira, la, vivi udzangalala, kana swali kahiri. (Just when everyone thought it was finally over, Jawa brings up yet another topic!) <tape2b 42:34.0> Jawa: Ura ulingo unahenzwa chasi cha dzulu sana, ama ulingo ni chasi tu cha kumanya kukala mutu achilala yunaika miyoye vivi sawasawa?

Nyawa:

Aah ta namba achisagala akale...

Jawa:

Uona ye...

Malau:

Uu wa kutaka kupanda kidogo howa.

Nyawa:

Uu wa dzulu wa kupanda?

Malau:

Uu wa chimo cha mutu kare.(People laugh)

Nyawa:

Chimo cha mutu?

Malau:

Ni ure chidogo. fiti seven(seven feet) tu.

Jawa:

Ile mutu amepitisha kidogo. Sasa akifanya hivi, ana shaka kushika juu kabisa, kwa ashika kwa mukono na chimo cha mutu ichiwa chimefika, ee. Ukala kaphana utu.

Malau:

Kino kitu kidogo sana. Kwa sababu mutu asisimama hapa kwa chini, akifanya kufika pale juu yake.

Nyawa:

Unahenzwa ahende vita, kupanda.

Jawa & Others:

Hunasikira.

Man:

Ano azungu gago ahenzago.

Jawa:

Kaphana utu phapha.

<tape2b 43:31.0> Nyawa:

Haya be hunasanta musena wangu. Be umuvugule, na ukanyaneni anache atsits'ets'ere moho...

<tape2b 43:40.0> (Malau interrupts Nyawa's speech, but Malau's talk barely audible) Malau:

....umesikia?

Nyawa:

Umesikia?

Malau:(Malau speaks in a whisper, almost inaudible. His voice is particularly drowned out by the young men talking to each other and playing with a kayamba in the background.)

Tsimanya amri ya mungu, na maneno mengine siyajui. Yale sisi itakweza kuambia, lakini.....maneno....kwa sababu....

Nyawa:

Aah, angarikugamanya kpwidima kugagomba naswi.

Malau:

...kujua, nitakuambia. lakini sijui...nikuambe mimi nikipatana patana, nikuambie.

<tape2b 44:23.0> Nyawa:

Sasa nzuri. Hudzisikira riro ra mufukongbwa riro hudzisikira sana. Nahenza apate nguvu za kpwenda utsakule mufuko, upatikane, udze umuphe na wira t'ot'ot'o na chibakulingbwa chipatikane, na ro daba pia rikenda patikana ni kugulwa pia, na utu wowosi ukadza kadzaritiya kare ri phapha. Maana uwe mwenye kahuna chinyume na we tso utsihendere chinyume. Haa yo kondo yanzwa pindi, na chikala ni uwe, be sino hweri kahukumanya ndiwe, ela rero hudzimanya ni ukala ni uwe. Yuyu achipata mwangaza, na unafanyira yo yako. Maana yutsoka. Ala muvugule. Udzamba mwinyi muvugule. Ndani yiphunguke, pumzi zidze ni mbidzo, ukohozi uuke hinyo, akale muzima, apate nguvu za kutsakula hinyo mwiyoo uhenzao.

<tape2b 45:11.0> <tape2b 45:18.0> Nyawa:

Mwi ano Dena mosini, mwimwi wakati uo chila mutu unavina kutosheka.

Jawa:

Naavine ta akole.

Nyawa:

T'ot'ot'o kakamwe hali. Ala vino umuvuguleni, muusire hinyo moho, mtsimwonyese ilimu nyinji, mutsimwonyese ilimu nyinji, be mulongoza njira, be mulongoza njira phapho tu, t'ot'ot'o, uzima nahuona kutsakula mwiyo wenu kpweli. Maana tsi mubishi, ni udzangalala.

<tape2b 45:43.0> <tape2b 45:47.0> Nyawa:

Be go mambo mba ni gago kare.

Jawa:

Gokala gaphunguka.

Man:

Gaphunguka.

<tape2b 46:17.0> Jawa:(closing remarks)

Haya mwi, ndo namba ni baha makayamba. Asenani adze vyako, angadza, alolwe. Kahi ni kupata phatu pha kadzire ta kuchirira. Haya kona. Vino galaa t'ot'ot'o. Eeh. Ukala kala ni sawa, ni vidzo hulagana. Ukala gasirat'o.

注釈


1 「青い芯のトウモロコシ」村は、ドゥルマの中心交易町キナンゴから30キロちょっと奥にはいった地域だった。キナンゴをモンバサ街道沿いの町サンブルを結ぶ、ヴィグルンガーニ経由のダートロード沿いのムガマーニから歩いて20分ほどのところに、私が当時暮らしていたムァニョータ氏族の屋敷(mudzi2)があった。サンブルとキナンゴ間には、当時朝夕2往復する乗り合いバスがあった。地域の人々は早朝に往復する10人乗りくらいの小型のバスを「小さい男」を意味するカルメ(kalume)と名付け、夕方に往復する20人乗りくらいのバスを「小さい女」を意味するカチェツ(kachetu)と呼んでいた。どちらも、とくにカチェツは頻繁に故障し(エンジンはいつも押しがけだった)、ムガマーニのバス停の樹の下で何時間も無駄に待つことも稀ではなかった。来なければその日のサファリは諦めるしかない。結局キナンゴまでは最初からバスを諦めて徒歩で片道6時間かけて行く方が確実なくらいだった。
2 ムジ(mudzi)はドゥルマ社会における自律的な最も基礎的社会単位である。「屋敷」という日本語は裕福な家族が暮らす広い敷地をもつ大きな家屋のイメージであるが、mudzi(複数形 midzi)には家屋の大きさの含意はない。mudziの最小単位は一人の男性とその妻、子供からなり、居住のための小屋一つとその前庭、おそらくは家畜囲いがあるだけのものである。一夫多妻であれば、それぞれの妻が自分の小屋をもち、それらが前庭を取り巻く形で配置されている。さらにそれぞれの妻の息子たちが結婚し、自分の妻の小屋を父の小屋群の前庭の周辺にもつようになると、mudziの規模は大きくなる。兄弟たちは、父の死後も同じ場所に留まり、そこは父親の名前で「~のmudzi」と呼ばれ続ける。さらに孫の世代もということになると、mudziはほとんど集落、村と呼んでもおかしくないほどの規模になる。今日ではmudziの規模は小さくなる傾向にあるが、私が調査を始めた1980年代前半には、キナンゴの町とその近傍以外の地域では、こうした大きな規模のmudziが普通に見られた。そんな訳で「屋敷」という訳語は必ずしも違和感なく用いることができた。現在でもmudziが、その内部の問題を自分たちで解決する独立した自律的単位であることには変わりはなく、そうした自律した社会集団、周囲の世界(ブッシュ)とはっきり区別された小宇宙という意味で、「屋敷」という訳語を使い続けたいと思う。
3 ムズング・ワ・ケヤ(muzungu4 wa keya)。イスラム系の霊で、治療はローズウォーターの水で洗われること。ヤギを屠ってその血を飲む。男性の霊で、要求するものは白いランニングシャツ、白い短パン、靴、ソックス。背中に背負うリュックサック。木で作った(模型の)銃。人を見ると鉄砲で撃ってくるという(夢の中で)。ケヤ(keya)はイギリスのアフリカ植民地軍Kings African Rifles(KAR=keya)のこと。
4 ムズング(muzungu, pl.azungu)。「白人」(ドゥルマではいわゆる白人の肌の色は「赤」だとされている)。語源はスワヒリ語の動詞ク・ズングア(ku-zungua)に由来し、「無目的に歩き回る人」の意味だとされる。憑依霊の文脈では、憑依霊「白人」がいる。白人ではあるが、憑依霊の分類上は「イスラム系」である。白人という名の憑依霊には、ケヤの白人(muzungu wa keya)とムミアニの白人(muzungu wa mumiani)の2種類がいる。ケヤの白人はイギリスのアフリカ植民地軍Kings African Rifles(KAR=keya)の兵隊たちで、銃を肩にかけて進軍する。ムミアニの白人は、白衣を着て注射器でアフリカ人の血を吸い取り、それで薬を作っているという。
5 カヤンバ(kayamba)。憑依霊に対する「治療」のもっとも中心で盛大な機会がンゴマ(ngoma)あるはカヤンバ(makayamba)と呼ばれる歌と踊りからなるイベントである。どちらの名称もそこで用いられる楽器にちなんでいる。ンゴマ(ngoma)は太鼓であり、カヤンバ(kayamba, pl. makayamba)とはエレファントグラスの茎で作った2枚の板の間にトゥリトゥリの実(t'urit'ti6)を入れてジャラジャラ音を立てるようにした打楽器で10人前後の奏者によって演奏される。実際に用いられる楽器がカヤンバであっても、そのイベントをンゴマと呼ぶことも普通である。カヤンバ治療にはさまざまな種類がある。また、そこでは各憑依霊の持ち歌が歌われることから、この催しは単に「歌(wira7)」と呼ばれることもある。
6 ムトゥリトゥリ(mut'urit'uri)。和名トウアズキ。憑依霊ムルング他の草木。Abrus precatorius(Pakia&Cooke2003:390)。その実はトゥリトゥリと呼ばれ、カヤンバ楽器(kayamba)や、占いに用いる瓢箪(chititi)の中に入れられる。別名 mutsongo。
7 ウィラ(wira, pl.miira, mawira)。「歌」。しばしば憑依霊を招待する、太鼓やカヤンバ5の伴奏をともなう踊りの催しである(それは憑依霊たちと人間が直接コミュニケーションをとる場でもある)ンゴマ(8)、カヤンバ(5)と同じ意味で用いられる。
8 ンゴマ(ngoma)。「太鼓」あるいは太鼓演奏を伴う儀礼。木の筒にウシの革を張って作られた太鼓。または太鼓を用いた演奏の催し。憑依霊を招待し、徹夜で踊らせる催しもンゴマngomaと総称される。太鼓には、首からかけて両手で打つ小型のチャプオ(chap'uo, やや大きいものをp'uoと呼ぶ)、大型のムキリマ(muchirima)、片面のみに革を張り地面に置いて用いるブンブンブ(bumbumbu,mbumbumbu)などがある。ンゴマでは異なる音程で鳴る大小のムキリマやブンブンブを寝台の上などに並べて打ち分け、旋律を出す。熟練の技が必要とされる。チャプオは単純なリズムを刻む。憑依霊の踊りの催しには太鼓よりもカヤンバkayambaと呼ばれる、エレファントグラスの茎で作った2枚の板の間にトゥリトゥリの実(t'urit'uri6)を入れてジャラジャラ音を立てるようにした打楽器の方が広く用いられ、そうした催しはカヤンバあるいはマカヤンバと呼ばれる。もっとも、使用楽器によらず、いずれもンゴマngomaと呼ばれることも多い。特に太鼓だということを強調する場合には、そうした催しは ngoma zenye 「本当のngoma」と呼ばれることもある。また、そこでは各憑依霊の持ち歌が歌われることから、この催しは単に「歌(wira7)」と呼ばれることもある。
9 ブワナ・ムガンガ(bwana muganga)。ブワナ(bwana)はスワヒリ語で「主人、主」を意味するが、名前などの前に付ける、英語のMr.に当たる敬称でもある。ムガンガ(muganga)は施術師。ここでブワナ・ムガンガと呼ばれているJawa Mwero氏は、この屋敷の長であるMalau氏の弟。私がこの屋敷を滞在地にしようと思った理由の一つに、施術師(当時は「呪医」などと呼んでいたが)がいる!と勘違いしたというのがある。仲良くなったらいろいろ教えてもらえるかも、みたいな。でも、ジャワ氏は施術師ではなく、単に彼が生まれた日が、植民地政府が派遣している医師(西洋人の医師を人々はブワナ・ムガンガと呼んでいたのだ)がこの村に回ってくる日だったことに由来するあだ名に過ぎなかった。という訳で、私の勘違いだったのだが、幸運にも彼の兄のマラウ氏が、この地域では名前の知られた憑依霊の施術師だったので、私の狙い通りに私は施術師がいる屋敷に滞在することになった。私はジャワ氏をブワナ・ムガンガというあだ名の方で呼んでいたので、このテキストでは一貫してブワナ・ムガンガの名前を用いている。新しい書き起こしでは、本名のJawa氏を使っている。
10 ムガンガ(muganga pl. aganga)。癒やす者、施術師、治療師。人々を見舞うさまざまな災厄や病に対処する専門家。彼らが行使する施術・業がuganga11であり、ざっくり分けた3区分それぞれの専門の施術師がいる。(1)秩序の乱れや規則違反がもたらす災厄に対処する「冷やしの施術師(muganga wa kuphoza)」(2)薬(muhaso)を使役して他人に危害をもたらす妖術使いが引き起こした災厄や病気に、同じく薬を使役して対処する「妖術の施術師(muganga wa utsai(or matsai))」(3)憑依霊が引き起こす病気や災いに対処し、自らのもつ憑依霊の能力と知識をもとに、患者と憑依霊の関係を正常化し落ち着かせる技に通じた「憑依霊の施術師(muganga wa nyama(or shetani, or p'ep'o))」がそれである。
11 ウガンガ(uganga)。癒やしの術、治療術、施術などという訳語を当てている。病気やその他の災に対処する技術。さまざまな種類の術があるが、大別すると3つに分けられる。(1)冷やしの施術(uganga wa kuphoza): 安心安全に生を営んでいくうえで従わねばならないさまざまなやり方・きまり(人々はドゥルマのやり方chidurumaと呼ぶ)を犯した結果生じる秩序の乱れや災厄、あるいは外的な事故がもたらす秩序の乱れを「冷やし」修正する術。(2)薬の施術(uganga wa muhaso): 妖術使い(さまざまな薬を使役して他人に不幸や危害をもたらす者)によって引き起こされた病気や災厄に対処する、妖術使い同様に薬の使役に通暁した専門家たちが提供する術。(3)憑依霊の施術(uganga wa nyama): 憑依霊によって引き起こされるさまざまな病気に対処し、憑依霊と交渉し患者と憑依霊の関係を取り持ち、再構築し、安定させる癒やしの術。
12 ムァラブ(mwarabu)。憑依霊アラブ人、単にp'ep'oと言うこともある。ムルングに次ぐ高位の憑依霊。ムルングが池系(maziyani)の憑依霊全体の長である(ndiye mubomu wa a maziyani osi)のに対し、アラブ人はイスラム系の憑依霊全体の長(ndiye mubomu wa p'ep'o a chidzomba osi)。ディゴ地域ではカヤンバ儀礼はアラブ人の歌から始まる。ドゥルマ地域では通常はムルングの歌から始まる。縁飾り(mitse)付きの白い布(kashida)と杖(mkpwaju)、襟元に赤い布を縫い付けた白いカンズ(moyo wa tsimba)を要求。rohaniは女性のアラブ人だと言われる。症状:全身瘙痒、掻きむしってchironda(傷跡、ケロイド、瘡蓋)
13 マコロツィク(makolotsiku)。マコロウツィク(makoloutsiku)、マコロウシク(makolousiku)とも。徹夜のカヤンバ(ンゴマ)の中間に挟まれる休憩時間で、参加者に軽い料理(揚げパンと紅茶が多い)あるいはヤシ酒が振る舞われる。この経費も主催者もちであるが、料理や準備には施術師の弟子(anamadziやateji)たちもカヤンバ開始前から協力する。
14 後から考えると、これをマコロウシク(夜中の休憩の軽食)と考えたのは間違い。「突然のカヤンバ(憑依霊をみるカヤンバ)」なら徹夜は予定されていなかったはず。単に遅めの夕食を参加者全員に振る舞ったものだったと思われる。
15 ヴオ(vuo, pl. mavuo)。「薬液」、さまざまな草木の葉を水の中で揉みしだいた液体。草木を水のなかで揉みしだく動作をク・ヴガ(ku-vuga)という。薬液は、すすったり、phungo(葉のついた小枝の束)を浸して雫を患者にふりかけたり、それで患者を洗ったり、患者がそれをすくって浴びたり、といった形で用いる。
16 ムヒ(muhi、複数形は mihi)。植物一般を指す言葉だが、憑依霊の文脈では、治療に用いる草木を指す。憑依霊の治療においては霊ごとに異なる草木の組み合わせがあるが、大きく分けてイスラム系の憑依霊に対する「海岸部の草木」(mihi ya pwani(pl.)/ muhi wa pwani(sing.))、内陸部の憑依霊に対する「内陸部の草木」(mihi ya bara(pl.)/muhi wa bara(sing.))に大別される。冷やしの施術や、妖術の施術11においても固有の草木が用いられる。muhiはさまざまな形で用いられる。搗き砕いて香料(mavumba17)の成分に、根や木部は切り彫ってパンデ(pande18)に、根や枝は煎じて飲み薬(muhi wa kunwa, muhi wa kujita)に、葉は水の中で揉んで薬液(vuo)に、また鍋の中で煮て蒸気を浴びる鍋(nyungu24)治療に、土器片の上で炒ってすりつぶし黒い粉状の薬(muhaso, mureya)に、など。ミヒニ(mihini)は字義通りには「木々の場所(に、で)」だが、施術の文脈では、施術に必要な草木を集める作業を指す。
17 マヴンバ(mavumba)。「香料」。憑依霊の種類ごとに異なる。乾燥した草木や樹皮、根を搗き砕いて細かくした、あるいは粉状にしたもの。イスラム系の霊に用いられるものは、スパイスショップでピラウ・ミックスとして購入可能な香辛料ミックス。
18 パンデ(pande, pl.mapande)。草木の幹、枝、根などを削って作る護符19。穴を開けてそこに紐を通し、それで手首、腰、足首など付ける箇所に結びつける。
19 「護符」。憑依霊の施術師が、憑依霊によってトラブルに見舞われている人に、処方するもので、患者がそれを身につけていることで、苦しみから解放されるもの。あるいはそれを予防することができるもの。ンガタ(ngata20)、パンデ(pande18)、ピング(pingu21)、ヒリジ(hirizi22)、ヒンジマ(hinzima23)など、さまざまな種類がある。ピング(pingu)で全部を指していることもある。憑依霊ごとに(あるいは憑依霊のグループごとに)固有のものがある。勘違いしやすいのは、それを例えば憑依霊除けのお守りのようなものと考えてしまうことである。施術師たちは、これらを憑依霊に対して差し出される椅子(chihi)だと呼ぶ。憑依霊は、自分たちが気に入った者のところにやって来るのだが、椅子がないと、その者の身体の各部にそのまま腰を下ろしてしまう。すると患者は身体的苦痛その他に苦しむことになる。そこで椅子を用意しておいてやれば、やってきた憑依霊はその椅子に座るので、患者が苦しむことはなくなる、という理屈なのである。「護符」という訳語は、それゆえあまり適切ではないのだが、それに代わる適当な言葉がないので、とりあえず使い続けることにするが、霊を寄せ付けないためのお守りのようなものと勘違いしないように。
20 ンガタ(ngata)。護符19の一種。布製の長方形の袋状で、中に薬(muhaso),香料(mavumba),小さな紙に描いた憑依霊の絵などが入れてあり、紐で腕などに巻くもの、あるいはライカのンガタが代表的であるが、帯状の布のなかに薬などを入れてひねって包み、そのまま腕などに巻くものなど、さまざまなものがある。
21 ピング(pingu)。薬(muhaso:さまざまな草木由来の粉)を布などで包み、それを糸でぐるぐる巻きに球状に縫い固めた護符19の一種。厳密にはそうなのだが、護符の類をすべてピングと呼ぶ使い方も広く見られる。
22 ヒリジ(hirizi, pl.hirizi)。スワヒリ語では、コーランの章句を書いて作った護符を指す。革で作られた四角く縫い合わされた小さな袋状の護符で、コーランの章句が書かれた紙などが折りたたまれて封入されている。紐が通してあり、首などから掛ける。ドゥルマでも同じ使い方もされるが、イスラムの施術師が作るものにはヒンジマ(hinzima23)という言葉があり、ヒリジは、ドゥルマでは非イスラムの施術師によるピングなどの護符を含むような使い方も普通にされている。
23 ヒンジマ(hinzima, pl. hinzima)。革で作られた四角く縫い合わされた小さな袋状の護符で、コーランの章句が書かれた紙などが折りたたまれて封入されている。紐が通してあり、首などから掛ける。イスラム教の施術師によって作られる。スワヒリ語のヒリジ(hirizi)に当たるが、ドゥルマではヒリジ(hirizi22)という語は、非イスラムの施術師が作る護符(pinguなど)も含む使い方をされている。イスラムの施術師によって作られるものを特に指すのがヒンジマである。
24 ニュング(nyungu)。nyunguとは土器製の壺のような形をした鍋で、かつては煮炊きに用いられていた。このnyunguに草木(mihi)その他を詰め、火にかけて沸騰させ、この鍋を脚の間において座り、すっぽり大きな布で頭から覆い、鍋の蒸気を浴びる(kudzifukiza; kochwa)。それが終わると、キザchiza25、あるいはziya(池)のなかの薬液(vuo)を浴びる(koga)。憑依霊治療の一環の一種のサウナ的蒸気浴び治療であるが、患者に対してなされる治療というよりも、患者に憑いている霊に対して提供されるサービスだという側面が強い。https://www.mihamamoto.com/research/mijikenda/durumatxt/pot-treatment.htmlを参照のこと
25 キザ(chiza)。憑依霊のための草木(muhi主に葉)を細かくちぎり、水の中で揉みしだいたもの(vuo=薬液)を容器に入れたもの。患者はそれをすすったり浴びたりする。憑依霊による病気の治療の一環。室内に置くものは小屋のキザ(chiza cha nyumbani)、屋外に置くものは外のキザ(chiza cha konze)と呼ばれる。容器としては取っ手のないアルミの鍋(sfuria)が用いられることも多いが、外のキザには搗き臼(chinu)が用いられることが普通である。屋外に置かれたものは「池」(ziya26)とも呼ばれる。しばしば鍋治療(nyungu24)とセットで設置される。
26 ジヤ(ziya, pl.maziya)。「池、湖」。川(muho)、洞窟(pangani)とともに、ライカ(laika)、キツィンバカジ(chitsimbakazi),シェラ(shera)などの憑依霊の棲み処とされている。またこれらの憑依霊に対する薬液(vuo15)が入った搗き臼(chinu)や料理鍋(sufuria)もジヤと呼ばれることがある(より一般的にはキザ(chiza25)と呼ばれるが)。
27 ムルング(mulungu)。ムルングはドゥルマにおける至高神で、雨をコントロールする。憑依霊のムァナムルング(mwanamulungu)28との関係は人によって曖昧。憑依霊につく「子供」mwanaという言葉は、内陸系の憑依霊につける敬称という意味合いも強い。一方憑依霊のムルングは至高神ムルング(女性だとされている)の子供だと主張されることもある。私はムァナムルング(mwanamulungu)については「ムルング子神」という訳語を用いる。しかし単にムルング(mulungu)で憑依霊のムァナムルングを指す言い方も普通に見られる。このあたりのことについては、ドゥルマの(特定の人による理論ではなく)慣用を尊重して、あえて曖昧にとどめておきたい。
28 ムァナムルング(mwanamulungu)。「ムルング子神」と訳しておく。憑依霊の名前の前につける"mwana"には敬称的な意味があると私は考えている。しかし至高神ムルング(mulungu)と憑依霊のムルング(mwanamulungu)の関係については、施術師によって意見が分かれることがある。多くの人は両者を同一とみなしているが、天にいるムルング(女性)が地上に落とした彼女の子供(女性)だとして、区別する者もいる。いずれにしても憑依霊ムルングが、すべての憑依霊の筆頭であるという点では意見が一致している。憑依霊ムルングも他の憑依霊と同様に、自分の要求を伝えるために、自分が惚れた(あるいは目をつけた kutsunuka)人を病気にする。その症状は身体全体にわたる。その一つに人々が発狂(kpwayuka)と呼ぶある種の精神状態がある。また女性の妊娠を妨げるのも憑依霊ムルングの特徴の一つである。ムルングがこうした症状を引き起こすことによって満たそうとする要求は、単に布(nguo ya mulungu と呼ばれる黒い布 nguo nyiru (実際には紺色))であったり、ムルングの草木を水の中で揉みしだいた薬液を浴びることであったり(chiza25)、ムルングの草木を鍋に詰め少量の水を加えて沸騰させ、その湯気を浴びること(「鍋nyungu」)であったりする。さらにムルングは自分自身の子供を要求することもある。それは瓢箪で作られ、瓢箪子供と呼ばれる29。女性の不妊はしばしばムルングのこの要求のせいであるとされ、瓢箪子供をムルングに差し出すことで妊娠が可能になると考えられている30。この瓢箪子供は女性の子供と一緒に背負い布に結ばれ、背中の赤ん坊の健康を守り、さらなる妊娠を可能にしてくれる。しかしムルングの究極の要求は、患者自身が施術師になることである。ムルングが引き起こす症状で、すでに言及した「発狂kpwayuka」は、ムルングのこの究極の要求につながっていることがしばしばである。ここでも瓢箪子供としてムルングは施術師の「子供」となり、彼あるいは彼女の癒やしの術を助ける。もちろん、さまざまな憑依霊が、癒やしの仕事(kazi ya uganga)を欲して=憑かれた者がその霊の癒しの術の施術師(muganga 癒し手、治療師)となってその霊の癒やしの術の仕事をしてくれるようになることを求めて、人に憑く。最終的にはこの願いがかなうまでは霊たちはそれを催促するために、人を様々な病気で苦しめ続ける。憑依霊たちの筆頭は神=ムルングなので、すべての施術師のキャリアは、まず子神ムルングを外に出す(徹夜のカヤンバ儀礼を経て、その瓢箪子供を授けられ、さまざまなテストをパスして正式な施術師として認められる手続き)ことから始まる。
29 ムァナ・ワ・ンドンガ(mwana wa ndonga)。ムァナ(mwana, pl. ana)は「子供」、ンドンガ(ndonga)は「瓢箪」。「瓢箪の子供」を意味する。「瓢箪子供」と訳すことにしている。瓢箪の実(chirenje)で作った子供。瓢箪子供には2種類あり、ひとつは施術師が特定の憑依霊(とその仲間)の癒やしの術(uganga)をとりおこなえる施術師に就任する際に、施術上の父と母から授けられるもので、それは彼(彼女)の施術の力の源泉となる大切な存在(彼/彼女の占いや治療行為を助ける憑依霊はこの瓢箪の姿をとった彼/彼女にとっての「子供」とされる)である。一方、こうした施術師の所持する瓢箪子供とは別に、不妊に悩む女性に授けられるチェレコchereko(ku-ereka 「赤ん坊を背負う」より)とも呼ばれる瓢箪子供30がある。瓢箪子供の各部の名称については、図32を参照。
30 チェレコ(chereko)。「背負う」を意味する動詞ク・エレカ(kpwereka)より。不妊の女性に与えられる瓢箪子供29。子供がなかなかできない(ドゥルマ語で「彼女は子供をきちんと置かない kaika ana」と呼ばれる事態で、連続する死産、流産、赤ん坊が幼いうちに死ぬ、第二子以降がなかなか生まれないなども含む)原因は、しばしば自分の子供がほしいムルング子神28がその女性の出産力に嫉妬して、その女性の妊娠を阻んでいるためとされる。ムルング子神の瓢箪子供を夫婦に授けることで、妻は再び妊娠すると考えられている。まだ一切の加工がされていない瓢箪(chirenje)を「鍋」とともにムルングに示し、妊娠・出産を祈願する。授けられた瓢箪は夫婦の寝台の下に置かれる。やがて妻に子供が生まれると、徹夜のカヤンバを開催し施術師はその瓢箪の口を開け、くびれた部分にビーズ ushangaの紐を結び、中身を取り出す。夫婦は二人でその瓢箪に心臓(ムルングの草木を削って作った木片mapande18)、内蔵(ムルングの草木を砕いて作った香料17)、血(ヒマ油31)を入れて「瓢箪子供」にする。徹夜のカヤンバが夜明け前にクライマックスになると、瓢箪子供をムルング子神(に憑依された妻)に与える。以後、瓢箪子供は夜は夫婦の寝台の上に置かれ、昼は生まれた赤ん坊の背負い布の端に結び付けられて、生まれてきた赤ん坊の成長を守る。瓢箪子どもの血と内臓は、切らさないようにその都度、補っていかねばならない。夫婦の一方が万一浮気をすると瓢箪子供は泣き、壊れてしまうかもしれない。チェレコを授ける儀礼手続きの詳細は、浜本満, 1992,「「子供」としての憑依霊--ドゥルマにおける瓢箪子供を連れ出す儀礼」『アフリカ研究』Vol.41:1-22を参照されたい。
31 ニョーノ(nyono)。ヒマ(mbono, mubono)の実、そこからヒマの油(mafuha ga nyono)を抽出する。さまざまな施術に使われるが、ヒマの油は閉経期を過ぎた女性によって抽出されねばならない。ムルングの瓢箪子供には「血」としてヒマの油が入れられる。
32 ンドンガ(ndonga)。瓢箪chirenjeを乾燥させて作った容器。とりわけ施術師(憑依霊、妖術、冷やしを問わず)が「薬muhaso」を入れるのに用いられる。憑依霊の施術師の場合は、薬の容器とは別に、憑依霊の瓢箪子供 mwana wa ndongaをもっている。内陸部の霊たちの主だったものは自らの「子供」を欲し、それらの霊のmuganga(癒し手、施術師)は、その就任に際して、医療上の父と母によって瓢箪で作られた、それらの霊の「子供」を授かる。その瓢箪は、中に心臓(憑依霊の草木muhiの切片)、血(ヒマ油、ハチミツ、牛のギーなど、霊ごとに定まっている)、腸(mavumba=香料、細かく粉砕した草木他。その材料は霊ごとに定まっている)が入れられている。瓢箪子供は施術師の癒やしの技を手助けする。しかし施術師が過ちを犯すと、「泣き」(中の液が噴きこぼれる)、施術師の癒やしの仕事(uganga)を封印してしまったりする。一方、イスラム系の憑依霊たちはそうした瓢箪子供をもたない。例外が世界導師とペンバ人なのである(ただしペンバ人といっても呪物除去のペンバ人のみで、普通の憑依霊ペンバ人は瓢箪をもたない)。瓢箪子供については〔浜本 1992〕に詳しい(はず)。
33 タイレ(taire)。2つの意味で用いられる間投詞。(1)施術の場で、その場にいる人々の注意を喚起する言葉として。複数形taireniで複数の人々に対して用いるのが普通。「ご傾聴ください」「ごらんください」これに対して人々は za mulungu「ムルングの」と応える。(2)占いmburugaにおいて施術師の指摘が当たっているときに諮問者が発する言葉として。「その通り」。
34 その後1986年以降、キナンゴ近辺での調査になり、イスラム教徒が多数派のディゴ地域においてはカヤンバは「憑依霊アラブ人」から始めるのが通例であることを知る。キナンゴ周辺ではムルングから始める方がまだ優勢であったが、憑依霊アラブ人から始めるのもごく普通に知られていた。1983年の「青い芯のトウモロコシ」村界隈では、憑依霊アラブ人からカヤンバを開始するのはまだ珍しかったと思われる。
35 ウバニ(ubani)。乳香
36 ニャマ(nyama)。憑依霊について一般的に言及する際に、最もよく使われる名詞がニャマ(nyama)という言葉である。これはドゥルマ語で「動物」の意味。ペーポー(p'ep'o37)、シェターニ(shetani38スワヒリ語)も、憑依霊を指す言葉として用いられる。名詞クラスは異なるが nyama はまた「肉、食肉」の意味でも用いられる。憑依霊はさまざまな仕方で分類される。その一つは「ニャマ・ワ・ムウィリニ(nyama wa mwirini39)」と「ニャマ・ワ・クウサ(nyama wa kuusa41)」の区別。前者は「身体にいる憑依霊」の意味で人に憑いて一生続く関係をもつ憑依霊。憑依霊の施術師たちの手を借りて交渉し、霊たちの要求を満たしてやることで、霊と比較的安定して友好的(?)な関係を維持することができる。このタイプの霊の多くは除霊できない。後者は「除去の憑依霊」の意味で、女性に憑くが、その子供を殺してしまうので除霊(kukokomola40)が必要な霊。後者の多くは、妖術使いによって送りつけられたジネ系の霊で、イスラム教徒の施術師による除霊を必要とする。他にも「上の霊(nyama wa dzulu)」と呼ばれる鳥の霊たちがあり、こちらはドゥルマの施術師によって除霊できる。この分類とは別に憑依霊を、「海岸部の憑依霊(nyama wa pwani63)」あるいは「イスラム系の憑依霊(nyama wa chidzomba48)」と「内陸部の憑依霊(nyama wa bara64)」の2つに分ける区別もある。
37 ペーポー(p'ep'o, pl. map'ep'o)。p'ep'oは憑依霊一般を指すが、憑依霊アラブ人(Mwarabu)と同義に用いられる場合もある。ペーポー子神(mwana p'ep'o)という呼称は、憑依霊アラブ人に対する呼称。なお憑依霊一般については p'ep'oの他に、shetani38もあるが、ドゥルマ地域ではnyama(「動物」を意味する普通名詞36)という言葉が最も一般的に用いられる。
38 シェタニ(shetani, pl.mashetani)。憑依霊を指す一般的な言葉の一つ。スワヒリ語。同じくスワヒリ語には憑依霊を指す言葉としてシャイタニ(shaitani, pl.mashaitani)もあるが、こちらはドゥルマでは用いられていない。他にペーポ(p'ep'o, pl.map'ep'o)もスワヒリ語起源で、ドゥルマで憑依霊の意味で用いられているが、スワヒリ語では「精霊」の意味以外に「他界」「死後の世界」「精霊の棲み処」など場所や空間の意味でも用いられる。ドゥルマ語固有の憑依霊を指す言葉としては、ニャマ(nyama, pl.nyama)があり、憑依霊の話しをする際に最もよく耳にするのがこれである。nyama は「動物、肉」を意味する普通名詞でもある。
39 ニャマ・ワ・ムウィリニ(nyama wa mwirini, pl. nyama a mwirini)「身体の憑依霊」。除霊(kukokomola40)の対象となるニャマ・ワ・クウサ(nyama wa kuusa, pl. nyama a kuusa)「除去の憑依霊」との対照で、その他の通常の憑依霊を「身体の憑依霊」と呼ぶ分類がある。通常の憑依霊は、自分たちの要求をかなえてもらうために人に憑いて、その人を病気にする。施術師がその霊と交渉し、要求を聞き出し、それを叶えることによって病気は治る。憑依霊の要求に応じて、宿主は憑依霊のお気に入りの布を身に着けたり、徹夜の踊りの会で踊りを開いてもらう。憑依霊は宿主の身体を借りて踊り、踊りを楽しむ。こうした関係に入ると、憑依霊を宿主から切り離すことは不可能となる。これが「身体の憑依霊」である。こうした霊を除霊することは極めて危険で困難であり、事実上不可能と考えられている。
40 ク・ココモラ(ku-kokomola)。「除霊する」。憑依霊を2つに分けて、「身体の憑依霊 nyama wa mwirini39」と「除去の憑依霊 nyama wa kuusa4142と呼ぶ呼び方がある。ある種の憑依霊たちは、女性に憑いて彼女を不妊にしたり、生まれてくる子供をすべて殺してしまったりするものがある。こうした霊はときに除霊によって取り除く必要がある。ペポムルメ(p'ep'o mulume49)、カドゥメ(kadume54)、マウィヤ人(Mawiya55)、ドゥングマレ(dungumale58)、ジネ・ムァンガ(jine mwanga59)、トゥヌシ(tunusi60)、ツォビャ(tsovya62)、ゴジャマ(gojama57)などが代表例。しかし除霊は必ずなされるものではない。護符pinguやmapandeで危害を防ぐことも可能である。「上の霊 nyama wa dzulu52」あるいはニューニ(nyuni「キツツキ」53)と呼ばれるグループの霊は、子供にひきつけをおこさせる危険な霊だが、これは一般の憑依霊とは別個の取り扱いを受ける。これも除霊の主たる対象となる。動詞ク・シンディカ(ku-sindika「(戸などを)閉ざす、閉める、閉め出す」)、ク・ウサ(ku-usa「除去する」)、ク・シサ(ku-sisa「(客などを)送っていく、見送る、送り出す(帰り道の途中まで同行して)、殺す」)も同じ除霊を指すのに用いられる。スワヒリ語のku-chomoa(「引き抜く」「引き出す」)から来た動詞 ku-chomowa も、ドゥルマでは「除霊する」の意味で用いられる。ku-chomowaは一つの霊について用いるのに対して、ku-kokomolaは数多くの霊に対してそれらを次々取除く治療を指すと、その違いを説明する人もいる。
41 ニャマ・ワ・クウサ(nyama wa kuusa, pl. nyama a kuusa42)。「除去の憑依霊」。憑依霊のなかのあるものは、女性に憑いてその女性を不妊にしたり、その女性が生む子供を殺してしまったりする。その場合には女性からその憑依霊を除霊する(kukokomola40)必要がある。これはかなり危険な作業だとされている。イスラム系の霊のあるものたち(とりわけジネと呼ばれる霊たち45)は、イスラム系の妖術使いによって攻撃目的で送りこまれる場合があり、イスラム系の施術師による除霊を必要とする。妖術によって送りつけられた霊は、「妖術の霊(nyama wa utsai)」あるいは「薬の霊(nyama wa muhaso)」などの言い方で呼ばれることもある。ジネ以外のイスラム系の憑依霊(nyama wa chidzomba48)も、ときに女性を不妊にしたり、その子供を殺したりするので、その場合には除霊の対象になる。ニャマ・ワ・ズル(nyama wa dzulu, pl.nyama a dzulu52)「上の霊」あるいはニューニ(nyuni53)と呼ばれる多くは鳥の憑依霊たちは、幼児にヒキツケを引き起こしたりすることで知られており、憑依霊の施術師とは別に専門の施術師がいて、彼らの治療の対象であるが、ときには成人の女性に憑いて、彼女の生む子供を立て続けに殺してしまうので、除霊の対象になる。内陸系の霊のなかにも、女性に憑いて同様な危害を及ぼすものがあり、その場合には除霊の対象になる。こうした形で、除霊の対象にならない憑依霊たちは、自分たちの宿主との間に一生続く関係を構築する。要求がかなえられないと宿主を病気にするが、友好的な関係が維持できれば、宿主にさまざまな恩恵を与えてくれる場合もある。これらの大多数の霊は「除去の憑依霊」との対照でニャマ・ワ・ムウィリニ(nyama wa mwirini, pl. nyama a mwirini39)「身体の憑依霊」と呼ばれている。
42 クウサ(ku-usa)。「除去する、取り除く」を意味する動詞。転じて、負っている負債や義務を「返す」、儀礼や催しを「執り行う」などの意味にも用いられる。例えば祖先に対する供犠(sadaka)をおこなうことは ku-usa sadaka、婚礼(harusi)を執り行うも ku-usa harusiなどと言う。クウサ・ムズカ(muzuka)あるいはミジム(mizimu)とは、ムズカに祈願して願いがかなったら云々の物を供犠します、などと約束していた場合、成願時にその約束を果たす(ムズカに「支払いをする(ku-ripha muzuka)」ともいう)ことであったり、妖術使いがムズカに悪しき祈願を行ったために不幸に陥った者が、それを逆転させる措置(たとえば「汚れを取り戻す」43など)を行うことなどを意味する。
43 ノンゴ(nongo)。「汚れ」を意味する名詞だが、象徴的な意味ももつ。ノンゴの妖術 utsai wa nongo というと、犠牲者の持ち物の一部や毛髪などを盗んでムズカ44などに隠す行為で、それによって犠牲者は、「この世にいるようで、この世にいないような状態(dza u mumo na dza kumo)」になり、何事もうまくいかなくなる。身体的不調のみならずさまざまな企ての失敗なども引き起こす。治療のためには「ノンゴを戻す(ku-udza nongo)」必要がある。「悪いノンゴ(nongo mbii)」をもつとは、人々から人気がなくなること、何か話しても誰にも聞いてもらえないことなどで、人気があることは「良いノンゴ(nongo mbidzo)」をもっていると言われる。悪いノンゴ、良いノンゴの代わりに「悪い臭い(kungu mbii)」「良い臭い(kungu mbidzo)」と言う言い方もある。
44 ムズカ(muzuka)。特別な木の洞や、洞窟で霊の棲み処とされる場所。また、そこに棲む霊の名前。ムズカではさまざまな祈願が行われる。地域の長老たちによって降雨祈願が行われるムルングのムズカと呼ばれる場所と、さまざまな霊(とりわけイスラム系の霊)の棲み処で個人が祈願を行うムズカがある。後者は祈願をおこないそれが実現すると必ず「支払い」をせねばならない。さもないと災が自分に降りかかる。妖術使いはしばしば犠牲者の「汚れ43」をムズカに置くことによって攻撃する(「汚れを奪う」妖術)という。「汚れを戻す」治療が必要になる。
45 マジネ(majine)はジネ(jine)の複数形。イスラム系の妖術。イスラムの導師に依頼して掛けてもらうという。コーランの章句を書いた紙を空中に投げ上げるとそれが魔物jineに変化して命令通り犠牲者を襲うなどとされ、人(妖術使い)に使役される存在である。自らのイニシアティヴで人に憑依する憑依霊のジネ(jine)と、一応区別されているが、あいまい。フィンゴ(fingo46)のような屋敷や作物を妖術使いから守るために設置される埋設呪物も、供犠を怠ればジネに変化して人を襲い始めるなどと言われる。
46 フィンゴ(fingo, pl.mafingo)。私は「埋設薬」という翻訳を当てている。(1)妖術使いが、犠牲者の屋敷や畑を攻撃する目的で、地中に埋設する薬(muhaso47)。(2)妖術使いの攻撃から屋敷を守るために屋敷のどこかに埋設する薬。いずれの場合も、さまざまな物(例えば妖術の場合だと、犠牲者から奪った衣服の切れ端や毛髪など)をビンやアフリカマイマイの殻、ココヤシの実の核などに詰めて埋める。一旦埋設されたフィンゴは極めて強力で、ただ掘り出して捨てるといったことはできない。妖術使いが仕掛けたものだと、そもそもどこに埋められているかもわからない。それを探し出して引き抜く(ku-ng'ola mafingo)ことを専門にしている施術師がいる。詳しくは〔浜本満,2014,『信念の呪縛:ケニア海岸地方ドゥルマ社会における妖術の民族誌』九州大学出版会、pp.168-180〕。妖術使いが仕掛けたフィンゴだけが危険な訳では無い。屋敷を守る目的のフィンゴも同様に屋敷の人びとに危害を加えうる。フィンゴは定期的な供犠(鶏程度だが)を要求する。それを怠ると人々を襲い始めるのだという。そうでない場合も、例えば祖父の代の誰かがどこかに仕掛けたフィンゴが、忘れ去られて魔物(jine45)に姿を変えてしまうなどということもある。この場合も、占いでそれがわかるとフィンゴ抜きの施術を施さねばならない。
47 ムハソ muhaso (pl. mihaso)「薬」、とりわけ、土器片などの上で焦がし、その後すりつぶして黒い粉末にしたものを指す。妖術(utsai)に用いられるムハソは、瓢箪などの中に保管され、妖術使い(および妖術に対抗する施術師)が唱えごとで命令することによって、さまざまな目的に使役できる。治療などの目的で、身体に直接摂取させる場合もある。それには、muhaso wa kusaka 皮膚に塗ったり刷り込んだりする薬と、muhaso wa kunwa 飲み薬とがある。muhi(草木)と同義で用いられる場合もある。10cmほどの長さに切りそろえた根や幹を棒状に縦割りにしたものを束ね、煎じて飲む muhi wa(pl. mihi ya) kunwa(or kujita)も、muhaso wa(pl. mihaso ya) kunwa(or kujita) として言及されることもある。このように文脈に応じてさまざまであるが、妖術(utsai)のほとんどはなんらかのムハソをもちいることから、単にムハソと言うだけで妖術を意味する用法もある。
48 ニャマ・ワ・キゾンバ(nyama wa chidzomba, pl. nyama a chidzomba)。「イスラム系の憑依霊」。イスラム系の霊は「海岸の霊 nyama wa pwani」とも呼ばれる。イスラム系の霊たちに共通するのは、清潔好き、綺麗好きということで、ドゥルマの人々の「不潔な」生活を嫌っている。とりわけおしっこ(mikojo、これには「尿」と「精液」が含まれる)を嫌うので、赤ん坊を抱く母親がその衣服に排尿されるのを嫌い、母親を病気にしたり子供を病気にし、殺してしまったりもする。イスラム系の霊の一部には夜女性が寝ている間に彼女と性交をもとうとする霊がいる。男霊(p'ep'o mulume49)の別名をもつ男性のスディアニ導師(mwalimu sudiani50)がその代表例であり、女性に憑いて彼女を不妊にしたり(夫の精液を嫌って排除するので、子供が生まれない)、生まれてくる子供を全て殺してしまったり(その尿を嫌って)するので、最後の手段として危険な除霊(kukokomola)の対象とされることもある。イスラム系の霊は一般に獰猛(musiru)で怒りっぽい。内陸部の霊が好む草木(muhi)や、それを炒って黒い粉にした薬(muhaso)を嫌うので、内陸部の霊に対する治療を行う際には、患者にイスラム系の霊が憑いている場合には、このことについての許しを前もって得ていなければならない。イスラム系の霊に対する治療は、薔薇水や香水による沐浴が欠かせない。このようにきわめて厄介な霊ではあるのだが、その要求をかなえて彼らに気に入られると、彼らは自分が憑いている人に富をもたらすとも考えられている。
49 ペーポームルメ(p'ep'o mulume)。ムルメ(mulume)は「男性」を意味する名詞。男性のスディアニ Sudiani、カドゥメ Kadumeの別名とも。女性がこの霊にとり憑かれていると,彼女はしばしば美しい男と性交している夢を見る。そして実際の夫が彼女との性交を求めても,彼女は拒んでしまうようになるかもしれない。夫の方でも勃起しなくなってしまうかもしれない。女性の月経が終ったとき、もし夫がぐずぐずしていると,夫の代りにペポムルメの方が彼女と先に始めてしまうと、たとえ夫がいくら性交しようとも彼女が妊娠することはない。施術師による治療を受けてようやく、彼女は妊娠するようになる。その治療が功を奏さない場合には、最終的に除霊(ku-kokomola40)もありうる。逆に女性のスディアニもいて、こちらは夢の中で男性を誘惑し、不能にする。
50 スディアニ(sudiani)。スーダン人だと説明する人もいるが、ザンジバルの憑依を研究したLarsenは、スビアーニ(subiani)と呼ばれる霊について簡単に報告している。それはアラブの霊ruhaniの一種ではあるが、他のruhaniとは若干性格を異にしているらしい(Larsen 2008:78)。もちろんスーダンとの結びつきには言及されていない。スディアニには男女がいる。厳格なイスラム教徒で綺麗好き。女性のスディアニは男性と夢の中で性関係をもち、男のスディアニは女性と夢の中で性関係をもつ。同じふるまいをする憑依霊にペポムルメ(p'ep'o mulume, mulume=男)がいるが、これは男のスディアニの別名だとされている。いずれの場合も子供が生まれなくなるため、除霊(ku-kokomola)してしまうこともある(DB 214)。スディアニの典型的な症状は、発狂(kpwayuka)して、水、とりわけ海に飛び込む。治療は「海岸の草木muhi wa pwani」16による鍋(nyungu24)と、飲む大皿と浴びる大皿(kombe51)。白いローブ(zurungi,kanzu)と白いターバン、中に指輪を入れた護符(pingu21)。
51 コンベ(kombe)は「大皿」を意味するスワヒリ語。kombe はドゥルマではイスラム系の憑依霊の治療のひとつである。陶器、磁器の大皿にサフランをローズウォーターで溶いたもので字や絵を描く。描かれるのは「コーランの章句」だとされるアラビア文字風のなにか、モスクや月や星の絵などである。描き終わると、それはローズウォーターで洗われ、瓶に詰められる。一つは甘いバラシロップ(Sharbat Roseという商品名で売られているもの)を加えて、少しずつ水で薄めて飲む。これが「飲む大皿 kombe ra kunwa」である。もうひとつはバケツの水に加えて、それで沐浴する。これが「浴びる大皿 kombe ra koga」である。文字や図像を飲み、浴びることに病気治療の効果があると考えられているようだ。
52 ニャマ・ワ・ズル(nyama wa dzulu, pl. nyama a dzulu)。「上の動物、上の憑依霊」。ニューニ(nyuni、直訳するとキツツキ53)と総称される、主として鳥の憑依霊だが、ニューニという言葉は乳幼児や、この病気を持つ子どもの母の前で発すると、子供に発作を引き起こすとされ、忌み言葉になっている。したがってニューニという言葉の代わりに婉曲的にニャマ・ワ・ズルと言う言葉を用いるという。多くの種類がいるが、この病気は憑依霊の病気を治療する施術師とは別のカテゴリーの施術師が治療する。時間があれば別項目を立てて、詳しく紹介するかもしれない。ニャマ・ワ・ズル「上の憑依霊」のあるものは、女性に憑く場合があるが、その場合も、霊は女性をではなく彼女の子供を病気にする。病気になった子供だけでなく、その母親も治療される必要がある。しばしば女性に憑いた「上の霊」はその女性の子供を立て続けに殺してしまうことがあり、その場合は除霊(kukokomola40)の対象となる。
53 ニューニ(nyuni)。「キツツキ」。道を進んでいるとき、この鳥が前後左右のどちらで鳴くかによって、その旅の吉凶を占う。ここから吉凶全般をnyuniという言葉で表現する。(行く手で鳴く場合;nyuni wa kumakpwa 驚きあきれることがある、右手で鳴く場合;nyuni wa nguvu 食事には困らない、左手で鳴く場合;nyuni wa kureja 交渉が成功し幸運を手に入れる、後で鳴く場合;nyuni wa kusagala 遅延や引き止められる、nyuni が屋敷内で鳴けば来客がある徴)。またnyuniは「上の霊 nyama wa dzulu52」と総称される鳥の憑依霊、およびそれが引き起こす子供の引きつけを含む様々な病気の総称(ukongo wa nyuni)としても用いられる。(nyuniの病気には多くの種類がある。施術師によってその分類は異なるが、例えば nyuni wa joka:子供は泣いてばかり、wa nyagu(別名 mwasaga, wa chiraphai):手脚を痙攣させる、その他wa zuni、wa chilui、wa nyaa、wa kudusa、wa chidundumo、wa mwaha、wa kpwambalu、wa chifuro、wa kamasi、wa chip'ala、wa kajura、wa kabarale、wa kakpwang'aなど。これらの「上の霊」のなかには母親に憑いて、生まれてくる子供を殺してしまうものもおり、それらは危険な「除霊」(kukokomola)の対象となる。
54 カドゥメ(kadume)は、ペポムルメ(p'ep'o mulume)、ツォビャ(tsovya)などと同様の振る舞いをする憑依霊。共通するふるまいは、女性に憑依して夜夢の中にやってきて、女性を組み敷き性関係をもつ。女性は夫との性関係が不可能になったり、拒んだりするようになりうる。その結果子供ができない。こうした点で、三者はそれぞれの別名であるとされることもある。護符(ngata)が最初の対処であるが、カドゥメとツォーヴャは、取り憑いた女性の子供を突然捕らえて病気にしたり殺してしまうことがあり、ペポムルメ以上に、除霊(kukokomola)が必要となる。
55 マウィヤ(Mawiya)。民族名の憑依霊、マウィヤ人(Mawia)。モザンビーク北部からタンザニアにかけての海岸部に居住する諸民族のひとつ。同じ地域にマコンデ人(makonde56)もいるが、憑依霊の世界ではしばしばマウィヤはマコンデの別名だとも主張される。ともに人肉を食う習慣があると主張されている(もちデマ)。女性が憑依されると、彼女の子供を殺してしまう(子供を産んでも「血を飲まれてしまって」育たない)。症状は別の憑依霊ゴジャマ(gojama57)と同様で、母乳を水にしてしまい、子供が飲むと嘔吐、下痢、腹部膨満を引き起こす。女性にとっては危険な霊なので、除霊(ku-kokomola)に訴えることもある。
56 マコンデ(makonde)。民族名の憑依霊、マコンデ人(makonde)。別名マウィヤ人(mawiya)。モザンビーク北部からタンザニアにかけての海岸部に居住する諸民族のひとつで、マウィヤも同じグループに属する。人肉食の習慣があると噂されている(デマ)。女性に憑依して彼女の産む子供を殺してしまうので、除霊(ku-kokomola)の対象とされることもある。
57 ゴジャマ(gojama)。憑依霊の一種、ときにゴジャマ導師(mwalimu gojama)とも語られ、イスラム系とみなされることもある。狩猟採集民の憑依霊ムリャングロ(Muryangulo/pl.Aryangulo)と同一だという説もある。ひとつ目の半人半獣の怪物で尾をもつ。ブッシュの中で人の名前を呼び、うっかり応えると食べられるという。ブッシュで追いかけられたときには、葉っぱを撒き散らすと良い。ゴジャマはそれを見ると数え始めるので、その隙に逃げれば良いという。憑依されると、人を食べたくなり、カヤンバではしばしば斧をかついで踊る。憑依された人は、人の血を飲むと言われる。彼(彼女)に見つめられるとそれだけで見つめられた人の血はなくなってしまう。カヤンバでも、血を飲みたいと言って子供を追いかけ回す。また人肉を食べたがるが、カヤンバの席で前もって羊の肉があれば、それを与えると静かになる。ゴジャマをもつ者は、普段の状況でも食べ物の好みがかわり、蜂蜜を好むようになる。また尿に血や膿が混じる症状を呈することがある。さらにゴジャマをもつ女性は子供がもてなくなる(kaika ana)かもしれない。妊娠しても流産を繰り返す。その場合には、雄羊(ng'onzi t'urume)の供犠でその血を用いて除霊(kukokomola40)できる。雄羊の毛を縫い込んだ護符(pingu)を女性の胸のところにつけ、女性に雄羊の尾を食べさせる。
58 ドゥングマレ(dungumale)。母親に憑いて子供を捕らえる憑依霊。症状:発熱mwiri moho。子供泣き止まない。嘔吐、下痢。nyama wa kuusa(除霊ku-kokomola40の対象になる)42。黒いヤギmbuzi nyiru。ヤギを繋いでおくためのロープ。除霊の際には、患者はそのロープを持って走り出て、屋敷の外で倒れる。ドゥングマレの草木: mudungumale=muyama
59 ジネ・ムァンガ(jine mwanga)。イスラム系の憑依霊ジネの一種。別名にソロタニ・ムァンガ(ムァンガ・サルタン(sorotani mwanga))とも。ドゥルマ語では動詞クァンガ(kpwanga, ku-anga)は、「(裸で)妖術をかける、襲いかかる」の意味。スワヒリ語にもク・アンガ(ku-anga)には「妖術をかける」の意味もあるが、かなり多義的で「空中に浮遊する」とか「計算する、数える」などの意味もある。形容詞では「明るい、ギラギラする、輝く」などの意味。昼夜問わず夢の中に現れて(kukpwangira usiku na mutsana)、組み付いて喉を絞める。症状:吐血。女性に憑依すると子どもの出産を妨げる。ngataを処方して、出産後に除霊 ku-kokomolaする。
60 トゥヌシ(tunusi)。ヴィトゥヌシ(vitunusi)とも。憑依霊の一種。別名トゥヌシ・ムァンガ(tunusi mwanga)。イスラム系の憑依霊ジネ(jine45)の一種という説と、ニューニ(nyuni53)の仲間だという説がある。女性がトゥヌシをもっていると、彼女に小さい子供がいれば、その子供が捕らえられる。ひきつけの症状。白目を剥き、手足を痙攣させる。女性自身が苦しむことはない。この症状(捕らえ方(magbwiri))は、同じムァンガが付いたイスラム系の憑依霊、ジネ・ムァンガ61らとはかなり異なっているので同一視はできない。除霊(kukokomola40)の対象であるが、水の中で行われるのが特徴。
61 ムァンガ(mwanga)。憑依霊の名前。「ムァンガ導師 mwalimu mwanga」「アラブ人ムァンガ mwarabu mwanga」「ジネ・ムァンガ jine mwanga」あるいは単に「ムァンガ mwanga」と呼ばれる。「スルタン(sorotani)」、「スルタン・ムァンガ」も同じ憑依霊か。イスラム系の憑依霊。昼夜を問わず、夢の中に現れて人を組み敷き、喉を絞める。主症状は吐血。子供の出産を妨げるので、女性にとっては極めて危険。妊娠中は除霊できないので、護符(ngata)を処方して出産後に除霊を行う。また別に、全裸になって夜中に屋敷に忍び込み妖術をかける妖術使いもムァンガ mwangaと呼ばれる。kpwanga(=ku-anga)、「妖術をかける」(薬などの手段に訴えずに、上述のような以上な行動によって)を意味する動詞(スワヒリ語)より。これらのイスラム系の憑依霊が人を襲う仕方も同じ動詞で語られる。
62 ツォビャ(tsovya)。子供を好まず、母親に憑いて彼女の子供を殺してしまう。夜、夢の中にやってきて彼女と性関係をもつ。ニューニ53の一種に加える人もいる。鋭い爪をもった憑依霊(nyama wa mak'ombe)。除霊(kukokomola40)の対象となる「除去の霊nyama wa kuusa42」。see p'ep'o mulume49, kadume54
tsovyaの別名とされる「内陸部のスディアニ」の絵
63 ニャマ・ワ・プワニ(nyama wa pwani, pl.nyama a pwani)。「海岸部の憑依霊」。イスラム系の霊(nyama wa chidzomba48)に同じ。非イスラム系の土着の憑依霊たち、ニャマ・ワ・バラ(nyama wa bara)との対比で、この名で呼ばれる。
64 ニャマ・ワ・バラ(nyama wa bara, pl. nyama a bara)。「内陸系の憑依霊。」イスラム系の霊がニャマ・ワ・プワニ(nyama wa pwani, pl. nyama a pwani)、つまり「海岸部の憑依霊」と呼ばれるのに対比して、内陸部の非イスラム的な憑依霊をこの名前で呼ぶ。
65 キツィンバカジ(chitsimbakazi)。別名カツィンバカジ(katsimbakazi)。空から落とされて地上に来た憑依霊。ムルングの子供。ライカ(laika)の一種だとも言える。mulungu mubomu(大ムルング)=mulungu wa kuvyarira(他の憑依霊を産んだmulungu)に対し、キツィンバカジはmulungu mudide(小ムルング)だと言われる。男女あり。女のキツィンバカジは、背が低く、大きな乳房。laika dondoはキツィンバカジの別名だとも。「天空のキツィンバカジ(chitsimbakazi cha mbinguni)」と「池のキツィンバカジ(chitsimbakazi cha ziyani)」の二種類がいるが、滞在している場所の違いだけ。キツィンバカジに惚れられる(achikutsunuka)と、頭痛と悪寒を感じる。占いに行くとライカだと言われる。また、「お前(の頭)を破裂させ気を狂わせる anaidima kukulipusa hata ukakala undaayuka.」台所の炉石のところに行って灰まみれになり、灰を食べる。チャリによると夜中にやってきて外から挨拶する。返事をして外に出ても誰もいない。でもなにかお前に告げたいことがあってやってきている。これからしかじかのことが起こるだろうとか、朝起きてからこれこれのことをしろとか。嗅ぎ出しの施術(uganga wa kuzuza)のときにやってきてku-zuzaしてくれるのはキツィンバカジなのだという。
66 ク・ツァンガーニャ(ku-tsanganya)。カヤンバの演奏速度(リズム)は基本的に3つ(さらにいくつかの変則リズムがある)。「ゆする(ku-suka)」はカヤンバを立ててゆっくり上下ひっくりかえすもので、憑依霊を「呼ぶ(kpwiha)」歌のリズム。その次にやや速い「混ぜ合わせる(ku-tsanganya)」(8分の6拍子)のリズムで患者を憑依(kugolomokpwa)にいざない、憑依の徴候が見えると「たたきつける(ku-bit'a)」の高速リズムに移る。
67 クビタ(ku-bit'a)。「投げ倒す、叩きつける」を意味する動詞。憑依霊の文脈では、カヤンバ演奏のリズムで最も速いリズム。憑依の兆候を見せた患者を、本格的な憑依状態に導く。同じ歌詞の繰り返しになるが、演奏者たちは躍起になって患者を憑依状態にしようとする。
68 ゴロモクヮ(ku-golomokpwa)。動詞ク・ゴロモクヮ(ku-golomokpwa)は、憑依霊が表に出てきて、人が憑依霊として行為すること、またその状態になることを意味する。受動形のみで用いるが、ku-gondomola(人を怒らせてしまうなど、人の表に出ない感情を、表にださせる行為をさす動詞)との関係も考えられる。憑依状態になるというが、その形はさまざま、体を揺らすだけとか、曲に合わせて踊るだけというものから、激しく転倒したり号泣したり、怒り出したりといった感情の激発をともなうもの、憑依霊になりきって施術師や周りの観客と会話をする者など。憑依の状態に入ること(あること)は、他にクカラ・テレ(ku-kala tele)「一杯になっている、酔っている」(その女性は満たされている(酔っている) muchetu yuyu u tele といった形で用いる)や、ク・ヴィナ(ku-vina)「踊る」(ンゴマやカヤンバのコンテクストで)や、ク・チェムカ(ku-chemuka)「煮え立っている」、ク・ディディムカ(ku-didimuka69)--これは憑依の初期の身体が小刻みに震える状態を特に指す--などの動詞でも語られる。
69 ク・ディディムカ(ku-didimuka)は、急激に起こる運動の初期動作(例えば鳥などがなにかに驚いて一斉に散らばる、木が一斉に芽吹く、憑依の初期の兆し)を意味する動詞。
70 ムサンバラ(Musambala)。憑依霊の一種、サンバラ人、タンザニアの民族集団の一つ、ムルングと同時に「外に出され」、ムルングと同じ瓢箪子供を共有。瓢箪の首のビーズ、赤はムサンバラのもの。占いを担当。赤い(茶色)犬。
71 ムドゥルマ(muduruma, pl. aduruma)。憑依霊ドゥルマ人、田舎者で粗野、ひょうきんなところもあるが、重い病気を引き起こす。多くの別名をもつ一方、さまざまなドゥルマ人がいる。男女のドゥルマ人は施術師になった際に、瓢箪子供を共有できない。男のドゥルマ人は瓢箪に入れる「血」はヒマ油だが女のドゥルマ人はハチミツと異なっているため。カルメ・ンガラ(kalumengala 男性72)、カシディ(kasidi 女性73)、ディゴゼー(digozee 男性老人75)。この3人は明らかに別の実体(?)と思われるが、他の呼称は、たぶんそれぞれの別名だろう。ムガイ(mugayi 「困窮者」)、マシキーニ(masikini「貧乏人」)、ニョエ(nyoe 男性、ニョエはバッタの一種でトウモロコシの穂に頭を突っ込む習性から、内側に潜り込んで隠れようとする憑依霊ドゥルマ人(病気がドゥルマ人のせいであることが簡単にはわからない)の特徴を名付けたもの、ただしニョエがドゥルマ人であることを否定する施術師もいる)。ムキツェコ(muchitseko、動詞 kutseka=「笑う」より)またはムキムェムェ(muchimwemwe(alt. muchimwimwi)、名詞chimwemwe(alt. chimwimwi)=「笑い上戸」より)は、理由なく笑いだしたり、笑い続けるというドゥルマ人の振る舞いから名付けたもの。症状:全身の痒みと掻きむしり(kuwawa mwiri osi na kudzikuna)、腹部熱感(ndani kpwaka moho)、息が詰まる(ku-hangama pumzi),すぐに気を失う(kufa haraka(ku-faは「死ぬ」を意味するが、意識を失うこともkufaと呼ばれる))、長期に渡る便秘、腹部膨満(ndani kuodzala字義通りには「腹が何かで満ち満ちる」))、絶えず便意を催す、膿を排尿、心臓がブラブラする、心臓が(毛を)むしられる、不眠、恐怖、死にそうだと感じる、ブッシュに逃げ込む、(周囲には)元気に見えてすぐ病気になる/病気に見えて、すぐ元気になる(ukongo wa kasidi)。行動: 憑依された人はトウモロコシ粉(ただし石臼で挽いて作った)の練り粥を編み籠(chiroboと呼ばれる持ち手のない小さい籠)に入れて食べたがり、半分に割った瓢箪製の容器(njele125)に注いだ苦い野草のスープを欲しがる。あたり構わず排便、排尿したがる。要求: 男のドゥルマ人は白い布(charehe)と革のベルト(mukanda wa ch'ingo)、女のドゥルマ人は紺色の布(nguo ya mulungu)にビーズで十字を描いたもの、癒やしの仕事。治療: 「鍋」、煮る草木、ぼろ布を焼いてその煙を浴びる。(注釈の注釈: ドゥルマの憑依霊の世界にはかなりの流動性がある。施術師の間での共通の知識もあるが、憑依霊についての知識の重要な源泉が、施術師個々人が見る夢であることから、施術師ごとの変異が生じる。同じ施術師であっても、時間がたつと知識が変化する。例えば私の重要な相談相手の一人であるChariはドゥルマ人と世界導師をその重要な持ち霊としているが、彼女は1989年の時点ではディゴゼーをドゥルマ人とは位置づけておらず(夢の中でディゴゼーがドゥルマ語を喋っており、カヤンバの席で出現したときもドゥルマ語でやりとりしている事実はあった)、独立した憑依霊として扱っていた。しかし1991年の時点では、はっきりドゥルマ人の長老として、ドゥルマ人のなかでもリーダー格の存在として扱っていた。)
72 カルメンガラ(kalumeng'ala)。直訳すれば「光る小さな男」。憑依霊ドゥルマ人(muduruma71)の別名、男性のドゥルマ人。「内の問題も、外の問題も知っている」と歌われる。
73 カシディ(kasidi)。この言葉は、状況にその行為を余儀なくしたり,予期させたり,正当化したり,意味あらしめたりするものがないのに自分からその行為を行なうことを指し、一連の自分本位の、場違いな行為、身勝手な行為、無礼な行為、(殺人の場合は偶然ではなく)故意による殺人、などがkasidiとされる。人として最悪なのだが、なぜか憑依霊ドゥルマ人の特徴とされ、とりわけ女性の憑依霊ドゥルマ人は、まさにカシディという名前で呼ばれる。なんという自画像。「mutu wa kasidi=kasidiの人」は無礼者。「ukongo wa kasidi= kasidiの病気」とは施術師たちによる解説では、今にも死にそうな重病かと思わせると、次にはケロッとしているといった周りからは仮病と思われてもしかたがない病気のこと。仮病そのものもkasidi、あるはukongo wa kasidiと呼ばれることも多い。あるいは重病で意識を失ったかと思うと、また「生き返り」を繰り返す病気も、この名で呼ばれる。またカシディは、女性の憑依霊ドゥルマ人(muduruma71)の名称でもある。カシディに憑かれた場合の特徴的な病気は上述のukongo wa kasidi(カシディの病気)であり、カヤンバなどで出現したカシディの振る舞いは、場違いで無礼な振る舞いである。男性の憑依霊ドゥルマ人とは別の、蜂蜜を「血」とする瓢箪子供(mwana wa ndonga74)を要求する。
74 ムァナ・ワ・ンドンガ(mwana wa ndonga)。ムァナ(mwana, pl. ana)は「子供」、ンドンガ(ndonga)は「瓢箪」。「瓢箪の子供」を意味する。「瓢箪子供」と訳すことにしている。瓢箪の実(chirenje)で作った子供。瓢箪子供には2種類あり、ひとつは施術師が特定の憑依霊(とその仲間)の癒やしの術(uganga)をとりおこなえる施術師に就任する際に、施術上の父と母から授けられるもので、それは彼(彼女)の施術の力の源泉となる大切な存在(彼/彼女の占いや治療行為を助ける憑依霊はこの瓢箪の姿をとった彼/彼女にとっての「子供」とされる)である。一方、こうした施術師の所持する瓢箪子供とは別に、不妊に悩む女性に授けられるチェレコchereko(ku-ereka 「赤ん坊を背負う」より)とも呼ばれる瓢箪子供30がある。
75 ディゴゼー(digozee)。憑依霊ドゥルマ人の一種とも。田舎者の老人(mutumia wa nyika)。極めて年寄りで、常に毛布をまとう。酒を好む。ディゴゼーは憑依霊ドゥルマ人の長、ニャリたちのボスでもある。ムビリキモ(mubilichimo76)マンダーノ(mandano77)らと仲間で、憑依霊ドゥルマ人の瓢箪を共有する。症状:日なたにいても寒気がする、腰が断ち切られる(ぎっくり腰)、声が老人のように嗄れる。要求:毛布(左肩から掛け一日中纏っている)、三本足の木製の椅子(紐をつけ、方から掛けてどこへ行くにも持っていく)、編んだ肩掛け袋(mukoba)、施術師の錫杖(muroi)、動物の角で作った嗅ぎタバコ入れ(chiko cha pembe)、酒を飲むための瓢箪製のコップとストロー(chiparya na muridza)。治療:憑依霊ドゥルマの「鍋」、煙浴び(ku-dzifukiza 燃やすのはボロ布または乳香)。
76 ムビリキモ(mbilichimo)。民族名の憑依霊、ピグミー(スワヒリ語でmbilikimo/(pl.)wabilikimo)。身長(kimo)がない(mtu bila kimo)から。憑依霊の世界では、ディゴゼー(digozee)と組んで現れる。女性の霊だという施術師もいる。症状:脚や腰を断ち切る(ような痛み)、歩行不可能になる。要求: 白と黒のビーズをつけた紺色の(ムルングの)布。ビーズを埋め込んだ木製の三本足の椅子。憑依霊ドゥルマ人の瓢箪に同居する。
77 マンダーノ(mandano)。憑依霊。mandanoはドゥルマ語で「黄色」。女性の霊。つねに憑依霊ドゥルマ人とともにやってくる。独りでは来ない。憑依霊ドゥルマ人、ディゴゼー、ムビリキモ、マンダーノは一つのグループになっている。施術師によっては、マンダーノをレロニレロ78とともにディゴ系の霊とする、あるいはシェラ79の別名だとするなど、見解の違いもある。症状: 咳、喀血、息が詰まる。貧血、全身が黄色くなる、水ばかり飲む。食べたものはみな吐いてしまう。要求: 黄色いビーズと白いビーズを互違いに通した耳飾り、青白青の三色にわけられた布(二辺に穴あき硬貨(hela)と黄色と白のビーズ飾りが縫いつけられている)、自分に捧げられたヤギ。草木: mutundukula、mudungu
78 レロニレロ(rero ni rero)。レロ(rero)はドゥルマ語で「今日」を意味する。憑依霊シェラ(shera79)の別名ともいう。施術師によっては、憑依霊ドゥルマ人のグループに入れる者もいる。男性の霊。一日のうちに、ビーズ飾り作り、嗅ぎ出し(kuzuza80)、カヤンバ(kayamba)、「重荷下ろし(kuphula mizigo)104」、「外に出す(ku-lavya konze123)まですべて済ませてしまわねばならないことから「今日は今日だけ(rero ni rero)」と呼ばれる。シェラ自体も、比較的最近になってドゥルマに入り込んだ霊だが、それをことさらにレロニレロと呼んで法外な治療費を要求する施術師たちを、非難する昔気質の施術師もいる。草木: mubunduki124
79 シェラ(shera, pl. mashera)。憑依霊の一種。laikaと同じ瓢箪を共有する。同じく犠牲者のキブリを奪う。症状: 全身の痒み(掻きむしる)、ほてり(mwiri kuphya)、動悸が速い、腹部膨満感、不安、動悸と腹部膨満感は「胸をホウキで掃かれるような症状」と語られるが、シェラという名前はそれに由来する(ku-shera はディゴ語で「掃く」の意)。シェラに憑かれると、家事をいやがり、水汲みも薪拾いもせず、ただ寝ることと食うことのみを好むようになる。気が狂いブッシュに走り込んだり、川に飛び込んだり、高い木に登ったりする。要求: 薄手の黒い布(gushe)、ビーズ飾りのついた赤い布(ショールのように肩に纏う)。治療:「嗅ぎ出し(ku-zuza)80、クブゥラ・ミジゴ(kuphula mizigo 重荷を下ろす104)と呼ばれるほぼ一昼夜かかる手続きによって治療。イキリク(ichiliku106)、おしゃべり女(chibarabando107)、重荷の女(muchet'u wa mizigo108)、気狂い女(muchet'u wa k'oma109)、狂気を煮立てる者(mujita k'oma110)、ディゴ女(muchet'u wa chidigo120、長い髪女(mwadiwa121)などの多くの別名をもつ。男のシェラは編み肩掛け袋(mukoba122)を持った姿で、女のシェラは大きな乳房の女性の姿で現れるという。
80 クズザ(ku-zuza)は「嗅ぐ、嗅いで探す」を意味する動詞。憑依霊の文脈では、もっぱらライカ(laika)等の憑依霊によって奪われたキブリ(chivuri81)を探し出して患者に戻す治療(uganga wa kuzuza)のことを意味する。ライカ(laika83)やシェラ(shera79)などいくつかの憑依霊は、人のキブリ(chivuri81)つまり「影」あるいは「魂」を奪って、自分の棲み処に隠してしまうとされている。キブリを奪われた人は体調不良に苦しみ、占いでそれがこうした憑依霊のせいだと判明すると、キブリを奪った霊の棲み処を探り当て、そこに行って奪われたキブリを取り戻し、身体に戻すことが必要になる。その手続が「嗅ぎ出し」である。それはキツィンバカジ、ライカやシェラをもっている施術師によって行われる。施術師を取り囲んでカヤンバを演奏し、施術師はこれらの霊に憑依された状態で、カヤンバ演奏者たちを引き連れて屋敷を出発する。ライカやシェラが患者のchivuriを奪って隠している洞穴、池や川の深みなどに向かい、鶏などを供犠し、そこにある泥や水草などを手に入れる。出発からここまでカヤンバが切れ目なく演奏され続けている。屋敷に戻り、手に入れた泥などを用いて、取り返した患者のキブリ(chivuri)を患者に戻す。その際にもカヤンバが演奏される。キブリ戻しは、屋内に仰向けに寝ている患者の50cmほど上にムルングの布を広げ、その中に手に入れた泥や水草、睡蓮の根などを入れ、大量の水を注いで患者に振りかける。その後、患者のキブリを捕まえてきた瓢箪の口を開け、患者の目、耳、口、各関節などに近づけ、口で吹き付ける動作。これでキブリは患者に戻される。その後、屋外に患者も出てカヤンバの演奏で踊る。それがすむと、屋外に患者も出てカヤンバの演奏で踊る。クズザ単独で行われる場合は、この後、患者は、再びキブリをうばわれることのないようにクツォザ(kutsodza103)を施され、ンガタ20を与えられる。やり方の細部は、施術師によってかなり異なる。
81 キヴリ(chivuri)。人間の構成要素。いわゆる日本語でいう霊魂的なものだが、その違いは大きい。chivurivuriは物理的な影や水面に写った姿などを意味するが、chivuriと無関係ではない。chivuriは妖術使いや(chivuriの妖術82)、ある種の憑依霊によって奪われることがある。人は自分のchivuriが奪われたことに気が付かない。妖術使いが奪ったchivuriを切ると、その持ち主は死ぬ。憑依霊にchivuriを奪われた人は朝夕悪寒を感じたり、頭痛などに悩まされる。chivuriは夜間、人から抜け出す。抜け出したchivuriが経験することが夢になる。妖術使いによって奪われたchivuriを手遅れにならないうちに取り返す治療がある。chivuriの妖術については[浜本, 2014『信念の呪縛:ケニア海岸地方ドゥルマ社会における妖術の民族誌』九州大学出版,pp.53-58]を参照されたい。また憑依霊によって奪われたchivuriを探し出し患者に戻すku-zuza80と呼ばれる手続きもある。詳しくは別項を参照されたい。
82 キブリの妖術(utsai wa chivuri)。人のキブリ81は妖術使いによっても奪われうる。イスラム系の妖術では妖術使いの使い魔となっている魔物(majine45)その他の手段によって犠牲者のキブリを呼び込む。自分を呼ぶ声が聞こえて、それにうっかり返事すると、その瞬間に犠牲者のキブリは妖術使いに捕らえられてしまう。妖術使いによって捕らえられたキブリは水を張った容器の水面にその人の姿として映し出される。それを妖術使いが切ると、その瞬間に人は死ぬ。非イスラムのドゥルマ的妖術においては、妖術使いは自分の身近な親族(とりわけ母や姉妹などの女性親族)を(妖術によって)殺害し手に入れた親族のキブリを閉じ込めた瓢箪をもっている。これが「キブリの瓢箪(ndonga ya chivuri)」と呼ばれるものである。閉じ込められたキブリは妖術使いの命令に従って、別の犠牲者のキブリを呼び込む。ここでも犠牲者は自分の名前が呼ばれているのを聞き、思わず返事した瞬間に、そのキブリは妖術使いの瓢箪のなかに取り込まれる。西遊記で似たような話しを読んだような。妖術使いは取り込んだキブリをじっくり痛めつけるが、最後にはそれを「切る」ことで犠牲者に死をもたらす。これら妖術使いに対抗する妖術を治療する施術師がいるが、これらの施術師も「キブリの瓢箪」をもっている。自分のもっているキブリの瓢箪を使って、妖術使いに捕まえられているキブリを取り返すのである。キブリは施術師の瓢箪の中に取り込まれ、そこから犠牲者の体内に戻される。問題は、妖術使いに対抗するキブリの施術師がもっている瓢箪も、彼自身が自分の女性親族を殺して作ったものだとされている点である。というわけでキブリの妖術に対抗する施術師もある意味、妖術使いと同じ穴のムジナだという側面をもつ。というわけでいずれにしてもキブリの瓢箪は怖い瓢箪なのである。

彼女の亡夫は名高い妖術系の施術師であった。彼がもっていたキブリの瓢箪。彼の術は強力で危険であったため、子供たちはだれもそれを相続したがらなかった。
83 ライカ(laika, pl. malaika)、ラライカ(lalaika)とも呼ばれる。複数形はマライカ(malaika)で、スワヒリ語では「天使」(単複ともにmalaika)の意味になるのだが、関係ないかも。ライカにはきわめて多くの種類がいる。多いのは「池」の住人(atu a maziyani)。キツィンバカジ(chitsimbakazi65)は、単独で重要な憑依霊であるが、池の住人ということでライカの一種とみなされる場合もある。ある施術師によると、その振舞いで三種に分れる。(1)ムズカのライカ(laika wa muzuka84) ムズカに棲み、人のキブリ(chivuri81)を奪ってそこに隠す。奪われた人は朝晩寒気と頭痛に悩まされる。 laika tunusi88など。(2)「嗅ぎ出し」のライカ(laika wa kuzuzwa) 水辺に棲み子供のキブリを奪う。またつむじ風の中にいて触れた者のキブリを奪う。朝晩の悪寒と頭痛。laika mwendo89,laika mukusi90など。(3)身体内のライカ(laika wa mwirini) 憑依された者は白目をむいてのけぞり、カヤンバの席上で地面に水を撒いて泥を食おうとする laika tophe91, laika ra nyoka91, laika chifofo94など。(4) その他 laika dondo95, laika chiwete96=laika gudu97), laika mbawa98, laika tsulu99, laika makumba100=dena101など。三種じゃなくて4つやないか。治療: 屋外のキザ(chiza cha konze25)で薬液を浴びる、護符(ngata20)、「嗅ぎ出し」施術(uganga wa kuzuza80)によるキブリ戻し。深刻なケースでは、瓢箪子供を授与されてライカの施術師になる。
84 ライカ・ムズカ(laika muzuka)。ライカ・トゥヌシ(laika tunusi)の別名。トゥヌシは洞窟などのムズカの主。またライカ・ヌフシ(laika nuhusi85)、ライカ・パガオ(laika pagao)、ライカ・ムズカは同一で、3つの棲み処(池、ムズカ(洞窟)、海(baharini))を往来しており、その場所場所で異なる名前で呼ばれているのだともいう。ライカ・キフォフォ(laika chifofo)もヌフシの別名とされることもある。
85 ライカ・ヌフシ(laika nuhusi)、ヌフシ(nuhusi)はスワヒリ語で「不運」を意味する。ドゥルマ語の「驚かせる」(ku-uhusa)に由来すると説明する人もいる。ヌフシはまたムァムニィカ同様、内陸部と海を往復する霊であるともされる。その通り道は婉曲的に「悪い人の道njira ya mutu mui(mubaya)」と呼ばれ、そこに屋敷などを構えていると病気になると言われる。ある解釈では、ヌフシは海で人に取り憑いた場合は、海のパガオ(ライカ・パガオ(laika pagao86))が憑いているなどと言われるが、単にヌフシの別名に過ぎない。ライカ・ムズカ(laika muzuka84)もヌフシの別名。ムズカに滞在中に取り憑いた際の名前である。その証拠に、この3つは同じ症状を引き起こす。つまり「口がきけなくなる」という症状。霊がその気になれば喋れるのだが、その気がなければ、誰とも口をきかない。
86 ライカ・パガオ(laika pagao)。海辺で取り憑くライカ。ライカ・ヌフシ(laika nuhusi85)の別名。ジネ・パガオ(jine pagao)という名前で、ジネ(jine87)に数えられることも。
87 ジネ(jine, pl. majine)。イスラムでいうところのジン(精霊)。スワヒリ語ではjini。ドゥルマの憑依霊の世界では、イスラム系の憑依霊の一グループで、犠牲者の血を奪うことを特徴とする。血を奪う手段によって、さまざまな種類があり、ジネ・パンガ(panga)は長刀(panga(ス))で、ジネ・マカタ(makata)はハサミ(makasi(ス))で、ジネ・キペンバ(chipemba)はカミソリの刃(wembe)で、ジネ・バラ・ワ・キマサイ(jine bara wa chimasai)は槍で、ジネ・シンバ(またはツィンバ)(jine simba/tsimba)はライオン(tsimba)の鋭い爪で、といった具合に。ジネ・ンゴンベ(jine ng'ombe)はウシ(ng'ombe)が屠殺されるときのように喉を切り裂かれて血が奪われる。ジネ・ムヮンガ(jine mwanga)は犠牲者を組み敷き首を絞めることによって。一方、こうした自らの意思で宿主にとり憑く憑依霊としてのジネとは別に、より邪悪なイスラムの妖術によって作り出されるジネ45もあるとされる。コーランの章句を書いた紙を空中に投げると、それが魔物に変わり、命令通りに犠牲者を殺す。
88 ライカ・トゥヌシ(laika tunusi)。ヴィトゥヌシ(vitunusi)は「怒りっぽさ」。トゥヌシ(tunusi)は人々が祈願する洞窟など(muzuka)の主と考えられている。別名ライカ・ムズカ(laika muzuka)、ライカ・ヌフシ。症状: 血を飲まれ貧血になって肌が「白く」なってしまう。口がきけなくなる。(注意!): ライカ・トゥヌシ(laika tunusi)とは別に、除霊の対象となるトゥヌシ(tunusi)がおり、混同しないように注意。ニューニ(nyuni53)あるいはジネ(jine)の一種とされ、女性にとり憑いて、彼女の子供を捕らえる。子供は白目を剥き、手脚を痙攣させる。放置すれば死ぬこともあるとされている。女性自身は何も感じない。トゥヌシの除霊(ku-kokomola)は水の中で行われる(DB 2404)。
89 ライカ・ムェンド(laika mwendo)。動きの速いことからムェンド(mwendo)と呼ばれる。mwendoという語はスワヒリ語と共通だが、「速度、距離、運動」などさまざまな意味で用いられる。唱えごとの中では「風とともに動くもの(mwenda na upepo)」と呼びかけられる。別名ライカ・ムクシ(laika mukusi)。すばやく人のキブリを奪う。「嗅ぎ出し」にあたる施術師は、大急ぎで走っていって,また大急ぎで戻ってこなければならない.さもないと再び chivuri を奪われてしまう。症状: 激しい狂気(kpwayuka vyenye)。
90 ライカ・ムクシ(laika mukusi)。クシ(kusi)は「暴風、突風」。キククジ(chikukuzi)はクシのdim.形。風が吹き抜けるように人のキブリを奪い去る。ライカ・ムクセ(laika mukuse)とも。ライカ・ムェンド(laika mwendo) の別名。
91 ライカ・トブェ(laika tophe)。トブェ(tophe)は「泥」。症状: 口がきけなくなり、泥や土を食べたがる。泥の中でのたうち回る。別名ライカ・ニョカ(laika ra nyoka)、ライカ・マフィラ(laika mwafira92)、ライカ・ムァニョーカ(laika mwanyoka93)、ライカ・キフォフォ(laika chifofo)。
92 ライカ・ムァフィラ(laika mwafira)、fira(mafira(pl.))はコブラ。laika mwanyoka、laika tophe、laika nyoka(laika ra nyoka)などの別名。
93 ライカ・ムァニョーカ(laika mwanyoka)、nyoka はヘビ、mwanyoka は「ヘビの人」といった意味、laika chifofo、laika mwafira、laika tophe、laika nyokaなどの別名
94 ライカ・キフォフォ(laika chifofo)。キフォフォ(chifofo)は「癲癇」あるいはその症状。症状: 痙攣(kufitika)、口から泡を吹いて倒れる、人糞を食べたがる(kurya mavi)、意識を失う(kufa,kuyaza fahamu)。ライカ・トブェ(laika tophe)の別名ともされる。
95 ライカ・ドンド(laika dondo)。dondo は「乳房 nondo」の aug.。乳房が片一方しかない。症状: 嘔吐を繰り返し,水ばかりを飲む(kuphaphika, kunwa madzi kpwenda )。キツィンバカジ(chitsimbakazi65)の別名ともいう。
96 ライカ・キウェテ(laika chiwete)。片手、片脚のライカ。chiweteは「不具(者)」の意味。症状: 脚が壊れに壊れる(kuvunza vunza magulu)、歩けなくなってしまう。別名ライカ・グドゥ(laika gudu)
97 ライカ・グドゥ(laika gudu)。ku-gudula「びっこをひく」より。ライカ・キウェテ(laika chiwete)の別名。
98 ライカ・ムバワ(laika mbawa)。バワ(bawa)は「ハンティングドッグ」。病気の進行が速い。もたもたしていると、血をすべて飲まれてしまう(kunewa milatso)ことから。症状: 貧血(kunewa milatso)、吐血(kuphaphika milatso)
99 ライカ・ツル(laika tsulu)。ツル(tsulu)は「土山、盛り土」。腹部が土丘(tsulu)のように膨れ上がることから。
100 マクンバ(makumba)。憑依霊デナ(dena101)の別名。
101 デナ(dena)。憑依霊の一種。ギリアマ人の長老であるとされるが、8つの頭をもった大蛇という姿もとる。ギリアマ老人としてはヤシ酒と牛乳を好む。別名マクンバ(makumbaまたはmwakumba)。突然の旋風に打たれると、デナが人に「触れ(richimukumba mutu)」、その人はその場で倒れ、身体のあちこちが「壊れる」のだという。瓢箪子供に入れる「血」はヒマの油ではなく、バター(mafuha ga ng'ombe)とハチミツで、これはマサイの瓢箪子供と同じ(ハチミツのみでバターは入れないという施術師もいる)。症状:発狂、木の葉を食べる、腹が腫れる、脚が腫れる、脚の痛みなど、ニャリ(nyari102)との共通性あり。治療はアフリカン・ブラックウッド(muphingo)ムヴモ(muvumo/Premna chrysoclada)ミドリサンゴノキ(chitudwi/Euphorbia tirucalli)の護符(pande18)と鍋。ニャリの治療もかねる。要求:鍋、赤い布、嗅ぎ出し(ku-zuza)の仕事。ニャリといっしょに出現し、ニャリたちの代弁者として振る舞う。ニャリも人の姿と蛇の姿をもつが、施術師によっては、ニャリは蛇なので言葉を喋れない。そこでデナがニャリたちの代弁者となると説明する人もいる。でもデナも蛇なんですが。
102 ニャリ(nyari)。憑依霊のグループ。内陸系の憑依霊(nyama a bara)だが、施術師によっては海岸系(nyama a pwani)に入れる者もいる(夢の中で白いローブ(kanzu)姿で現れることもあるとか、ニャリの香料(mavumba)はイスラム系の霊のための香料だとか、黒い布の月と星の縫い付けとか、どこかイスラム的)。カヤンバの場で憑依された人は白目を剥いてのけぞるなど他の憑依霊と同様な振る舞いを見せる。実体はヘビ。症状:発狂、四肢の痛みや奇形。要求は、赤い(茶色い)鶏、黒い布(星と月の縫い付けがある)、あるいは黒白赤の布を継ぎ合わせた布、またはその模様のシャツ。鍋(nyungu)。さらに「嗅ぎ出し(ku-zuza)80」の仕事を要求することもある。ニャリはヘビであるため喋れない。Dena101が彼らのスポークスマンでありリーダーで、デナが登場するとニャリたちを代弁して喋る。また本来は別グループに属する憑依霊ディゴゼー(digozee75)が出て、代わりに喋ることもある。ニャリnyariにはさまざまな種類がある。ニャリ・ニョカ(nyoka): nyokaはドゥルマ語で「ヘビ」、全身を蛇が這い回っているように感じる、止まらない嘔吐。よだれが出続ける。ニャリ・ムァフィラ(mwafira):firaは「コブラ」、ニャリ・ニョカの別名。ニャリ・ドゥラジ(durazi): duraziは身体のいろいろな部分が腫れ上がって痛む病気の名前、ニャリ・ドゥラジに捕らえられると膝などの関節が腫れ上がって痛む。ニャリ・キピンデ(chipinde): ku-pindaはスワヒリ語で「曲げる」、手脚が曲がらなくなる。ニャリ・キティヨの別名とも。ニャリ・ムァルカノ(mwalukano): lukanoはドゥルマ語で筋肉、筋(腱)、血管。脚がねじ曲がる。この霊の護符pande18には、通常の紐(lugbwe)ではなく野生動物の腱を用いる。ニャリ・ンゴンベ(ng'ombe): ng'ombeはウシ。牛肉が食べられなくなる。腹痛、腹がぐるぐる鳴る。鍋(nyungu)と護符(pande)で治るのがジネ・ンゴンベ(jine ng'ombe)との違い。ニャリ・ボコ(boko): bokoはカバ。全身が震える。まるでマラリアにかかったように骨が震える。ニャリ・ボコのカヤンバでの演奏は早朝6時頃で、これはカバが水から出てくる時間である。ニャリ・ンジュンジュラ(junjula):不明。ニャリ・キウェテ(chiwete): chiweteはドゥルマ語で不具、脚を壊し、人を不具にして膝でいざらせる。ニャリ・キティヨ(chitiyo): chitiyoはドゥルマ語で父息子、兄弟などの同性の近親者が異性や性に関する事物を共有することで生じるまぜこぜ(maphingani/makushekushe)がもたらす災厄を指す。ニャリ・キティヨに捕らえられると腰が折れたり(切断されたり)=ぎっくり腰、せむし(chinundu cha mongo)になる。胸が腫れる。
103 ク・ツォザ・ツォガ(ku-tsodza tsoga)。妖術の治療などにおいて皮膚に剃刀で切り傷をつけ(ku-tsodza)、そこに薬(muhaso)を塗り込む行為。ツォガ(tsoga)は薬を塗り込まれた傷。ある種の憑依霊は、とりわけ憑依霊ドゥルマ人や多くのイスラム系の憑依霊は、自分の憑いている者がこうして黒い薬を塗り込まれることを嫌う。したがって施術には前もって憑依霊の同意を取って行う必要がある。そうせずにクツォザすることは患者を一層重篤にする。
104 憑依霊シェラに対する治療。シェラの施術師となるには必須の手続き。シェラは本来素早く行動的な霊なのだが、重荷(mizigo105)を背負わされているため軽快に動けない。シェラに憑かれた女性が家事をサボり、いつも疲れているのは、シェラが重荷を背負わされているため。そこで「重荷を下ろす」ことでシェラとシェラが憑いている女性を解放し、本来の勤勉で働き者の女性に戻す必要がある。長い儀礼であるが、その中核部では患者はシェラに憑依され、屋敷でさまざまな重荷(水の入った瓶や、ココヤシの実、石などの詰まった網籠を身体じゅうに掛けられる)を負わされ、施術師に鞭打たれながら水辺まで進む。水辺には木の台が据えられている。そこで重荷をすべて下ろし、台に座った施術師の女助手の膝に腰掛けさせられ、ヤギを身体じゅうにめぐらされ、ヤギが供犠されたのち、患者は水で洗われ、再び鞭打たれながら屋敷に戻る。その過程で女性がするべきさまざまな家事仕事を模擬的にさせられる(薪取り、耕作、水くみ、トウモロコシ搗き、粉挽き、料理)、ついで「夫」とベッドに座り、父(男性施術師)に紹介させられ、夫に食事をあたえ、等々。最後にカヤンバで盛大に踊る、といった感じ。まさにミメティックに、重荷を下ろし、家事を学び直し、家庭をもつという物語が実演される。またシェラの癒やしの術を外に出すンゴマにおいても、「重荷下ろし」はその重要な一部として組み込まれている。
105 ムジゴ(muzigo, pl.mizigo)。「荷物」「重荷」。
106 イキリクまたはキリク(ichiliku)。憑依霊シェラ(shera79)の別名。シェラには他にも重荷を背負った女(muchet'u wa mizigo)、長い髪の女(mwadiwa=mutu wa diwa, diwa=長い髪)、狂気を煮たてる者(mujita k'oma)、高速の女((mayo wa mairo) もともととても素速い女性だが、重荷を背負っているため速く動けない)、気狂い女(muchet'u wa k'oma)、口軽女(chibarabando)など、多くの別名がある。無駄口をたたく、他人と折り合いが悪い、分別がない(mutu wa kutsowa akili)といった属性が強調される。
107 キバラバンド(chibarabando)。「おしゃべりな人、おしゃべり」。shera79の別名の一つ。「雷鳴」とも結びついている。唱えごとにおいて、Huya chibarabando, musindo wa vuri, musindo wa mwaka.「あのキバラバンド、小雨季の雷鳴、大雨季の雷鳴」と唱えられている。おしゃべりもけたたましいのだろう。
108 ムチェツ・ワ・ミジゴ(muchet'u wa mizigo)。「重荷の女」。憑依霊シェラ79の別名。治療には「重荷下ろし」のカヤンバ(kayamba ra kuphula mizigo)が必要。重荷下ろしのカヤンバ
109 ムチェツ・ワ・コマ(muchet'u wa k'oma)。「きちがい女」。憑依霊シェラ79の別名ともいう。
110 ムジタ・コマ(mujita k'oma)。「狂気を煮立てる者」。憑依霊シェラ(shera79)の別名の一つ。憑依霊ディゴ人(ムディゴ(mudigo111))の別名ともされる。
111 ムディゴ(mudigo)。民族名の憑依霊、ディゴ人(mudigo)。しばしば憑依霊シェラ(shera=ichiliku)もいっしょに現れる。別名プンガヘワ(pungahewa, スワヒリ語でku-punga=扇ぐ, hewa=空気)、ディゴの女(muchet'u wa chidigo)。ディゴ人(プンガヘワも)、シェラ、ライカ(laika)は同じ瓢箪子供を共有できる。症状: ものぐさ(怠け癖 ukaha)、疲労感、頭痛、胸が苦しい、分別がなくなる(akili kubadilika)。要求: 紺色の布(ただしジンジャjinja という、ムルングの紺の布より濃く薄手の生地)、癒やしの仕事(uganga)の要求も。ディゴ人の草木: muphorong'ondo112, mupweke113, mutundukula114, mupera(mpera115), manga116, mbibo(mubibo117), mukanju(mkanju118)
112 ムゴロゴンド(mung'orong'ondo)、ムルングおよび憑依霊ディゴ人、シェラの草木。同じ(だと思うのだが)植物は、施術師によってはムロゴンド(murong'ondo)、ムブォロゴンド(muphorong'ondo)などとも呼ばれている。特徴的な照りのある大きな葉があり、ゴバンノアシの仲間、おそらくBarringtonia racemosa。樹皮を剥いで潰したものが魚をとる毒として用いられるということからも、これに違いない。
113 ムプェケ(mupweke)。憑依霊ディゴ人、シェラの草木。英名Rigid star-berry。Diospyros squarrosa、ドゥルマでの別名はムズング・ムホ(mudzungu muho)(Pakia&Cooke2003:389)。これに対し、Maundu&TengnasはムプェケをDiospyros mespiliformis、英名African Ebonyとしている(Maundu&Tengnas2005:199)。
114 ムトゥンドゥクラ(mutundukula, pl.mitundukula)。タロウ・ウッド、イエロー・プラム。Ximenia americana(Pakia&Cooke2003:380)。憑依霊ディゴ人、マンダーノの草木。葉を煮たものは目の薬になる; 実 tundukula は食用になる。一方別の箇所では、Dichapetalum zenkeri(Pakia&Cooke2003b:389)とされている。別の植物が同じ名前で呼ばれているということか。
115 ムペラ(mpera, pl.mipera)。muperaと発音する人も。グァヴァの木。Psidium guajava(Maundu&Tengnas2005:362)。内陸部の草木(muhi wa bara)の一つ。
116 マンガ(manga)。キャッサバ(Manihot esculenta)。ドゥルマでは手のかからない救荒食物として栽培されている。ディゴで好まれている食物の一つ。憑依霊ディゴ人、その他シェラなどディゴ系の憑依霊に憑依されたドゥルマ女性もキャッサバを好むようになる。憑依霊ディゴ人の草木。
117 ムビボ(mbibo, pl.mibibo(mubibo, pl. mibibo))。カシューナッツの木。別名 mukanju(mkanju)118、muk'orosho(mkorosho)119。Anacardium occidentals(Maundu&Tengnas2005:98)。カシューナッツの実自体はk'oroshoと呼ばれる。内陸部の草木(muhi wa bara)として「鍋」の成分の一つに。
118 ムカンジュ(mukanju, pl.mikanju(mkanju, pl.mikanju))。カシューナッツの木。mbibo117を見よ。
119 ムコロショ(mukorosho, pl.mikorosho)。カシューナッツの木。mbibo117を見よ。
120 ムチェツ・ワ・キディゴ(muchet'u wa chidigo)。「ディゴ女」。憑依霊シェラ79の別名。あるいは憑依霊ディゴ人(mudigo111)の女性であるともいう。
121 ムヮディワ(mwadiwa)。「長い髪の女」。憑依霊シェラの別名のひとつともいう。ディワ(diwa)は「長い髪」の意。ムヮディワをマディワ(madiwa)と発音する人もいる(特にカヤンバの歌のなかで)。mayo mwadiwa、mayo madiwa、nimadiwaなどさまざまな言い方がされる。
122 ムコバ(mukoba)。持ち手、あるいは肩から掛ける紐のついた編み袋。サイザル麻などで編まれたものが多い。憑依霊の癒しの術(uganga)では、施術師あるいは癒やし手(muganga)がその瓢箪や草木を入れて運んだり、瓢箪を保管したりするのに用いられるが、癒しの仕事を集約する象徴的な意味をもっている。自分の祖先のugangaを受け継ぐことをムコバ(mukoba)を受け継ぐという言い方で語る。また病気治療がきっかけで患者が、自分を直してくれた施術師の「施術上の子供」になることを、その施術師の「ムコバに入る(kuphenya mukobani)」という言い方で語る。患者はその施術師に4シリングを払い、施術師はその4シリングを自分のムコバに入れる。そして患者に「ヤギと瓢箪いっぱいのヤシ酒(mbuzi na kadzama)」(20シリング)を与える。これによりその患者はその施術師の「ムコバ」に入り、その施術上の子供になる。施術上の子供を辞めるときには、ただやめてはいけない。病気になる。施術上の子供は施術師に「ヤギと瓢箪いっぱいのヤシ酒(mbuzi na kadzama)」を支払い、4シリングを返してもらう。これを「ムコバから出る(kulaa mukobani)」という。
123 ク・ラヴャ・コンゼ(ンゼ)(ku-lavya konze, ku-lavya nze)は、字義通りには「外に出す」だが、憑依の文脈では、人を正式に癒し手(muganga、治療師、施術師)にするための一連の儀礼のことを指す。人を目的語にとって、施術師になろうとする者について誰それを「外に出す」という言い方をするが、憑依霊を目的語にとってたとえばムルングを外に出す、ムルングが「出る」といった言い方もする。同じく「癒しの術(uganga)」が「外に出る」、という言い方もある。憑依霊ごとに違いがあるが、最も多く見られるムルング子神を「外に出す」場合、最終的には、夜を徹してのンゴマ(またはカヤンバ)で憑依霊たちを招いて踊らせ、最後に施術師見習いはトランス状態(kugolomokpwa)で、隠された瓢箪子供を見つけ出し、占いの技を披露し、憑依霊に教えられてブッシュでその憑依霊にとって最も重要な草木を自ら見つけ折り取ってみせることで、一人前の癒し手(施術師)として認められることになる。
124 ムブンドゥキ(mubunduki)。Bourreria nemoralis(Pakia&Cooke2003b:388)。憑依霊レロ・ニ・レロ(rero ni rero78)の草木。
125 ンジェレ(njele, pl.njele)。くびれのない瓢箪を半分に割って作った容器。スープや牛乳を飲んだり、薬液の容器としても用いられる。
126 ムカンバ(mukamba)。民族名の憑依霊カンバ人(mukamba)。別名ンガイ(ngai127)。カンバ人に憑依されると、カンバ語をしゃべり、瓢箪を半分に割った容器(njele)で牛乳を飲む。ドコ(カンバ語 doko)、ドゥルマ語でいうとムションボ(mushombo=トウモロコシの粒とささげ豆を一緒に茹でた料理)を好む。症状: 咳、喀血、腹部膨満。カンバ人が要求する事物についてはンガイ127を参照のこと。
127 ンガイ(ngai)。憑依霊カンバ人の別名。「稲妻のンガイ(ngai chikpwakpwala)」は男性で、白い長腰巻き(キコイ)を必要とする。「コロコツィのンガイ(ngai kolokotsi)」または「ゴロゴシ(gologoshi)」は女性のカンバ人で、呼子(filimbi)とハーモニカ(chinanda)を要求し、黒い薄手の布(グーシェ(gushe))を纏う。「閃光のンガイ(ngai chimete)」は白地に赤い線が入った布(カンバ語でngangaと呼ばれる布)を要求する。ngangaはドゥルマ語では「稲妻(chikpwakpwala)」の意。
128 ムズング・ワ・ムミアニ(muzungu4 wa mumiani)。イスラム系の霊で、症状は貧血、嘔吐、下痢など。ローズウォーターで洗い清められることと鍋の湯気を浴びる治療。「薬」は玉ねぎといっしょに煮て飲む。ヤギの血を飲む。女性の霊で、胸のところに青と赤の日本の縦縞がある白い長衣を求める。人の血を抜き取って集め、それで薬を作っているという。大きなナイフ、と石油缶、メガネ、腕時計、石鹸、懐中電灯(電池が切れると病気になる)を要求。
129 Did Mwaega and Katana mistake "viasi" (plural of kiasi = ammunition) for "viazi" (plural of kiazi = potato), or did they say "viasi" correctly, and I misheard and thought it to be "viazi" ? In any case, in the edited text that combined my field notes from the day of Kayamba with the commentary on the audio tape they provided the following day, I used the expression "viazi = potato," even though I found it strange. Of course, it was explained as "something necessary for a gun," but I left it at that without investigating what that specifically meant.
ムワエガやカタナが「viasi(kiasiの複数形=弾薬)」を「viazi(kiaziの複数形=ジャガイモ)」と間違えていたのか、彼らはちゃんとviasiと言っていたのに、私が聞き間違えてviazi=potatoだと思ったのか。ともかく、カヤンバ当日の私のフィールド・ノートに、翌日に彼らが行ってくれた録音テープの内容解説を統合した編集されたテキストでは、私は奇妙に思いつつも「viazi=ジャガイモ」という表現をそのまま使っている。もちろん、「銃に必要なもの」と説明されているのだが、私はそれが具体的には何であるかを追究しないままに放置した。恥ずかしい。
130 憑依霊の施術師たちは唱えごとの中などで、しばしば病人の身体を憑依霊にとっての「砦(ngome131)」にたとえる。このJawa氏の語りの中でのboma(スワヒリ語で基地、砦)についても同様である。病人の身体が霊の白人にとっての「基地、砦」であり、霊がそこに帰ってきて腰を下ろすと、その人は病気になるとされている。したがって、白人に長く旅ができるよう「背負うバッグ」を与えると、白人は旅を続け、長く不在になるので、患者の健康状態は良好になる。
131 ンゴメ(ngome)。憑依の文脈では、憑依霊たちが棲まう砦(ngome)、つまり患者の身体のこと。
132 ロメ(rome, pl.marome)。「焚き火」を意味するコメ(kome, pl.makome)のaugmentative形でもあるが、屋敷内の人々が集って語りあったり、一緒に食事をとったりする、屋敷の中央部にある屋外の広場。かつて人々は夕方になるとロメに火を起こし、屋敷の全ての男がそこに集い共に食事をとった。そこで寝る時間まで会話や教育や物語が話された。今日では3~4世代の父系親族が暮らす大きな屋敷そのものが姿を消しつつあるが、1980年代半ばくらいまではキナンゴから離れた地域(「青い芯のトウモロコシ」のような)ではまだ普通に見られた。
133 Jawa氏の発音では anzeliwe となっているが、ドゥルマ語にもスワヒリ語にも該当する表現はない。おそらく「始める」を意味するスワヒリ語 ku-anzaの prepositional form である ku-anzia の受動形 ku-anziliwa の subjunctive form であろうと解釈して書き起こした。
134 According to "A Standard Swahili-English Dictionary", "yasi" means yellow powder from India used by women as a cosmetic. Perhaps Malau is referring to something like gunpowder.
A Standard Swahili-English Dictionaryによると、「yasi」はインド産の黄色い粉で、女性が化粧品として使うものだそうだ。viasi yasiでマラウは火薬のようなものを指していたのだろうか。
135 This statement also shows that Nyawa, who belongs to the younger generation(the same as Malau's sons' generation), did not understand what "viasi" meant at this point.
この発言から、若い世代(マラウの息子たちと同じ世代)に属するニャワがこの時点ではスワヒリ語の「viasi」の意味を理解していなかったらしいとわかる。
136 SportsmanもEmbassyもケニア製の紙巻きタバコの商品名だが、前者が1パック6~10シリングであったのに対し、後者は15~20シリングと高級品だったと記憶している。当時は1シリングは約20円だった。Jawa氏はSportsmanの方が高いと言っているが。
137 Mutunda (pl. mitunda). Sideroxylon inerme(Pakia&Cooke2003b:393). Also known "mutunda-koma". A tree that makes up coastal forests and riparian forests. It is heavy, hard, and fire-resistant, so it is used as building material. It can also be found inland along rivers. Both Mr. Malau and Mr. Jawa use the name Mutundo. While there is a tree called mutundu(Croton macrostachyus), a tree found in central and western Kenya, and not found in Coastal region. The name is used by the Kikuyu people. It is not used among the Duruma. It doesn't exist in the Swahili vocabulary either(Maundu&Tengnas2005:180). On the other hand, the name "mtunda" exists in the Swahili vocabulary. Here, I've interpreted and translated "mutundo" as "mutunda" when the two of them mention it. Perhaps there's another tree in Durma called "mutundo." If anyone knows, please let me know.
ムトゥンダ(mutunda, pl.mitunda)。Sideroxylon inerme(Pakia&Cooke2003b:393)。別名「ムトゥンダ・コマ(mutunda k'oma)」。沿岸林や河畔林を構成する樹木。重く、硬く、耐火性があるため、建築材料として使用される。内陸の川沿いにも見られる。マラウ氏とジャワ氏はどちらもムトゥンド(mutundo)という名前を使用している。一方、ムトゥンドゥ(mutundu)と呼ばれる木(Croton macrostachyus)が、ケニア中央部と西部に見られるが、海岸地方には見られない。ムトゥンドゥはキクユ語の名称である。スワヒリ語の語彙にも存在しない(Maundu&Tengnas2005:180)。一方、「mtunda」はスワヒリ語の語彙に含まれている。ここでは二人が言及している"mutundo"を"mutunda"だと解釈して訳している。もしかしたらドゥルマには別に"mutundo"という名前をもった木があるのかもしれない。ご存じの方は教えて欲しい。
138 ドゥルマの人々は流暢にスワヒリ語も喋れるのだが、このジャワ氏のように文法的にはやや不正確なところがある。neno(pl. maneno)の名詞クラスはJi-Maクラス(Ma-クラス)なので、ここは"Yale maneno yaliokwamba yametoka"となるべきところである。なんて、たいして喋れない私が偉そうに言うな、みたいな。
139 ズボン(suruwale, pl.masuruwale)はJi-Maクラスの名詞であるが、ここではNクラスの名詞として用いられている。おそらくスワヒリ語のズボン(suruali, pl.suruali)がNクラスの名詞であることとの混同だろう。
140 動詞ク・アパ(ku-apa)はスワヒリ語で「誓う」を意味するが、この文章中では意味をなさない。しかし何度聞き直してもマラウ氏ははっきりkuapaと言っている。なおkooはスワヒリ語で「喉」。ku-awa であれば、汗や血が「出る」という意味の動詞である。まったく根拠はないが、ここは「喉が狭くて、息が少ししか出ない」みたいな感じで解釈しておいた。